小学校のスクールカウンセラーの1日・相談業務で大切なことは?
スクールカウンセラーとは、学校に所属する心の専門家です。
心理職としてスクールカウンセラーを目指す人は増えていますが、表立った仕事ではないため「どんな仕事をするの?」という疑問は多いです。
今回は、筆者の実体験をもとにスクールカウンセラーの1日を紹介します。
将来スクールカウンセラーになりたいと考える学生は、是非最後までご覧ください。
スクールカウンセラーになるには
スクールカウンセラーは都道府県によって条件が異なりますが、たとえば愛知県では常勤と非常勤の雇用パターンがあります。
どちらの働き方を目指すにも「臨床心理士」または「公認心理師」の資格が必要で、これら2つの資格を取得するためには、まず4年制大学で心理学を学ぶことになります。
その後、心理系大学院に進学し、資格試験で合格するという流れが一般的です。
資格を取得した状態または取得見込みの状態であれば、スクールカウンセラーへの応募が可能になります。
常勤雇用の場合は論述試験と面接、非常勤雇用の場合は面接のみであるため、それぞれ対策をして臨みましょう。
非常勤のスクールカウンセラーであれば、資格を取得すれば基本的にはなりやすい職業と言えます。
とあるスクールカウンセラーの1日
スクールカウンセラーの1日の流れは、所属する学校のニーズによって変化します。
筆者の場合は学校側と話し合い、週1回、1日4時間の勤務形態でした。
1日の流れの一例ですが、13時までには勤務校に到着して、先生方との挨拶やその日のスケジュールの確認をします。
勤務時間中は、カウンセリング(面談)の予約があればカウンセリングを最優先に行います。
カウンセリングの予約がない場合は、放課や授業の観察をするために校内を回ることが多いです。
そこで、子どもたちとアニメやゲームなどの雑談をして関係を作ったり、些細な悩みを立ち話で聞いたりすることも大切な仕事です。
スクールカウンセラーに相談という行為は、子どもたちにとってハードルが高い場合が多いため、こちらから積極的に話しかける必要があります。
子どもたちが下校し終える15時以降は、保護者とのカウンセリングをし、気になる子どもについて先生方と共有します。
スクールカウンセラーのカウンセリング対象は子どもに多い印象があるかもしれませんが、実際の対象は保護者が多いことを覚えておきましょう。
そのため、大人と関わる覚悟ももっておくことをお勧めします。
隙間時間や定時の17時前には、カウンセリングと1日の業務の記録を必ず残します。
記録を残すのは、子どもの変化に気づき、次回のカウンセリングに活かすためです。
非常勤スクールカウンセラーは時給制であるため、定時の17時には先生方に挨拶して帰宅して1日を終えます。
基本的に残業なしで行動できるのはスクールカウンセラーの良さかもしれません。
その他業務として、スクールカウンセラーを身近に感じてもらうためにお便りを発行したり、外部施設に研修へ行ったりする日もあります。
いろいろな人とのおしゃべりが重要
スクールカウンセラーの1日で業務を紹介しましたが、基本的には人とのおしゃべりが重要な役割をもちます。
相談室や職員室に引きこもって子どもからの相談を待っているだけでは、正直あまり仕事になりません。
積極的に子どもや先生と関わりに行くことで、初めて悩みの種を拾ったり、不登校などの予防につなげたりすることができます。
悩みや問題のない子どもたちと雑談することにも意味があるのです。
子どもたちのグループの様子やちょっとした噂話を知り、トラブル防止に役立てることもできます。
勤務時間の少ない非常勤スクールカウンセラーこそ、おしゃべりで如何に学校を知るかが大切です。
また、スクールカウンセラーは1つの学校に1人配置されることが多いため、孤立しやすい傾向があります。
業務を気持ちよく行うためにも積極的なコミュニケーションが必要でしょう。
おしゃべりは関係作りの基盤になるので、学生のうちからいろいろな人と話せるように部活やサークル、アルバイトなどで交流の場を作ってみることをお勧めします。
今回紹介したスクールカウンセラーの1日の流れは一例です。
基本的に勤務時間や業務など、1日の流れは学校側と話し合って決めることができます。
つまり、業務に対して受け身では学校に貢献することが難しい仕事と言えます。
スクールカウンセラーを目指す人は、「スクールカウンセラーになったらこうしたい!」という前向きな気持ちをもって、積極的に行動しましょう。