病院で働く薬剤師の一日
薬剤師といえば、街の薬局やドラッグストアで働いている人、
というイメージがあると思います。
でも実は病院にも薬剤師がいて、とても大切な仕事をしています。
どんな仕事をしているか、ですって?
今日はそれを紹介したいと思います。
午前中(外来業務)
午前中は外来の仕事が中心です。
外来患者さんには院外処方せんを渡し、外来患者さんは、それを街の薬局に提出して薬を受け取る、という仕組みです。
ここにも病院薬剤師が関わっています。
院外処方せんが発行される前に、病院薬剤師がその内容を見て、量が間違っていないか、薬と薬の飲み合わせは大丈夫か、副作用が出ていないかを確かめます。
もし間違っていたら、薬を処方した医師に確認を促します。
病院薬剤師が院外処方せんをチェックすることで、間違った院外処方せんが患者に渡らないようにしているのです。
午前中(注射業務)
午前中は入院患者の注射薬の調剤(取り揃え)も行います。
街の薬局やドラッグストア等では、扱う注射薬の種類が非常に限られるので、多くの注射薬を扱え知識が身につく、というのも病院薬剤師の特徴の一つです。
午前中に、入院患者の翌日分の注射薬を調剤します。
飲み薬の調剤と同様に、量が正しいか、薬と薬の組み合わせに問題はないか、副作用が出ていないか、等を再確認しながら調剤します。
そして注射薬では、注射の速度も確認する必要があります。
昼食
午前中の外来が終わったら、ランチタイムです!
職員食堂の隣には、入院患者の食事を用意する厨房があって、そこからご飯、味噌汁、漬物が無料で提供されます。
また、様々な職種の職員が集まるので、いろんな話ができて知識が広がります。
(今は、コロナ禍で黙食・個食ですが)
午後(入院患者への説明・指導)
午後は、入院業務が中心です。
入院患者が居る病棟に行って、医師や看護師、リハビリスタッフ等と、入院患者の薬について話し合います。
どの薬を使ったらいいかとか、どのくらいの量を使ったらいいか等、医師から質問を受けることもあります。
そして、患者さんに薬について説明・指導します。
入院患者には外来患者と比べて、ゆっくり時間をかけて説明・指導することが可能です。
予め患者さんのカルテをしっかり調べて、患者がこれまでにどんな病気になったか(既往歴)、アレルギーの有無、現在の病状等を把握してから患者さんの元に向かいます。
そしてこれらの情報を元に、患者さんに最も必要な情報を説明・指導します。
患者さんに説明・指導した後は、医師・看護師と説明・指導の結果を共有し、共に今後の薬の使い方について検討します。
午後(入院患者が持参された薬の確認)
新しく患者さんが入院されてきたときには、その患者さんが自宅から持ってきた薬(持参薬)の内容を調べます。
お薬手帳を確認したり、ときには患者さんに直接確認したり、更には他の病院や調剤薬局に電話したりして、現在服用している薬の内容を調べ上げ、入院後、継続するべきかどうかを考え、医師に提案します。
医師はその提案通りでよければ、持参薬を継続する指示を出します。
発注・入荷
使用した分の薬を注文したり、注文して納品された薬を処理します。
といっても、これらの業務はほとんど薬剤師ではない助手さんが行います。
薬剤師は助手さんたちを指示し、監督する立場です。
帰宅
終業時刻は17:30です。
一部の薬剤師が当番で19:30まで居残るので、それ以外の薬剤師は定時に帰宅することができます。
委員会活動
病院内には、様々な委員会があります。
以下が一例です。
・医療安全管理委員会
・院内感染対策委員会
・褥瘡管理委員会
・カルテ管理委員会
・業務改善委員会
これらの委員会は、いずれも病院内の様々な職種のスタッフが集まって開催されます。
ですので、様々な視点からの意見が出されるため、非常に刺激的でためになります。
みなさん、いかがでしたか?
言葉では伝えにくいですが、非常にやりがいのある仕事です。
少しでも興味を持たれた方は、近くの病院の薬局に見学を申し込んでみてください。
多くの病院薬局は、薬剤師・薬学生の見学を受け入れており、丁寧に、そして熱意をもって説明してくれるでしょう!