図書館司書の活躍の場所はどんなところ? 図書館の種類を解説
図書館司書というと、図書館で働く人というイメージがあるでしょう。
しかし、図書館にもいろいろな種類があり、勤務先によって仕事の内容も変わってきます。
さまざまな図書館の種類やその違いについてみてみましょう。
国立図書館
日本では「国立国会図書館」のことです。
東京都永田町にある中央館、京都府の関西館、東京都上野にある国際子ども図書館の3館、と、文部科学省図書館、経済産業省図書館の支部図書館があります。
国会や国会議員のためにある図書館というイメージがありますが、満18歳以上であれば一般の人でも利用できます。(国際子ども図書館は子どもも利用可能です)
全国各地にある図書館サポートするなど、国の図書館として重要な役割を果たします。
図書館司書を目指す人が多く憧れる図書館ですが、国家公務員となり、採用は非常に狭き門となります。
公共図書館
県立図書館や市立図書館などの「公立図書館」と、法人などがつくる「私立図書館」をあわせたものです。
日本では「図書館法」によって設置され、多くの一般市民が利用できるよう自治体の規模によって設置が義務付けられています。
図書だけでなく、記録資料や郷土資料、視聴覚資料なども収集しており、地域の人々のニーズに合わせた研修やイベントなども行います。
図書館のなかでも一番数が多く、働いている図書館司書の数も多いです。
仕事は利用者へのレファレンスサービスや対応が中心となります。
採用は自治体が直接行っているものと、図書館を運営している指定管理者などが採用をしているものがあります。
大学図書館
大学に在籍する学生や、大学で働く教職員が利用する図書館で、近年では一般市民でも利用できる図書館が増えています。
大学図書館は、学会で発表された論文や、大学が発行するジャーナルなどの学術情報を収集し提供するのが主な役割です。
研究のためにさまざまな大学の論文を扱ったり、海外の大学とやりとりしたりすることもあります。
採用は主に各大学で行っていますが、派遣会社などから派遣されて働く人もいます。
学校図書館
日本では「学校図書館法」により、小・中・高等学校に図書館の設置が義務づけられています。
子どもたちに読書の楽しみを伝え、本からさまざまなことを学んでほしいという思いでつくられています。
学校図書館には「司書教諭資格」という専門資格がありますが、取得者が少なく、資格を生かし切れていない部分があります。
また多くの司書担当教員は、専属ではなく兼務しているため、図書館の活用が十分なされていないという問題もあります。
専門図書館
議会図書館、各種研究機関(研究所、学協会、大学など)によって設置される図書館で、特定の組織に所属する人が利用する図書館です。
資料も特定の分野のものを扱うことが多く、利用者も限定的であることが多いです。
各企業や組織が個別に採用を行うことが多く、働く人の数は非常に少ないです。
その他の図書館
その他の図書館としては、点字図書館、病院内図書館、矯正施設の図書館などがあります。
主に一般の図書館サービスを受けられない人のために特別につくられた図書館です。
さまざまな図書館があることを知っていただけましたでしょうか。
図書館司書を目指す人の多くが、国立国会図書館や公共図書館への就職を希望しますが、さらに視野を広げてみてみると、新しい活躍の場が開けるかもしれません。