「火を噴く」とは

何気なく使っている言葉でもビジネスの現場では独特の意味を持ってきます。

「火を噴く」もまた、そのひとつ。ビジネスではどのように使われているのかを考察していきましょう。





「火を噴く」とは

ビジネス用語で「火を噴く」とは、業務上でトラブルが発生して大ごとになっている様子を表現する言葉です。

何か重大な欠陥や瑕疵(かし)が隠れていて、それがあるときとんでもない事態となって表沙汰になってしまい、対応に大わらわとなっている現場を想像してみてください。

それがまさに「火を噴く」状態なのです。しかし、どうしてまたこのような表現になったのでしょうか?

どうして「火を噴く」となったの?

単純にどうしてそんな表現になったのか? と疑問に思いませんか?

「火を噴く」をデジタル大辞泉で調べてみましょう。

1 ほのおが吹き出る。激しく燃え出す。
2 銃口から弾丸が激しい勢いで飛び出す。
3 内にたまっていたものが表に激しい勢いで出る。
4 《かまどの下の火を吹いて炊事をする意から》暮らしを立てる。

一見したところ、ビジネス特有の表現はないようにも思えます。

「火をふく」の「ふく」が「吹く」ではなく、「噴く」であることも気になるところです。

「噴く」には次のような意味があります。

(水・温泉・石油・血・ガスなどが)中から勢いよく外へ出る。また、そのようにする。(新明解国語事典)

以上のことから、何となく問題を「火」に例えることで、それが中から噴出することで表沙汰になることを示しているのでしょう。

そう言えば、トラブルを解決することを「火消しに当たる」とも言いますし、そうした担当者を「火消し役」などとも言いますね。

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「火を噴く」の使いかた

ここで「火を噴く」を使った会話をご紹介しましょう。

「火を噴く」の会話例1

「このロット番号の商品でまた火を噴いた。すぐに回収して対策を打たなければ。」

どうやら同じロット番号でトラブルが発生していることがうかがわれますね。

「火を噴く」の会話例2

「この納期で進めば下請けで火を噴きます。すぐに火消しに当たらなければ訴訟沙汰になる可能性もあります。」

ビジネスにおいてもトラブルは小さなうちに迅速に対応することが肝心です。

文字通り「火を噴く」ことから、思わぬ形で表出し、それが思いのほか大きく、小手先の対策では抑えきれない様子までもがこの言葉で表されています。

また、これに関連して「飛び火する」や「炎上」、「大炎上」という言葉があります。

こちらも「火を噴く」と同様、ある小さな出来事が火種となり、ほかのところで燃え上がることを「飛び火」いい、ネットなどで批判や擁護もとりまぜて、大騒ぎになることを「炎上」といいます。

この記事のまとめ

言葉の持つ語感は、おそらく「思わぬ形で思わぬ所から問題が発覚する」ことで、「大騒ぎになっている」感じが強くにじみ出ているかもしれません。

ビジネスで、「火を噴く」という言葉を聞いたら、トラブルが起きていて大きな騒ぎになっているのだと思ってよいでしょう。関連した用語も覚えておくと便利ですよ。

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