「五月雨式」とは

「五月雨式」という言葉を聞いたことがある方、多いのではないでしょうか。「五月雨」は「さみだれ」と読み、旧暦の6月、つまり梅雨を指します。

よく耳にする言葉でも、どんな時にどのように使うのかはよく知らないということもあります。

意味と使い方を見て行きましょう。





「五月雨式」の意味は

大辞林によれば、「五月雨式」とは「(梅雨時の雨のように)途中、途切れながらもだらだらと長く物事が続くこと。また、そのようなやり方」とあります。

先ほども触れた通り、「五月雨」は夏の季語で、旧暦の6月で梅雨をあらわします。

梅雨独特のしとしとと長く降り続く雨から転じて、物事が激烈な変化もなく、タラタラと時間を書けて長く続くことを意味するようになりました。

ビジネスで使う場合、「五月雨式」は、納期など、本来なら一括で終わることが、間断なく続くこと、繰り返されることを意味します。

梅雨時期の、絶え間なく降る雨と同様、それはジメジメとしてうっとうしいものです。

「五月雨式案件」という言葉もあります。

これは広告や出版などでよく言われることでもありますが、校正を一括で行わずに、しつこくダラダラと行うことを意味し、その業界では非常に忌み嫌われたりします。

上記の業界に限らず、どんなビジネスシーンでも、このようにずるずる、だらだらと散発的に物事が繰り返されるような状態を「五月雨式」と言うのです。

「五月雨式」の類語とは?

「五月雨式」の類語としてはいくつかあります。「引っ切りなし」「のべつ幕無し」「断続的」「間断なく」などなど。

いずれも途切れるか途切れないのかが曖昧なうちに物事が繰り返される感じですね。

「引っ切りなし」、「のべつ幕無し」は口語的な要素が強く、とくに「のべつ幕無し」はウンザリさせられている様子を含んだネガティブな表現です。

「五月雨式」ならまだニュートラルな表現でも、「のべつ幕無し」では使用している側の感情まで移入されてしまうので、使う時は注意しましょう。

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「五月雨式」を使った具体的な会話

さっそく「五月雨式」を使った用例をみてみましょう。

「五月雨式」を使った会話例1

「本件の納品ですが、五月雨式でお願いいたします。」

業者さんからいくつか納品を見込んでいるところ、一括納品では検収が厳しくなるので、納期をずらして納品させるようです。

この場合、個々の納品期日は納品をする側に委ねられていることが多く、納期も大まかに決められていることが多いようです。

「五月雨式」を使った会話例2

「この企画に関しては、先方が五月雨式に条件を盛り込んでくるので、都度仕様が変わってしまうから見積りがまとまらないよ。」

「五月雨式」はこのようにはっきり終わりが見えないため、往々にしてだらだらと時間が経過してしまう問題点もあります。

ビジネスでははっきりしない状態を長く続けることは好ましくありません。「五月雨式」とはいえ、近い将来に明確な期限を設けることがお互いにとってはプラスになるということを、マナーとして覚えておくと良いですね。

この記事のまとめ

「五月雨式」の意味と用法をお分かりいただけましたでしょうか。「五月雨式」は散逸的に、物事が長くダラダラと続く事を示します。

散逸的とは予測のできない事であり、定期的なものとは全く異なります。

往々にしてビジネスの現場では「五月雨式」や「あ・うんの呼吸」などにも散見されるように、あいまいではっきりとしない「ファジーな状態」や「アバウトな時間」があるものです。

いずれにしても相当の信頼関係の上に成り立っているのならともかく、納期などはっきり示さないまま仕事をすすめたりすると大きな代償をこうむることがあり得ますし、お互いにとってマイナスになってしまうこともあり得ます。

ビジネスマナーとしては「五月雨式」に物事を進める場合はより慎重にした方がよいかもしれませんね。

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