消防学校の1日のスケジュールは? 体験をもとに解説!
こんにちは、マツナガです。
今日の記事では、消防士が採用されてから入校することになる消防学校の1日の流れを解説したいと思います。
消防士になりたい人、消防士に内定していてこれから消防学校に入校する人、消防学校の生活に興味がある人には非常に参考になる記事です。
それでは、早速やっていきましょう!
消防学校とは?
勘違いしやすいポイントですが、消防学校とは「消防士になるための学校」ではありません。
消防学校は「消防士の研修機関」です。
消防士に採用されてすぐに消防学校に入校する学生は「初任教育課程」といって、数ヶ月~6ヶ月程度の期間で消防士の基礎となる学力や技術を習得するために入校するのです。
消防学校に入校する時点で公務員として採用されていますので、お給料やボーナスもきちんと支払われます。
消防学校は基本的に各都道府県ごとに設置されていますので、基本的には採用された消防本部がある都道府県の消防学校に入校することになります。
一部の政令指定都市では独自に消防学校を設置している場合があります。
消防学校の1日のスケジュール
消防学校は基本的に寮に泊まり込んで生活します。
1週間のスケジュールとしては基本的に月曜日に出勤し、月曜の夜~金曜日の夕方まで泊まり込み、金曜日の夜に帰宅が許されて土日祝日は自宅で過ごすという形になります。
ここからは消防学校で起床して消防学校の寮で眠るまでの1日のスケジュールを時系列に沿って説明していきます。
起床【6:30】
朝は6:30にチャイムとともに寮の自室で起床します。
消防学校の寮は個室か大部屋です。これは都道府県の消防学校ごとに違います。
点呼があるので、起床したらすぐに校庭に向かいます。
点呼【6:40】
点呼は組ごとに実施して、集合した人数を学生代表に報告します。
前日に学校に当直していた「当直教官」が点呼にやってくるので、みんな緊張します。
学生代表が「学生総員○○○名、事故○名、現員〇〇〇名!」と言って当直教官に人数を報告します。
「事故」とは体調不良など様々な理由で点呼に出られなかった学生の人数です。
ここでキビキビと報告できないと、教官から厳しく指導されます。
教官への報告が終わったら、学生全員で体操をします。
掃除【6:40~7:00】
点呼が終わったら各班ごとに割り当てられた場所を掃除します。
掃除はきちんと真面目にピカピカに仕上げないといけません。
適当に掃除しているところを教官に見つかると、腕立て伏せなどの「ペナルティ」を受けることになります。
朝食、座学の準備【7:00~8:30】
掃除が終わったら食堂で朝食を食べます。
学生の人数が多くて混雑するので、時間に余裕を持って行ったほうが良いでしょう。
朝食の後はヒゲを剃って制服に着替えます。
ヒゲは入念に剃る必要があります。
訓練の時にヒゲが残っていると、教官に指摘されて「ペナルティ」を受けることになります。
午前中の座学は8:30から始まるので、余裕を持って8:15くらいには寮を出ます。
座学【8:30~12:00】
午前中は基本的に、学生全員が入る講堂で座学を受けます。
座学の内容は様々で公務員として必要な「服務と公務員倫理」と「地方公務員法」、火災に必要な知識として「化学」「建築」「消防ポンプ」などの授業。さらには「消防英語」という授業もあります。
ここで消防士に必要な知識を勉強することになります。
昼食と昼休み【12:00~13:00】
12:00からは昼休みです。
昼休みは非常に忙しいです。時間の余裕はほとんどありません。
午後の訓練開始は13:00なのですが、13:00にはすべての学生が訓練服に着替えて点呼も終えて集合していなくてはなりません。
なので実質的に午後の訓練場所には12:50頃には集合していなくてはならないのです。
昼食も食べる必要がありますが、昼の食堂は短時間に学生が殺到するので非常に混みます。
午前の座学が終わった瞬間に食堂へダッシュしないとここで時間をとられてしまいます。
昼食が終わったら、訓練服に着替えて持ち物を用意して、午後の訓練の準備をします。
訓練【13:00~17:15】
午後からは訓練です。
訓練の内容は様々で、実際に消防車を使った「消火活動訓練」、主にロープワークや災害での人命救助方法を学ぶ「救助訓練」、消防隊が使う三連はしごや空気呼吸器などの使いかたを学ぶ「機器取扱訓練」などがあります。
