助産師”は人生の1ページのお手伝いができる仕事
出産とは、この世に人を送り出す、母親にとって生涯忘れることの出来ない一生の思い出となる命がけの出来事です。
出産した女性は年を重ね、おばあちゃんになっても昨日のことのように話せる位、鮮明に憶えていらっしゃいます。
そんな誰かの人生の1ページのお手伝いができる素敵なお仕事、助産師に私がなった経緯やこれから目指す方へのメッセージです。
私が助産師になるまでの経緯
私は30代半ばまで、アパレルや美容業界と、医療業界とは別の業界で働いており、最終学歴は専門学校(アパレル)卒業でした。
手に職が欲しいと思い、准看護師の資格が専修学校(2年間)では働きながら取得できることを知り、受験科目も国語と生物(中学卒業程度)であったため、受験しました。
准看護師の免許取得が入学当時の私の目標でした。
近くの産婦人科クリニックで働きながら、専修学校に通いました。
入職当時、クリニックの助産師の一人は、1年休職し学校に通い、助産師免許を取得して戻ってきたとという話しを聞きました。
私はこの時初めて、助産師という資格があることを知りました。
分娩介助をしている助産師さんを少し離れた場所から見ているうちに、私もあそこに行きたいと思うようになりました。
助産師になるには、看護師免許が必要です。
そのため、准看護師免許取得後、看護学校に進学しました。
産婦人科クリニックで准看護師として働きながら、3年間通学し看護師免許を取得しました。
助産師になるための学校ですが、看護学校に比べ、定員が10~25名とかなり少ないです。
受験した年に放映されたテレビドラマの影響で、助産師の知名度が上がっていたようです。
受験会場ので目にした受験者の人数を見て驚愕しました。
発表されていた前年までの倍率を明らかに上回っており、試験監督の先生が「例年にない受験者数で」と仰ってました。
どうにか大学の助産別科に進学し、1年通学、助産師国家試験に合格できました。
途中で欲しい資格が増えたため、6年間の学生生活ののち、助産師になることができました。
助産師を目指す人へのメッセージ
この仕事の素晴らしさ
私の看護観は「寄り添うこと」です。
看護師業務の中では、実際なかなか多重業務で難しいことが多いです。
助産師業務においても同じですが、分娩介助においては、必ず一人は助産師が産婦さんにつくので、「寄り添うこと」が出来ます。
助産師の仕事は「介助」という言葉通り、頑張って分娩する産婦さんのお手伝いをすることです。
不安や痛みを乗り越えて出産するのは産婦さんで、助産師ができることはお手伝いです。
頑張って出産された後、
「○○さんだったから頑張れました」
「○○さんだったから安心できました」
などお礼の言葉の中で個人の名前を呼んで頂ける位、その方の記憶に残る関係性を築くことができるありがたい仕事です。
学生時代に経験して欲しいこと
助産師の実習は、分娩介助10例が必須です。
助産師になる前から分娩介助をさせて貰える凄いシステムだと思います。
教科書はありますが、お産は1例1例違うので、経験するしか技術や感性を身につける手段はありません。
実習の10例、緊張や不安など色々な感情に押しつぶされそうになるかと思いますが、実習を了承して下さる産婦さんの寛大さと優しさに感謝し、1例1例大切にして欲しいです。
実習では、現場の助産師が一緒に分娩介助をしてくれます。
そして、その中で「感じて」と言われることが多々あります。
色んな事を実践して感じ取って学んでということです。
助産師が産婦さんに対する声かけひとつでも、技です。
助産師が現場で培った教科書には書かれていない技を身近で見聞きし、体感できるのは恐らく実習の時くらいだと思います。
助産師国家試験を受けるためだけでなく、助産師になったら使える技を学べると思って、実習してみて下さい。
あなたの助産師人生に必要な技の引き出しは学生の時から、増やすことが出来るのです。
助産師は、誰かの人生の1ページのお手伝いができる素敵なお仕事です。
「おめでとうございます」「ありがとうございます」と喜びや感謝の言葉が飛び交うパワーが貰える現場で是非、あなたも活躍しましょう。