看護師を続けていて見つけた理想の看護師像
看護師を志望した時、私は特に看護師に対しての理想を持っていたわけではありませんでした。
ただ社会人になって自分で生計を立てることが楽しみで仕方なかったのです。
しかし実際に看護師になってしばらくしてから、看護師の実際ってこんななんだ⁉と感じることが増えました。
働く前の看護師としての理想がやはり私の中にもあったのだなと感じられるエピソードを今回はお話したいと思います。
怒られて怯えていた新人時代
働き始めた頃、白衣を身に着けて働けることに誇らしさとわくわくした気持ちを感じていられたのは数日だけでした。
覚えなければいけないことは山積みで毎日先輩達に怒られて怯える日々。
患者さんにも職場のスタッフにも自信ない態度で接する私はとても自立した看護師とは言えませんでした。
とにかく新しい環境に馴染むことに必死で、この頃は理想と現実のギャップに悩むということはありませんでした。
あれ?看護師ってこれでいいの?と感じ始めた3-5年目
3年目に入った頃には随分と仕事に慣れ、仕事を楽しむようにもなってきていました。
しかし、とても忙しく業務をひたすらこなす毎日でなかなか患者さんと向き合うことはできていませんでした。
そんな時、ある患者さんからものすごく申し訳無さそうに、「忙しいのにホントに申し訳ないんだけど今日爪を切るのを手伝ってくれる?」と頼まれました。普段は自立されている方ですが、抗がん剤を使用されたばかりで倦怠感がありなかなか自分でできていなかったのです。
看護師として当然の頼まれごとなのに、こんなに申し訳無さそうに言わせてしまったのはきっと私の態度が「忙しい!」というものだったからだろうなと気付いた時にはとても恥ずかしくなりました。
この時に、患者さんからこの人になら頼みやすい、話を聞いてもらいやすいという看護師にならなければと思うようになり始めました。
いつか理想を実現したいと思えるようになった6-7年目
業務をこなすばかりではなく、患者さんの話をちゃんと聞きたい、頼りにされたいと思うようになってから、他の看護師はどうしているのだろうと思うようになりました。
やはりみんな忙しそうにはしていましたが、ベテランであればあるほど患者さんとの話を大事にしているように見えました。
私はベテランよりも仕事を多くこなしている!なんて生意気な考え方をしていた時期もありましたが、それはベテラン看護師が患者さんとの対話を大事にしているからだと気付きました。
廊下で患者さんとすれ違う少しの時間、朝の挨拶のタイミングのわずか数十秒の間で患者さんの様子を感じ取り話を聞き出していて私も見習わなければならないと思いました。
それと同時に、みんな看護師として年数を重ねるごとに患者さんとの関わりを大事にできる看護師になっていけるのだと安心できました。
以前は、看護師をしているうちに感覚が麻痺して患者さんのつらさをないがしろにしていくようになるんじゃないかと心配していたからです。
今後も先輩方を見習って、私の理想となった「患者さんから頼られる看護師」になれるよう努力していきたいと思います。