理学療法士を目指すきっかけと資格取得の難関ポイント|9年目理学療法士の体験から
理学療法士を目指したいと思った時、どのような心掛けを持って臨むべきなのでしょうか。
唯一の正解を導き出せずとも、情報を適切に得ることできっと役に立つことがあるはずです。
今回は、理学療法士9年目の私の実体験を交えながら、理学療法士を目指す理由で多いものや資格取得についてのリアルな情報をお伝えします。
理学療法士を目指す理由ときっかけについて
理学療法士は、患者や利用者にリハビリテーションを行い、状態の改善を目指す仕事になります。
状態を改善するためには、理学療法士1人だけでなく、患者や利用者と共に取り組む必要があるでしょう。
リハビリテーションを実際に行っている姿は、『人と共に喜びながら誰かを救う仕事をしている』と分かりやすい光景を生みやすく、理学療法士を目指すきっかけを生み出します。
理学療法士の仕事は、人の役に立っていると明確に実感しやすいのが素晴らしい点でもあるでしょう。
実際、私が大学の理学療法学科に所属していたときにも『理学療法士の実際に働く姿を見た』ことを入学の理由としていた方が多かったのを覚えています。
では、主にどこで理学療法士の働く姿を見た人が多いのでしょう。
理学療法士を目指す理由として上位にあがる項目として、『人の役に立ちたい』や『体を動かすのが好き』といった内容が挙げられます。
理学療法士を目指す方の中には、体を動かすのが好きな、スポーツ経験者が多数います。
スポーツのケガをきっかけに理学療法士と関わるようになり、理学療法学科に興味を持つというパターンは少なくないのではないでしょうか。
その他にも、自身の両親や祖父母の治療をきっかけに興味を持つ方も多くいました。
理学療法士がリハビリテーションを行う姿は、魅力的に映りやすい傾向にあるのかもしれません。
その他、『国家資格で安定した仕事をしたい』という志望動機も決して少なくありません。
その魅力に惹かれ、理学療法士を目指すきっかけとする方も少なくないでしょう。
私が理学療法士を目指した理由は、『目指せる国家資格だから』という要素が大きかったです。
私が実際に理学療法士と初めて関わるのは、大学入学後でした。
治療体験などで強く惹かれて理学療法士になった訳ではない私でも、理学療法士の仕事は非常に魅力的であると感じています。
それだけ、魅力があり、やりがいを感じやすい職業といえるでしょう。
理学療法士が主に関わる領域と仕事|スポーツ領域は職域の一部
スポーツをきっかけに理学療法士に興味を持つ方は少なくなく、スポーツ系に興味を持つ理学療法学生も少なくないでしょう。
しかし、理学療法士の就業先は主にスポーツ系ではありません。
医療や介護の幅広い領域の中で、スポーツを扱う分野はほんの一部になります。
たとえば、私の居住している地域の整形外科の中でスポーツ整形外科の割合は、18%程です。
医療の一部である整形外科領域のさらに一部がスポーツを扱う分野であり、比較的狭き門と言えるでしょう。
スポーツ領域は人気が高く、やりがいを感じやすい仕事ができることでしょう。
しかし、それは理学療法士の仕事のごく一部であることを認識する必要があります。
理学療法士は、理学療法を扱いリハビリテーションを行う仕事です。
リハビリテーションとは、簡易に表現すれば『再びその人らしく生きられるようになること』を目指すことでしょう。
理学療法の対象者はスポーツ領域を含め、とても幅広く、さまざまな人との関わりを持つことができ、喜びを共有できる素晴らしい仕事です。
理学療法士を取得するには|取得までの難関ポイント
理学療法士になるためには、厚生労働大臣または文部科学大臣の指定する養成校で3年以上学び、国家試験の受験資格を得た後に国家試験に合格する必要があります。
国家試験の合格率は、一般的に80〜90%台ですが、ここ数年は90%以下で推移しており、若干低下傾向です。
また、試験のみでなく、実際の臨床を含めた『臨床実習』が必須の教育として組み込まれており、試験とはまた違った難しさがあります。
理学療法士の養成校に入り、理学療法士になるまでの難関ポイントは『試験』と『実習』の2つが主になるのではないでしょうか。
実際、私が学生の頃に苦労した難関ポイントは上記の2つです。
特に『臨床実習』に難しさを感じました。
臨床実習は、学年毎に内容は変化します。
3〜4年になると、一般的に患者を受け持ってリハビリテーションの補助をしながらリハビリ計画を立てるような内容になります。
リハビリ計画には、学校で学んできたような正解が存在しません。
リハビリテーションの意味、『再びその人らしく生きられるようにすること』には正解がないからです。
患者や先生によって、導かれる答は変動する可能性が大いにあるのです。
しかし、大変でありながらも実習の『正解のない答を探す』経験は、理学療法士としても社会人としても成長する機会を与えてくれることでしょう。
経験のないことに挑戦する時、誰しもが難しさを覚えながら、躓きながら成長します。
私も、理学療法士になってから初めて管理の仕事をしたり、文章を書く仕事をしたりする時には大変な思いをしました。
今となっては全てが貴重な経験です。難関ポイントは成長ポイントでもあり、人生の糧となることでしょう。
前向きに捉えることを心掛けると、きっと良い結果が生まれると信じています。