ドラッグストア薬剤師の仕事内容と病院や調剤薬局で働く薬剤師との違い
こんにちは。Mr.Tです。
いきなりですが、あなたはドラッグストアにどのようなイメージを持っているでしょうか?
・薬を売っているところ?
・日用品を買うところ?
・化粧品を扱っているところ?
どれも正解です。
地域や店舗、会社にもよりけりですが、ドラッグストアでは薬剤師が働いている店舗があります。
ドラッグストアで働く薬剤師は病院や調剤薬局で働く薬剤師と何が違うのでしょうか?
ドラッグストア薬剤師の仕事内容と、病院や調剤薬局で働く薬剤師との違いを説明します。
ドラッグストア薬剤師の仕事内容
調剤
患者さんが病院から受け取った処方せんを預かり、お薬を用意してお渡しする仕事です。
「薬を用意するだけなのになぜそんなに時間がかかるの?」
と思う人が多いと思います。
調剤は薬を集めて袋に入れるだけではなく、様々な項目を「監査」しなければなりません。
「監査項目」として一例を挙げます。
・医師が処方した薬が適切かどうか
・薬の量や飲み方に間違いがないかどうか
・他の薬を飲んでいた場合、飲み合わせは大丈夫か
・アレルギーや副作用はあるか
など、これら以外にもたくさんの項目を確認しなければなりません。
そのために時間がかかってしまうのです。
6年間薬学を勉強してきて、その力を十分に発揮できる仕事です。
OTC
OTCは「Over The Counter」の頭文字を取ったもので、「一般用医薬品」と呼ばれています。
ドラッグストアに行くとたくさんの薬が並んでいます。
すべてOTCです。
処方せんが無くても買うことができる薬をOTC(一般用医薬品)と呼んでいます。
CMで有名なパブロン、ルルなどのかぜ薬がそうです。
OTCの仕事は以下のようなものがあります。
・接客
・売り場作り
・POP作成
・レジ業務
・薬の発注
・品出し・棚替え
どのように接客をすれば薬が売れるか、お客さんに納得してもらえるか。
どのように商品を陳列し、POPなどの装飾品を飾り付ければ売り場の見栄えがよくなるかなど、考えながら仕事をしなければなりません。
管理薬剤師になると
管理薬剤師になると薬局のマネジメントが必要になってきます。
・薬局の運営管理
・薬局の数字の管理(売上、処方箋枚数など)
・シフトの管理
・後輩の教育
など、調剤やOTCの薬関係のこと以外も仕事をこなさなければなりません。
やることが多く大変ですが、とてもやりがいがある仕事です。
ドラッグストア薬剤師の魅力
・調剤だけでなく、OTCにも詳しくなれる
・ファンがつきやすい
・早めにマネジメントができる
・保険、点数などに詳しくなれる
・給料が高い
・様々な職種の人と関われる
調剤だけでなく、OTCにも詳しくなれる
病院や調剤薬局の薬剤師に比べて圧倒的にOTCの知識レベルが上がります。
取り扱っているOTCの数が違います。
一般の人からは、薬剤師は薬のことなら何でも知っていると思われています。
OTCのことを聞かれて答えられない薬剤師をあなたは信用できますか?
