【勤務歴7年の体験談】市役所職員は定時で帰れる? 残業の多い部署は?
市役所の職員は定時で帰れるイメージがありますよね。
実際のところはどうなのでしょうか。
私自身は比較的残業の多い部署に配属されていたこともあり、毎日定時で帰れていたわけではありませんでした。
この記事では、実際に7年間市役所に勤めた私が、本当に市役所の職員は定時で帰れるのか、残業の多い部署はどこなのかをご説明します。
定時で帰れるかどうかは“部署次第”
結論から言うと、定時で帰れるかどうかは「部署」によります。
市役所にはたくさんの部署があり、部署が変わるとまるで別の会社であるかのように業務の内容も変わるのです。
市民の方の手続きを受け付ける部署、日中ずっと現場に出ているような部署、地元で行われるイベントの企画運営を行う部署、などその種類は多岐にわたります。
そのため、定時で帰れる部署もあれば、連日、日付が変わるような時間まで仕事をしている部署もある、というのが現実です。
そのため、「市役所」と一括りにして定時で帰れるかどうかを考えることは難しく、部署によって帰れる時間が違うということを知っておいてください。
市役所窓口としてイメージしやすい部署は帰りやすい
「市役所」と聞いて、すぐに思い浮かぶ部署にはどのようなものがありますか。
一番身近な部署は「市民課」、つまり住民票の写しや、戸籍を発行している部署かと思います。
日中に市役所を訪れると、このような窓口業務を行っている部署にはたくさんの人が並んでいるため、市民課などの部署は、残業も多いように思われがちです。
しかし、実は窓口業務をメインに行っている部署は、その場のやりとりで手続きが完了することが大半なので、市民の方が来なくなれば、その日の仕事は終了します。
つまり、市役所が閉庁すると同時に業務が終了するわけです。
そのため、業務時間を超えての残業は少ない傾向があります。
残業の多い部署は?
一方、相談がメインの部署や市民の方からの手続きを受けたあとの書類整理に時間がかかる部署、市民の方の対応は少なくても計画を立てる担当の部署などは、市役所が閉庁しても業務を終えられません。
ここからは、市役所の中でも残業の多い部署を紹介します。
福祉系の部署
少子高齢社会の影響で、年々「福祉」の需要は高まっています。
生活保護担当や高齢者、障がい者担当の職員は、日中は市民の方の家に出向いたり、窓口で相談に乗ったりしたあと、定時後に書類の整理を行っている、という姿をよく見かけました。
子育て系の部署
若者の定住を促したい地方自治体は、「子育て施策」に力を入れています。
それに伴い、業務量も増えており、福祉系の部署と同様に日中は窓口で保護者などの相談に乗り、業務後に書類の整理を行っていました。
防災系の部署
防災系の部署は、住民の方の安全を守る必要があるため、日々防災対策の施策や計画を考える業務を行っています。
計画は地域の状況に合わせて、警察や消防とも連携を取りながら作成するので、時間がかかります。
また、災害が発生すると、24時間体制で防災系の部署が率先して指揮を取る必要があるため、定時では帰りにくいでしょう。
「定時で帰れる」は考えないほうが無難
市役所職員でも定時で帰れるかどうかは部署によって異なります。
また、国や都道府県から地方自治体に仕事を割り振っていく「権限移譲」の観点から、市役所で取り扱う業務は年々増えているにも関わらず、職員数は全国的に削減されています。
少ない職員で仕事を回す必要があるため、これまで定時で帰れていても残業せざるを得なくなる部署も出てくるでしょう。
公務員を志望するにあたって、「定時で帰れるから公務員になりたい」と考えている場合は、一度考えを改めたほうが良いかもしれません。
公務員をめざすメリットは他にもたくさんあるので、ぜひ幅広い視野で業界研究を行っていただければと思います。
なお、今回紹介した残業の多い部署は私が働いていた市役所を参考にしていますので、自治体によって多少の違いがあることをご了承ください。