「引き合い」とは(読了時間:2分48秒)

よく何かの例を出して説明することを「引き合いに出す」といいますが、ビジネスの世界ではこの言葉には別の意味も持っています。

それは一体どんな意味なのでしょうか。今回はこの「引き合い」について説明します。

「引き合い」の意味

ビジネス用語で「引き合い」という場合は、主に売り買いの注文や問い合わせなどのオファーがくることをいいます。

売り買いの意思があってもまだ契約には至らない状態を「引き合い」といいます。

たとえば魚を釣ろうと釣り糸を垂れています。この状態はまだ引き合いではありません。魚が釣り糸にかかった瞬間が「引き合い」です。

釣り糸にかかったからといって確実につり上げられるとは限りません。

そのようにお互いに引っ張り合っている状態が「引き合い」です。

もう一つ「引き合い」には、参考になる事例、という意味があります。これはビジネス以外の場面でも使われています。

ビジネスで使われる場合は営業で、取引先に気に入ってもらうために、この会社と取引をしたいと思わせるような比較対象や前例をもちだすことを「引き合いに出す」といいます。

「引き合い」を使うシチュエーションと会話例

会社の営業部ではよく使われる言葉です。

「この前の営業先はどうだった?」「はい。引き合いが来ました」というように使います。

新しく出した商品に数多くの問い合わせがある場合は「先日発売した新商品の引き合いが殺到しています」と言うこともあるでしょう。

営業の仕事にとっては「引き合いが来る」ことがまず第一歩です。

そのためにいろいろなお客さんを回り、会社の商品について説明をします。

たとえば「我が社の製品は日本で生産しているので、ベトナム製のB社の製品に比べて品質が保証されていて、高い技術の製品を作ることができます。」などと、B社の製品を参考事例として「引き合い」に出しながら自分の会社の製品を購入する利点を説明します。

その営業が上手くいけば「引き合いが来る」ことになります。

このように営業では二つの意味の「引き合い」が欠かせないといえます。

「引き合いが来る」と即、受注に繫がるかというと、そういう訳ではありません。

たとえば会社同士のやりとりの場合、「1000個買ったら1個についてどの位安くできますか?」といった取引が行われます。

顧客側の要求になるべく応えつつ、ベストな見積りを出さなければなりません。

引き合いが来たから安心とは限らず、競合会社に仕事がとられないようにして契約にこぎつけなければならないのです。

購入者が使う場合の「引き合い」

引き合いという言葉は引く方にも引かれる方にも使います。

例えば購入者の立場であれば、その製品の購入を検討したいため、資料やサンプルを送ってもらおうとするときに「○○社に引き合いを出してみます」といいます。

たとえば引っ越しをしたいと思ったら、いろいろな引っ越し業者に見積りを出しますよね?

これは「引き合いに出す」ということですが、その中から条件が一番有利な業者を選びます。

そのときに引っ越し業者と取引をすることがあります。

たとえばA社と取引をしている時に「B社は同じ条件で3000円程安い見積りでした」とB社を比較の参考事例に「引き合いに出す」ことで条件を有利にすすめることができます。

「引き合い」はすぐに来るとは限らない

一度引き合いがきた会社や、契約してもらった会社は次に営業する場合はお互いにある程度分かっているので、引き合いが来る確率も高くまたその場合はすぐに引き合いが来ますが、全く初めての会社に営業する場合などはゼロから始めなければならないので大変です。

相手も「この会社、本当に大丈夫なのだろうか」というところから始まるので、実際に引き合いがくるまで時間がかかったり、また引き合いが来て契約するまでも、とても時間がかかることがあります。

新しい会社へ営業に行くのはこのように労力も時間もかかり、効率が良いとはいいがたいのですが、そういう営業もしていかないと、競合会社に仕事をとられてしまうので、大変でも新しい取引先を開拓して行くことが必要になります。

「引き合い」は、営業にとって、また会社にとって大切な言葉です。

お客さんが興味を持ってくれている「引き合い」から契約につなげ、また今後に生かしていくことは大変でもありますが営業にとって大切な仕事なのです。