労災保険とは
たとえば、スーパーで荷物を出しているときに転んで骨折をしたり、飲食店の調理場でやけどをしたりしたら、労働災害として認定されます。
労働災害で治療が必要となった場合、「労働者災害補償保険(労災保険)」から治療費が全額支払われるなどの補償があります。
今回は、労災保険がどのように私たちを守ってくれるのか見ていきましょう。
労働者の安全対策と労災保険は会社の義務
建築現場、あるいは大きな機械や有害な薬品を扱う仕事場では、つねに事故が起きる危険があります。
労災保険は、こうした危険から従業員を守るために用意されている保険であり、会社はアルバイトを含め1人でも雇っていたら加入の義務があります。
しかし、労災保険はお金の面での助けになるだけです。もし事故で身体の機能が失われてしまっても、それが元に戻るわけではありません。
だからこそ、会社は従業員が心身とも健康で、安全で快適な環境で仕事ができるように努めなければなりません。そのために次のようなことが、法律で定められています。
・適切に休憩時間や休日を設ける
・健康診断を行う
・心身の健康への対策を行う
・安全衛生の管理や対策を行う
・危険物や有害物質などの取り扱い方法を守る
・働いている人に、安全衛生の教育をする など
最近は、仕事上のストレスからうつ病になるケースも増えており、心の健康への対策も求められています。
また、会社だけでなく働いている人も、会社の安全対策に協力しなければなりません。
どんなときに労災保険が使われるの?
労災保険の対象になるのは、「仕事が原因のケガや病気」「障害」「亡くなった場合」です。
仕事中だけでなく、会社に行く途中や、帰宅するときに事故にあったときも労働災害として認められ、労災保険で治療が受けられることがあります(帰宅中に寄り道をしていた場合などは認められないケースもあります)。
労災事故が多いのは、建設業や陸上貨物の運送業、工場でモノを作る製造業です。
ほかにも、飲食店で一酸化炭素中毒になったり、書類の段ボールを運んでいるときに階段から落ちで腰を痛めたりなど、いろいろな職場で労働災害は起きています。
なお、目に見えるケガだけではなく、長時間労働や、職場でひどい嫌がらせを受けてうつ病になるなど仕事が原因で発生した精神的障害も、労災保険の対象になっています。
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労災保険で受けられる補償の内容は?
労働災害によるケガや病気は、健康保険ではなく労災保険の対象となり、無料で治療が受けられます。
また治療などのため4日以上休んで給料がもらえないときは、給料の60%程度の給付があります。
労働災害によって障害状態になったときは、障害の程度によって、障害年金や一時金が受けられます。
亡くなったときは、残された家族に遺族年金が支払われます。
そのほかに介護の費用や葬祭費などの給付があります。
労災保険への加入は会社の義務です。もし会社が労災保険に入っていなくても、労災保険による治療は受けられます。
一方、会社は、それまで納めていなかった保険料などを払わなければなりません。
安全な環境で、心も身体も健康で仕事ができることは、もっとも基本的な労働条件といえるでしょう。
この記事のまとめ
就職先を選ぶときはもちろん、アルバイトをするときも、その仕事場が、事故が起きないように安全に管理されているか確認することは大切なことです。
また、長時間働いたり、無理なノルマを押し付けられたりして、ストレスによって病気になることもあります。
就職するときは、先輩の社員たちが健康で生き生きと働いている、そういう会社を探してみましょう。
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