オフショアとは
直訳すると「海岸線の外側」という意味ですが、ビジネス上ではもっと深い意味を持ちます。
一体、どのように使われているのでしょうか。
「海外」または「海外の特定の国や地域」を指す
「オフショア(offshore)」は、「海岸線の外側」や、「岸から海に向かって流れる風」などを意味する言葉です。
これが転じて、ビジネスシーンでは「本拠地の外」=「海外」を指す言葉として使われるようになりました。
関連して、法人そのものや法人の一部の拠点を海外に移すことを「オフショアリング(offshoring)」と呼びます。
IT業界:開発業務を海外に発注する「オフショア開発」
「オフショア開発」はIT業界の企業に多く見られる、開発コストを削減するための戦略のひとつです。
情報システムやソフトウェア、スマホ用をはじめとするアプリ、ソーシャルゲームなどの開発業務を海外の開発会社に委託することや、海外の子会社または「オフショアリング」した海外拠点に依頼することをいいます。
営業や企画開発、設計、サポートなど、顧客と密にやり取りをする必要のある業務は国内で、開発から実装テストまで、そして運用後の保守管理などを海外で、と分業して行われるのが一般的です。
最近では開発業務だけではなく、コールセンターを海外に設けたり、データ入力、画像加工などの細かく分けた業務を海外に委託したりする企業が増えています。
「オフショア開発」はアメリカの企業がインドに進出したことが始まりだといわれていますが、日本企業の依頼先は中国が多く、より人件費の安いベトナムやインドネシア、フィリピンなどのアジア新興国にも注目が集まっています。
アジア新興国への「オフショア開発」がうまく進めば大幅なコスト削減ができますが、言葉や習慣の違い、成果物の品質などに関するトラブルが目立つため、現地でリーダーとして活躍できる優秀な人材を採用、育成することが次の課題になっているようです。
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金融業界:オフショア地域で投資を行う「オフショア投資」
まずは、海外の株式や債権などに投資する「海外投資」についてご説明しましょう。
海外投資には日本国内における投資よりも高い利回りや投資商品の豊富さ、有利なボーナスが多いことなどのメリットがあります。
さらに、日本の投資では証券会社が作った投資信託などの商品を購入するのが一般的ですが、海外では商品を作る証券会社と運用する会社が異なるため、「IFA(Independent Financial Advisor)」と呼ばれる投資商品の運用を専門に行う会社を経由することが必要。
どのIFAから購入しても手数料はかからず、商品の管理手数料は統一されている上に、IFAは日本の証券会社とは比べられないほどの商品を扱っているため、経験や知識が豊富です。
投資者の資産が増えるほどIFA側も儲かるため、IFAの力を借りて投資を行うことはどちらにとってもメリットがあるといえるでしょう。
このようにメリットが多い海外投資をオフショア地域で行うことが「オフショア投資」です。
金融業界において「オフショア地域」とは、「タックス・ヘイヴン(tax haven)」を指します。
「タックス・ヘイヴン」とは、香港やシンガポールなどの、外からの収入に対して規制が少なく、所得税や法人税などの課税が非常に安い、または完全に免除される国や地域のこと。
「タックス・ヘイヴン」であれば海外投資のメリットに加えて、課税のメリットもあるため、「オフショア投資」は高い人気を誇っています。
この記事のまとめ
「オフショア」は「海外」を指す言葉ですが、IT業界では主に中国や東南アジア、金融業界では主に香港やシンガポールに代表される「タックス・ヘイヴン」を指します。
今後も「オフショア開発」や「オフショア投資」は伸びていくことでしょう。
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