派遣社員の年収は? ボーナスはある?【2020年最新統計】
派遣社員はボーナスがないことが一般的ですが、派遣会社によってはボーナスを設けている場合もあります。
この記事では、2020年時点の最新統計をもとに、派遣社員の年収を年齢・職種・地域別に、わかりやすく図で解説します。
派遣社員の平均年収は?ボーナスはある?
派遣社員の平均年収は冒頭に書いた通り375万円です。
ただし、派遣社員にも無期雇用派遣(旧特定労働者派遣)と有期雇用派遣という種類があり、年収も異なります。
この章では、派遣社員の年収について掘り下げて解説します。
派遣社員の平均年収
- 派遣社員の平均年収:375万円
- 無期雇用派遣の平均年収:398万円
- 有期雇用派遣の平均年収:318万円
厚生労働省「平成30年度 労働者派遣事業報告書の集計結果」より
無期雇用派遣とは、派遣会社に無期限で雇用されており、派遣先の会社が決まっていない期間も賃金が支払われます。
一方、有期雇用派遣とは、派遣会社から派遣先の会社へ派遣されている期間のみ賃金が支払われます。
厚生労働省の統計によれば、8時間労働の1日当たりの賃金は下記の通りです。
- 派遣労働者の平均賃金:14,888円/日
- 無期雇用派遣の賃金:15,784円/日
- 有期雇用派遣の賃金:12,604円/日
厚生労働省「平成30年度 労働者派遣事業報告書の集計結果」より
省庁の正式な統計調査では年収の記載が見られなかったため、1か月の稼働日数を平均21日、12か月として平均年収を計算しています。
派遣社員の平均月収はそれぞれ下記の通りです(1か月の稼働日数21日として計算)。
- 平均月収:31万円
- 無期雇用派遣の月収:33万円
- 有期雇用派遣の月収:26万円
なお、正社員の平均年収は504万円(国税庁平成30年「民間給与実態統計調査」) で、100万円近く年収の差があることがわかります。
派遣社員はボーナスなしが一般的
派遣社員はボーナスが支給されることは少ないです。
理由は、派遣社員の給与の計算方法にあります。
派遣社員の給与はボーナスや交通費などを加味したうえで月給として計算されています。
したがって、正社員に比べて派遣社員の月給が高く感じるかもしれません。
派遣社員がボーナスを受け取れるか否かは、派遣先の企業ではなく、雇用契約を結び給与を支払っている派遣会社が決めます。
派遣会社の中にはボーナスを支払う会社もあるので、ボーナスありの派遣会社に絞って探してみると良いでしょう。
また、正社員になる前提で派遣先企業で働く「紹介予定派遣」の場合には、試用期間の後に正社員や契約社員となっていればボーナスを受け取れる可能性もあります。
派遣会社に登録する際に確認してみてください。
派遣社員の年収|年齢別
【派遣社員と正社員の年齢別年収】
派遣社員の年収:JOBNETより、
正社員の年収:厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査 一般労働者 雇用形態別」より作成
派遣社員の年収の年齢別平均値と正社員との比較した図です。
年齢別の年収について解説していきます。
派遣社員の年収は300万円前後で伸びにくい
派遣社員の年収は、年齢を重ねても上がりにくいのが特徴です。
昇給・昇格が定期的にある正社員は年齢を重ねるほど年収が上がる傾向があります。
一方、派遣社員の場合は定期的な昇給が基本的にはありません。
したがって、正社員の平均年収のピークである50代において、派遣社員と正社員との年収の差が約2倍と最も大きくなります。
派遣社員が年収を上げる方法については後述します。
20代で正社員への就職・転職
派遣社員の年収|業種・職種別
【派遣社員の業種・職種別の年収】
厚生労働省「平成30年度 労働者派遣事業報告書の集計結果」より作成
派遣社員の年収を業種・職種別に示した図です。
この図からわかる、派遣社員の年収の傾向について詳しく見ていきます。
スキルが必要な職種では年収が高い傾向
