かんばん方式とは(読了時間:2分44秒)

日本の製造業をリードしてきたトヨタ自動車。このブランドは世界規模で、日本の企業はトヨタを中心としているといっても過言ではありません。

トヨタ自動車の強みといえば、「ジャスト・イン・タイム」と呼ばれるかんばん方式の生産過程にあります。

成功を収めている企業が採用しているかんばん方式とはどんなものなのでしょうか。

必要なものを必要なだけ作る

ジャスト・イン・タイムとは、「必要なものを、必要なときに、必要なだけ」という意味があります。

自動車の部品は数えきれないほどあり、生産計画に合わせて大量生産するには、「どの部品が」「どのタイミングで」「どれだけ必要か」をきちんと把握しなければなりません。

そこでトヨタ自動車は「かんばん方式」と呼ばれる生産管理方法を活用しています。

これはその時に必要なものだけを供給できることから、ムリ・ムダ・ムラがなくなります。

この方式を多くの企業が取り入れており、今では名称を変えて世界中のモノづくり企業で採用されています。

アイデアはスーパーマーケットから

かんばん方式のアイデアは意外なことに、スーパーマーケットからヒントを得ています。

一見、全く関係ない業種ですが、スーパーへ買い物に行くと、さまざまな商品が必要な場所に必要なだけ陳列されています。

自動車と比べてもそん色ないほどの商品数ですが、買い物客はスムーズにカートに欲しい商品を入れていきます。

不思議なもので、初めて買い物来る、欲しい商品の場所はある程度理解できているものです。

これは似たような商品をまとめて陳列しており、購入する商品の色合いやサイズから計算されており、果実や野菜は入口から並べてあって、いきなり鮮魚やお肉が入口から陳列されている店舗はありません。

いきなり買い物かごにお肉や魚のパックを入れてしまうと、潰れてしまう可能性がありますので、買い物客の視線で陳列しているのが分かります。

スーパーの従業員は、商品の置き場所や品版番などに関する情報が記載された管理用カードを用いて商品を補充しています。

この商品はどこにあるか、陳列にどれだけの数が必要かということが瞬時に判断できます。

かんばん方式の取り組み方

トヨタ自動車はこのスーパーマーケットアイデアをヒントに、生産管理の工程に採用しました。どうやってかんばんを活用しているのでしょうか。

ムダな在庫を減らす

トヨタ自動車では、後工程が部品を調達するときに、前工程に必要な情報が記載されているかんばんを渡します。

前工程はかんばんに記載されている部品の数しか作らないので、必要なものを必要なだけ作ることが可能となり、ムダな在庫を減らすことができます。

かんばんには2種類あり、仕掛けかんばんと引取かんばんで部品の管理を行っています。生産指示を仕掛けかんばんで行い、運搬の指示を引取かんばんで行います。

ラインの見える化を図る

このかんばんを使うことによって、「見える化」が実施され、誰でも判断できるようになっています。

かんばんが溜っているラインがあれば、そこは計画より遅れており、改善をしないといけません。一度遅れてしまうとラインが停止する恐れもありますので、早急な改善が必要となります。

元はこれらの生産管理をスーパーマーケット方式と呼んでいましたが、このかんばんを利用している方式から「かんばん方式」と呼ばれるようになりました。

かんばん方式のデメリット

しかし、かんばん方式にはデメリットもあります。ムダな在庫を持たないので、火災や地震などが起きた場合、部品が納入されずにラインが止まってしまいます。

最近では東日本大震災において、東北地方の部品工場が被災し、直接的な被害を被っていない東海地区の工場でも生産がストップし、操業停止となっています。

緊張感を持たせて良い品質を作るメリット

デメリットを紹介しましたが、在庫を持たないという姿勢は現場に緊張感を生み、替えが簡単に利かないことから良い品質を作るというメリットも合わせ持っています。

トヨタ自動車が世界に通用するブランドになっているのも、この最高品質を保てる緊張感が要因の一つとなっているでしょう。

世界のトヨタを知る上で欠かせないかんばん方式。元は多くの人々にとって身近な存在のスーパーマーケットにルーツがあるというのも面白いものです。

良いものを自社に取り入れて改善していき、誰もが分かりやすい生産管理に作り変えていったことが、トヨタ自動車の成功要因の一つになっていることでしょう。