整形外科病院で働く理学療法士の一日について
理学療法士として働く場は多種多様ですが、やはり最も多いのは病院勤務になるかと思います。
今回は、そんな病院の中でも「整形外科病院」で働く理学療法士の一日についてご紹介していきます。
①前置き
今回は整形外科病院で働く理学療法士の一日ということで紹介していきますが、どこの病院でも同じような流れで業務を行っているわけではありません。
病院独自の勤務形態もありますし、業務開始時間や終了時間の違いなど、皆さんが思っているより一日の流れは異なるものです。
今回はそういった背景を踏まえて、あくまで「一つの整形外科病院で働く理学療法士の一日」という視点で読み進めていただければと思います。
②私の勤めている整形外科病院での一日の流れ
大まかな一日の流れについては図をご参照ください。
基本的には、8:30から業務開始で、17:30に業務終了になります。
昼休憩は12:00~13:00ですので、
午前中は約3時間半、午後は4時間半リハビリを行うことになります。
その間に、病棟の看護師さん達との話し合い(カンファレンス)やご家族様を交えた退院前カンファレンスなども定期的に入ってきます。
退院だけに焦点を合わせるものではなく、患者さんが住み慣れた家で持続可能な生活を過ごすために何が必要なのか考える事を目的とした話し合のこと
③患者さんへのリハビリはどんな感じ?一日に何人リハビリを行うの?
患者さんへのリハビリは一人当たり20分~60分程度と幅広く、基本的に20分刻みで介入時間を決めています。
これは単位の制度があるため、必然的にそうなります。
例えでいうと、一日に一人当たり40分間のリハビリを行う場合(8時間勤務で計算)、一日合計で480分(8時間)÷40=12名の患者さんのリハビリが可能になるというわけですね。
当然、その間にカルテにその日の出来事をまとめたりする作業も入るため、実質9~10名程度になってきます。
私が勤務している整形外科病院でも上記のような、流れで患者さんにリハビリ提供を行っているため、一日平均で9~10名程度リハビリを行っています。
④どんな人に対してリハビリをするの?
整形外科に関係する疾患は多岐に渡ります。
病院を受診するすべての患者さんがリハビリの対象になるわけではなく、特定の疾患に偏る傾向にはあります。
以下に整形外科病院で関わる代表的な疾患をご紹介します。
●変形性膝関節症
↳手術の場合、「人工膝関節置換術(TKA)」を行います
●変形性股関節症
↳手術の場合、「人工股関節置換術(THA)」を行います
●腰部脊柱管狭窄症
↳手術をせずリハビリで経過を見ることが多いですが、神経症状の悪化により手術を選択される場合もあります
その場合は、一般的に椎弓切除術や椎弓形成術といった手術が行われます
●腰椎椎間板ヘルニア
↳手術をせずリハビリで経過を見ることがしばしばですが、手術の場合は椎間板摘出術という手術が行われます
●骨折全般
↳大腿骨頸部骨折・大腿骨転子部骨折・脊椎圧迫骨折・橈骨遠位端骨折・上腕骨近位部骨折・下腿の骨折(腓骨遠位端骨折など)etc…
※骨折に対しては、基本的に「骨接合術」という手術が行われます。
※大腿骨頸部骨折に対しては少し特殊ですが、「人工骨頭置換術(BHA)」という手術が選択されます
股関節をすべて人工物に入れ替える手術(THA)か、大腿骨頭だけを入れ替える手術(BHA)になります。
BHAの場合は、骨盤側の関節面(臼蓋)はそのまま温存されます
⑤最後に
今回は整形外科病院での理学療法士の一日ということで紹介していきました。
基本的に我々理学療法士は、患者さんに対してリハビリを行っていくことが仕事の大半を占めます。
このリハビリを行いながら、患者さんの望む結果を求めて日々努力を行っていくわけです。
近年の在院日数短縮の流れから、病院の中で行うリハビリについてはどんどん簡略化・短縮化されつつあります。
そのため、しっかり目標を立てて効率よくリハビリを行っていく必要性が高くなってきています。
限られた時間の中で、明確なゴールに向かって患者さんとリハビリを行っていくことは皆さんが思っているよりもやりがいを感じる仕事ですよ!
皆さん、いかがでしたか?
整形外科病院で働く理学療法士の一日の流れやどんな患者さんを対象としているのかなどについてまとめていきました。
この記事を読んでいる方の参考に少しでもなっていることを願います。