派遣社員で年収が高い業種・職種には2つの特徴があります。
Web・IT業界の需要は伸び続けており、専門知識を持つ人が足りていない状況です。
需要があることに加えて専門知識も必要なので、派遣社員としては年収が高くなります。
また、看護師や翻訳などの専門知識が必要な職業も年収が高いです。
一方で、一般事務などの年収は派遣社員の平均年収である375万円と比較しても低い傾向にあります。
派遣社員の年収|都道府県別
北海道 | 329 |
---|---|
宮城 | 366 |
埼玉 | 329 |
千葉 | 366 |
神奈川 | 403 |
東京 | 512 |
愛知 | 402 |
広島 | 366 |
大阪 | 439 |
兵庫 | 366 |
福岡 | 366 |
沖縄 | 293 |
JOBNETより作成(※平均年収と国税庁の都道府県別年収との比率から算出)
派遣社員の年収を都道府県別にまとめた表です。
この表からわかることを掘り下げて解説していきます。
東京・大阪・愛知など大都市圏の年収は高い傾向に
派遣社員の年収を都道府県別に比較すると、大都市圏の年収が高いことがわかります。
派遣社員の年収は基本的に時給の積み上げです。
したがって、最低賃金の高い地域である大都市圏ほど年収が高くなるのです。
沖縄と東京の派遣社員の年収の差は100万円以上となっており、時給の数百円の差が積みあがると大きな差になります。
派遣社員が年収を上げる方法3つ
派遣社員の年収について、平均値や職種、地域別に見てきました。
ここからは派遣社員が年収を上げる方法について解説していきます。
派遣社員が年収を上げる方法1.専門知識を学んでスキルアップする
年収を業種・職種別に比較した通り、専門知識が必要とされる分野は年収が高いです。
資格を取得して、専門知識があることを客観的にわかるようにするのも良いでしょう。
専門知識があることを派遣会社へ登録する際にアピールすることや、契約更新の際に伝えておくことで年収が上がりやすくなります。
派遣社員が年収を上げる方法2.勤務地を移す
都道府県別に派遣社員の年収を調べた結果、大都市圏ほど年収が高くなる傾向にありました。
引っ越しを伴わない範囲で年収の高い地域で派遣会社に登録してみるなどの工夫をすると、同じ職種であっても給料を上げることができます。
ただし、大都市圏への引っ越しをすると、家賃や物価が上がってしまい手取り給与はあまり変わらないこともあり得るので注意しましょう。
派遣社員が年収を上げる方法3.正社員になる
正社員と派遣社員の年収を比較すると、40代、50代になるとその差は2倍にもなります。
正社員になることを検討してみるのも、年収を上げるには良い手段です。
派遣社員が正社員になる方法は3つあります。
- 紹介予定派遣
- 転職活動
- 正社員登用
紹介予定派遣とは、派遣社員として働いた後に正社員や契約社員として企業と直接雇用を結ぶ前提とした派遣のことです。
紹介予定派遣については以下の記事で解説しています。
派遣社員と正社員の違いとは?メリット・デメリットでわかる最適な働き方
そのほか、正社員の求人に応募する転職活動や、派遣社員から正社員化を目指す正社員登用などの方法があります。
正社員登用については以下の記事で詳しく紹介しています。
正社員登用制度とは? 最新統計でわかる実態と正社員のメリット・デメリット
派遣社員の年収まとめ
- 平均年収は375万円
- ボーナスはないことが多い
- 職種や地域によって年収が異なる
派遣社員の年収は375万円(平成30年度時点)です。
派遣社員は時給にボーナスや交通費などの手当を含んだ金額が提示されていることが多いので、ボーナスを受け取れないことほとんどです。
派遣社員の年収は職種や地域によっても大きく変わってきます。
年収を上げるには専門知識を付けたり、正社員を目指すことも一つの選択肢となります。
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