ファンがつきやすい
病院や調剤薬局は基本的に病気になったときに行くところです。
症状がよくなったら患者さんは来なくなります。
しかし、ドラッグストアは日用品も売っているので、症状がよくなっても定期的に来てくれるお客さんが多いです。
調剤は医師が処方した薬を患者さんにお渡ししますが、OTCは自分がお客さんから症状を聞き取り、自分で薬を選択することができます。
責任の重さもありますが、自分の知識を十分に発揮できる場所です。
自分が選んだOTCでお客さんの症状が改善すると、薬剤師への信頼感が増します。
その結果、自分にファンがつくようになります。
逆に自分の選んだものが合わなかったら信頼は落ちてしまいます。
自分が選択した結果がダイレクトに反映されやすいのもOTCの醍醐味です。
早めにマネジメントができる
現在、ドラッグストアの勢いはすさまじく、どの会社も全国に店舗を出店しています。
お店が増えるということは人も増やさなくてはいけません。
その為、管理薬剤師に早めになれる可能性が高いです。
私は新卒2年目の5月には既に管理薬剤師に抜擢されました。
病院だと薬局長のイスは一つですし、調剤薬局はドラッグストアに比べて異動が少ないです。
異動が多いことはネックですが、その分たくさんの経験ができ、管理薬剤師になれる可能性も高いです。
保険、点数などに詳しくなれる
調剤は「医療保険」や「調剤報酬点数」が絡んできます。
「医療保険」は皆さんが加入している国民健康保険や社会保険のことです。
「調剤報酬点数」とは、調剤する上での料金を決める仕組みです。
一例を挙げます。
・薬の管理・説明をした
・粉薬を混ぜた
・患者さんの健康被害を守った
など、上記以外にもたくさんの項目があり、薬剤師の仕事内容によって患者さんが薬局で支払う料金が決まるのです。
病院や調剤薬局だと、「医療保険」や「調剤報酬点数」は調剤事務に任せているところが多いです。
しかし、ドラッグストアだと基本的には調剤事務がいなくても一人で調剤ができるようにならなければなりません。
その為にも「医療保険」や「調剤報酬点数」の知識がないと仕事ができなくなってしまいます。
仕事を行っていくうちに、自然と「医療保険」や「調剤報酬点数」の知識が上がっていくので、心配しなくても大丈夫です。
給料が高い
平均するとドラッグストアの方が給料はいいです。
ドラッグストア>調剤薬局>病院
という感じです。
しかし、病院や調剤薬局よりもやることが多いので大変です。
上記で書いた内容以外にもたくさんの仕事をこなさなければなりません。
コンタクトレンズの販売、劇薬の販売、簡易血液検査…
一人薬剤師で処方せんの受付から服薬指導まですべて一人でこなさなければならないという店舗もあるので大変です。
様々な職種の人と関われる
病院だったら医師や看護師などの医療従事者、調剤薬局であれば門前薬局の医師や調剤事務など「医療従事者」というカテゴリーの中では交流がありますが、医療従事者以外の人との交流はあまりないと思います。
ドラッグストアでは店舗内だけでも以下のような人たちと交流を持つことができます。
・薬剤師
・登録販売者
・調剤事務
・ビューティーアドバイザー(化粧品担当)
・管理栄養士
・パート・アルバイト
・マネキン(商品を売るために店舗に来る社外の人)
・メーカーの人たち
ドラッグストアは医薬品だけでなく、化粧品や日用品など様々な商品が販売されています。
商品を売るため、知ってもらうために商品を作っている会社の人たちが店舗に来て商品を説明してくれたり、一緒に販売してくれることもあります。
また、高校生のアルバイトから人生経験豊かなパートさんまで、幅広い年代の人たちとも一緒に働くことになります。
これだけ幅広い年代、職種の人たちと働けるのはドラッグストアだけではないでしょうか。
ドラッグストア薬剤師の仕事内容と、病院や調剤薬局で働く薬剤師との違いについて説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。
今回説明したことはほんの一部で、ドラッグストア薬剤師の仕事や魅力はまだまだたくさんあります。
病院や調剤薬局に比べると仕事内容は「浅く広く」という感じです。
調剤やOTCだけでなく他にも様々な仕事をしなければならないので、「対応力」も必要です。
その分やりがいもありますし、給料も高いです。
しっかりと勉強すれば様々な知識を得ることができます。
ドラッグストア薬剤師にしか経験できないことが多いので、興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
ドラッグストア薬剤師についてもっとよく知りたい方は「「Mr.Tの薬ドラ」」というブログを運営していますので、ぜひ参考にしてみてください。
「Mr.Tの薬ドラ」:https://www.mr-t-drg-pharmacist.online/