私が消防士を目指したきっかけと消防士の採用試験に合格するまで
こんにちは、元消防士のマツナガです。
今日の記事では、次のことを説明したいと思います。
・私が消防士を目指したきっかけ
・消防士の採用試験の勉強方法
・消防士の採用試験の内容とポイント
それでは、早速やっていきましょう!
消防士を目指したきっかけ
私が消防士を目指したきっかけは3つあります。
1つめは「体を使った仕事がしたい」ということです。
特別運動神経が良かったわけではありませんでしたが、運動自体は好きでした。
自分の性格上、机に座りっぱなしの仕事は合わないと思ったのです。
消防士になった後に、非常にデスクワークも多い仕事であることがわかりましたが・・・・(笑)
2つめは「感謝される仕事がしたい」ということです。
私のやりたい仕事として、消防士の他にも警察官か自衛官という職業も候補に入っていました。
その中では最も一般市民の生活に密着して、人を助けて感謝される仕事は消防士だと思ったのです。
実際に消防士になってみると分かりますが、感謝される場面や市民と触れ合う機会は多いです。
消防車に乗っていると、歩いている子供達に毎日のように笑顔で手を振られます。
救急車で搬送した患者さんのご家族から御礼の手紙が届くということも良くありました。
3つめは「公務員になりたい」ということです。
親を安心させたかったということもありますし、給料も安定しているので公務員になりたいと考えていました。
公務員にも色々な職種がありますが、上で説明したように「感謝される仕事」と「体を使った仕事がしたい」という希望に最も合っていたのは消防士でした。
消防士の採用試験
1次試験・筆記試験
筆記試験は6月末に実施されました。
自分が受験した消防本部では、消防士以外の採用区分の公務員も同じ会場で試験を受けることになっていたので、受験者が非常に多かったことを覚えています。
服装は無難にスーツか制服を着ていったほうが良いでしょう。受験する消防本部の職員が試験官を勤めている場合があるので、服装も見られている可能性があります。
あまり奇抜な服装は社会人にはふさわしくないと判断されてしまいます。
試験科目は前述したとおり数的推理、人文科学、自然科学などの教養試験です。
出題形式は複数の選択肢から一つの解答を選ぶ択一式の問題です。
試験時間は2時間程度かかるので、非常に疲れます。3カ月間みっちりと勉強したおかげか、手ごたえとしては十分でした。
消防本部によっては1次試験で小論文を課す場合があるので、そういった場合は筆記試験のほかに小論文対策の勉強も必要ですね。
体力検査
7月上旬に筆記試験の合格者が発表されました。
筆記試験に合格した人だけが体力検査を受検することができます。
体力検査は消防本部の体育館に集合して、運動靴とジャージで各種の運動科目をこなしていきます。
私が受験したときの種目は次のとおりです。
・腹筋(30秒間に何回できるか)
・20メートルシャトルラン
・握力測定
・長座体前屈
・反復横跳び(20秒間に何回できるか)
・腕立て伏せ
特に腕立て伏せは独特の難しさがあります。
自分のペースで回数だけこなせば良いという楽な方法ではありません。
メトロノームのリズムに合わせて、あごを地面に付けないと1回とカウントされないのです。
メトロノームが「チーン」と鳴るまで腕を上げたり下げたりできないので非常に疲れます。
体力検査の合格発表は検査後1週間くらいで発表されました。
筆記試験の合格者から数名しか落第していなかったので、「体力が優れている者を合格させる」というよりも「明らかに体力的に劣っている者を落とす」という基準だったのかもしれません。
実際、私も20メートルシャトルランは60回程度しかできなかったのですが合格しました。
運動部に所属している人でなくても、ある程度の体力を備えていれば大丈夫です。
2次試験・小論文試験
体力検査を合格した受験生は2次試験の小論文試験に臨むことになります。
私は1次試験の筆記試験突破のみに集中していたので、小論文試験の対策をする時間は2週間程度しかありませんでした。
小論文試験は「お題」が出され、それに関連した小論文を制限時間60分で解答しなければなりません。
そこで、公務員試験用の小論文試験対策テキストを本屋で購入して、その1冊の本を徹底的に勉強しました。
私が受験した消防本部は、防災に関連したお題が過去に多く出題されていましたので、防災に関するお題をいくつか想定して小論文を数本書き上げて暗記しました。
この勉強方法が効果抜群で、実際に小論文試験に臨んでみるとドンピシャで自分が想定していたお題が出題されたので非常にスラスラと解答を書けたことを覚えています。
小論文試験のポイントは「受験する消防本部の過去の出題傾向を把握すること」と「出題されそうなお題を想定して、数本小論文を書いて暗記すること」の2点です。
2次試験・面接試験
ここまで来てようやく最後の面接試験になります。
面接試験では受験者1人に対して試験官が3人居ました。
私が試験官から聞かれた内容で今でも覚えているのは「志望動機」「消防士になった後でやってみたい業務」「他の公務員試験を受験しているか」の3点です。
この3点は消防士以外の公務員試験でも重要ではないでしょうか。
1つ目の「志望動機」ですが、これはきちんと答えられるようにしておいた方が良いでしょう。
「なぜこの消防本部を受験したのか」「なぜ消防士になりたいのか」といった点が試験官から掘り下げられてくると思います。
2つ目の「消防士になった後でやってみたい業務」ですが、こちらは救助隊、消防隊、救急隊など自分がやってみたい業務を考えておくと良いでしょう。
最近では「石油コンビナート等の危険物施設の検査担当になりたい。」「建物が消防法に適合しているかを検査する業務をやってみたい。」などなど、現場の部隊ではなく危険物や予防関係の業務をやってみたいという人も多いようですね。
消防士には消防隊などの現場以外にも「日勤」といって危険物や建物の予防査察、庶務、人事などの毎日デスクワークのみを行う業務も存在します。
消防士になった場合は、こういった「日勤」の業務に配属される可能性もあります。
3つ目の「他の公務員試験を受験しているか」です。
当然だと思いますが、消防士を目指している人は複数の消防本部や、都道府県警察の採用試験を併願して受験している場合が多いと思います。
ここで「他の消防本部は受験していません!」と言うのは嘘がバレバレなので、正直にどこを受験しているかは答えたほうが良いでしょう。
ただし「ここの消防本部が第1志望です。」とはフォローしておいた方が良いと思います。
・志望動機はしっかりと考えておきましょう。
・消防士になった後にやってみたい業務を答えられるようにしておきましょう。
・他の公務員試験を受験している場合は正直に答えたほうが良いです。
ようやく消防士に合格
面接試験が終わってからしばらくして、最終合格者が発表され、何とか1回目の受験で消防士に合格することが出来ました。
自分は大学4年生の時に運よく1回の試験で合格することが出来ましたが、中には社会人を続けながら何回も消防士の採用試験を受験し続けている人もいます。
消防士は高卒・大卒からそのまま採用される人だけでなく、社会人から転職してくる人も結構多いです。
消防士の採用試験は30才程度まで受験することができますので、気になる方は受験してみたい消防本部の採用試験案内を確認してみましょう。
今日の記事では、「私が消防士を目指したきっかけと消防士の採用試験に合格するまで」について紹介しました。
消防士に関連する情報をメインにした雑記ブログを公開していますので、是非見てみて下さい。
消防学校の詳しい訓練内容や、消防士の1日のスケジュール、消防士の階級、消防士の給料などを詳しく解説した記事等を公開しています。
【火消しの雑記帳】https://www.hikeshi-notebook.com/
といったところで今日は終わりです。
それでは、また次の記事でお会いしましょう。