病院内のシステムエンジニアとして働くために大事な3つのこととは?
ここでは、医療機関のシステムエンジニア(以下、院内SE)として働くために大事なことを3つ紹介します。
院内SEと聞いても、そもそも医療機関にシステムエンジニアっているの?と思われがちです。
仕事の内容が分かりづらいからというのが主な原因ですが、普段どんな仕事をしているのかが分かると、院内SEとして働くにはなにが大事かもおのずと見えてきます。
読んで院内SEに興味を持ってもらえたなら、嬉しいです。
常に向上心を持つことが大事
まず、院内SEとして働くうえで大事なことの一つ目は「常に向上心を持つ」ことです。
これはどの仕事、業務にも当てはまるのですが、院内SEは特に向上心が必要だと私は感じます。
そもそも院内SEの業務で一番多いのは、パソコンやネットワークなどのトラブル対応です。
パソコンが固まった、ネットワークがつながらないといったトラブルを、日々その場に行って解決するのです。
そして、パソコンやアプリケーションの再起動を掛けるだけで、トラブルの半分以上は解消します。
しかし、なぜそうなったのか原因まで把握できる割合は、解消できるトラブルに対して実は結構少ないです。
いろいろと調べても何が原因で起こったのかは分からず、パソコンが使えないと困るのでひとまず再起動をかけて使えるようにする、といったケースが多いということです。
パソコンやプリンターなどは、時が経つにつれて仕組みがどんどん変わります。
また、ネットワークも新しい技術がいろいろと出てきます。
根本の原因を突き止めるには、移り変わるパソコン・ネットワークの仕組みや技術に関する知識が常に必要で、これらを学ぶのに重要なのが「向上心」なのです。
また、新しいシステムを導入する際にも院内SEは関わります。
前もっていろいろと勉強していれば、新しいシステムを入れる時でもその知識が役に立つでしょう。
正直私も「また覚えるのか…」、「覚えることがたくさんだと追いつかない」と思うことはあります。
しかしそれ以上に、もっと詳しくなりたい、もっとできるようになりたいと思うからこそ、続けられているとも感じます。
おせっかいくらいのサービス精神が大事
院内SEとして働くうえで大事なことの二つ目は「サービス精神が豊富」なことです。
院内SEの業務で二つ目に多いのが「パソコンやシステムに関する問い合わせや要望、クレームの対応」です。
つまり、問題解決や改善への取り組みを、その部署と一緒になって取り組むことが多いということです。
例えば、ある部署で統計業務に時間がかかっているという相談があった場合には、システムからのデータ抽出から集計までの全て、または一部でも自動化できないかを検討します。
この時、その部署でシステムやプログラム等に詳しい人がいると院内SEの出番は多くないのですが、少なくとも当院では詳しい人がいない部署の方が圧倒的に多いです。
そのためこの事例の場合には、まず「最終的にどんな表が欲しいのか?」、「システムからデータは抽出できるのか?」、「(できるとしたら)データはどんな形や形式で出せるのか?」といったことを聞き取ります。
そして、これらの情報をもとにできるだけ自動化できる方法を考えてあげるのが、院内SEの仕事の一つです。
このように、他部署で行っている業務を知ってより良くするお手伝いをするという面で、院内SEは「サービス精神が豊富」であることが必要だと私は考えます。
もっと言うと、「あの相談、しばらく話がないけどどうなったかな?」とか、「あの作業大変そうだけど、もっと楽にしてあげられないかな?」など、おせっかいなくらいでちょうどいいと思います。
院内SEは、それ自体が売り上げを生む仕事ではありません。
あくまでサポート役なのです。
そのため、医師や看護師などを始めとした表舞台に立つ人を、これでもかというくらい支えてこそ、院内SEのいる意味が出てくると思います。
PC系の基本知識が大事
院内SEの仕事で大事なことの3つ目は「PCやネットワークに関する基礎知識」です。
ただここで注意してほしいのは、あくまで「基礎知識」だということです。
システムエンジニアという名前から、パソコンやネットワーク、プログラミングに関する高度の知識が必須と思われがちですが、基本的にそのあたりは業者さんがやってくれるため、実は基礎知識だけあれば、まずは十分です。(病院によっても異なるとは思いますが。)
例えば、パソコンはどんな部品が集まってできているのか、それぞれどのような役割を持つのか、機器同士やどうやってつながっているのかなどといったことを分かるということです。
後は上司から教えてもらったり、自分で勉強したり、いろいろなことを経験したりすれば、よりSEらしくなります。
しかし、始めから高度な知識はいらない、ハードルはそれほど高くないということは、知っておいてほしいのです。
以上、医療機関のシステムエンジニアとして働く際に大事なこと3つを紹介しました。
向上心、サービス精神が豊富、パソコンなどの基礎知識を持つということで、全然難しくないことが分かってもらえたかと思います。
もちろんパソコンが好き、プログラミングに興味があるというのも、大前提ではありますが、高度で専門的な知識は必要ではないということをまずは知ってもらい、自分でもできるかもと興味を持ってもらえると幸いです。