価格弾力性とは

マーケティング部門で働いている人はもちろん、ビジネスマンであれば基本的な経済学用語は抑えておきたいもの。

今回は、基本的な経済学用語としてよく目にする「価格弾力性」という用語を取り上げていきます。





価格弾力性とは、価格が変化した時の需要の増減の度合い

価格弾力性とは、ある製品の価格が変化することで需要がどの程度変化するのか、その度合いのことを意味します。

私たちが日頃消費している製品やサービスは、それらの価格が変化することで、消費する頻度が変わります。

言いかえれば、ある製品やサービスの価格変化によって、私たちの需要もまた連動して変化するのです。

新聞や経済誌などで「価格弾力性」という言葉が登場するとき、ほとんどが「価格弾力性が低い」とか「価格弾力性が高い」というような言い回しでこの言葉が使われています。

では、それらは何を意味しているのでしょうか。

「価格弾力性が低い」とは何を意味しているのか?

「価格弾力性が低い」という言葉は、価格が変化しても需要があまり変化しない(変化の度合いが小さい)ということを意味します。

価格弾力性が低い製品としてしばしば例に挙げられるのが生活必需品です。

たとえば、水やお米など生活に必ず必要なものは、価格が値上がりしても需要に大きな変化はありません。

水道の基本料金が値上がりしても、給水停止を申し出る人はまずいないでしょうし、お米の値段が上がっても不満に思いながらレジまで持っていくでしょう。

逆に、生活必需品の値段が値下がりしても需要が増えることもありません。

このように、価格の変化によって需要があまり増減しないことを指して、価格弾力性が低いと言うわけです。

「価格弾力性が高い」とは何を意味しているのか?

反対に、「価格弾力性が高い」という言葉は、価格が変化すると需要がわりと変化する(変化の度合いが大きい)ということを意味します。

価格弾力性の高い製品として代表的なものが贅沢品や嗜好品などです。

液晶テレビやパソコン、ブランドバッグやジュエリーなどは、セールや特売で安売りが入ると急激に需要が高まります。

逆に、セールが終わって通常の値段に戻ると、潮が引いたように急速に需要が落ち着きます。

このように、価格の変化によって需要が大きく変化することを指して、価格弾力性が高いというわけです。

ちなみに、経済学では価格弾力性は計算式で表され、「需要の変化率(%)」を「価格の変化率(%)」で割ることで、価格弾力性を数値化します。

この場合、価格弾力性が1より大きいと価格弾力性が高いと言い、1より小さいと価格弾力性が低いと言われます。

そもそもなぜ価格は変わるのか?

さて、ここまで価格の変化が需要の変化を引き起こすこと、そして価格変化に伴う需要の変化の度合いのことを価格弾力性と呼ぶことを確認してきました。

最後に、そもそもなぜ価格が変化するのか簡単に触れておきましょう。

一番身近な所でいうと、所得の向上が価格の変化に直結する要因です。

所得が上がると購買欲が高まり、需要も高まります。

需要が高まるとモノが不足して、モノの価格が上がります。

また、技術革新などによって低コストで多くのモノを生産できるようになると、企業は大量生産するため一つ一つのモノの値段は下がります。

このように、モノやサービスの価格は常に変化し、それに伴い需要の増減もまた流動的となっています。

しかし、価格弾力性という言葉を手がかりにすれば、リアルタイムに変化する価格に対して需要がどの程度変化するか予測することができます。

このような、価格と需要の変化率を考える上で、価格弾力性という言葉は大事なキーワードといえるのではないでしょうか。

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この記事のまとめ

価格弾力性とは価格が変化した時の需要の増減の度合いのことです。

これはビジネス用語としてだけではなく、日常の経済生活にも関わるキーワードですので、この機会にしっかりおさえておきましょう。

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