訓練は教官から厳しく指導されるので、体力的にも精神的にも非常に厳しいです。
また、真夏でも消防隊が火災の時に着る厚手の「防火衣」を着て訓練するので、非常に暑いです。
水分補給をこまめに行いながら、気持ちを集中しておかないと熱中症で倒れてしまうこともあります。
夕食と自由時間【17:15~21:00】
午後の訓練が終わった後は21:00まで自由時間です。
自由時間といいますが、やらなければいけないことが盛りだくさんです。
靴磨き
翌日の訓練に備えて、訓練に使用するブーツは綺麗にしておかなくてはなりません。
1日の厳しい訓練で汚れたブーツを、クリーナーと靴墨を使って美しく磨き上げます。
翌日の訓練でブーツが汚い状態のままだと、教官から指摘されて「ペナルティ」を受ける場合があります。
洗濯
訓練服は何枚も支給されているわけではないので、基本的には毎日洗濯する必要があります。
学生の数が多いので、使える洗濯機は限られています。
洗濯機渋滞が発生するほどですので、洗濯は早めに行わないといけません。
梅雨の時期などは洗濯物が乾かないので苦労します。
夕食
食堂で夕食を食べます。
3食の中で、時間的余裕がある夕食だけは比較的ゆっくりと食べることができます。
私が入校していた消防学校では、肉定食か魚定食を選ぶことができました。
なお、消防学校の食堂の食費は基本的には採用された消防本部が払ってくれる場合が多いです。
例外として職員に食費の自己負担してもらう消防本部もあるようです。採用された自治体の状況にもよると思いますが、自己負担は痛いですね・・・。
訓練の予習、復習
翌日の訓練や、当日に行った訓練に不安がある場合は、自由時間で自主訓練をします。
自主訓練は、基本的には寮室を共にする班(4~5人程度)ごとに行います。
訓練にも「効果測定」といってテストがあるので、自主訓練も非常に大事になります。
入浴
訓練が終わった17:15から21:00までの間に大浴場で入浴します。
自由時間もやることが多いので、入浴は短時間でササっと済ませます。
私は自主訓練、夕食、靴磨きが終わった後に入浴していたので、20:00くらいになってしまうことが多かったです。
入浴が終わった後に、消防学校の売店でアイスクリームを買って食べるのが何よりほっとできる瞬間でした。
消防学校の生活は時間に追われてストレスが溜まるので、自分なりの息抜きの方法を覚えておくと良いでしょう。
自習時間【21:00~22:00】
自習時間は寮室の中で訓練日誌を書いたり、テスト前の勉強をします。
自習時間はトイレ以外で寮室を出てはいけません。
訓練日誌は、その日の訓練内容や自分の体調などを記入して、毎日教官のチェックを受けます。
公務員としての文書作成の練習という側面があるので、必ずボールペンで記入して、ミスした場合は訂正印で修正しなければなりません。
また、座学のテストが定期的に行われるので、テスト勉強もこの時間に行います。
赤点を取ってしまうと、再試と教官からの「ペナルティ」があるので、みんな頑張って勉強します。
点呼【22:10】
22:00を過ぎると夜の点呼のために校庭に集合します。
夜の点呼も朝と同じで、集合した人数を学生代表に伝え、学生代表が教官に総員を報告します。
点呼が終わると、組ごとに集まり、日直から翌日の訓練の持ち物や準備事項などを伝えられたあとに解散となります。
消灯【22:30】
点呼を解散した後は、歯を磨いて就寝します。
22:30以降は勉強などもしてはいけません。必ず消灯して寝るように教官から指導されます。
私の消防学校では、消灯以降はトイレ以外で寮室を外出してはいけない決まりになっていました。
一日の厳しい訓練で非常に疲れているので、すぐに眠りに落ちます。
翌日に備えて、ゆっくりと体を休めましょう。
1日お疲れ様でした・・・。
今日の記事では、「消防学校の1日のスケジュール」について紹介しました。
消防士に関連する情報をメインにした雑記ブログを公開していますので、是非見てみて下さい。
消防学校の詳しい訓練内容や、消防士の1日のスケジュール、消防士の階級、消防士の給料などを詳しく解説した記事等を公開しています。
【火消しの雑記帳】
といったところで今日は終わりです。
本日の記事はいかがだったでしょうか?
それでは、また次の記事でお会いしましょう.