スポーツの「プロ選手」と「社員選手」の違いは? 引退後についても解説
スポーツを職業とするアスリートには、大きく分けてプロ選手と社員選手の2種類があります。
プロ野球やサッカーのJリーグのようなメジャープロスポーツは基本的に全選手がプロですが、競技によってはプロ選手と社員選手が混在する場合もあります。
プロ選手と社員選手では、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
プロ選手と社員選手が混在する競技もある
日本のスポーツ界には、プロが存在する競技と存在しない競技があります。
全選手がプロ選手として活動する競技は野球、サッカー、バスケットボール(いずれも男子)、相撲など、限られています。
多くの競技ではプロ選手と社員選手が混在しており、選手によって異なる形態でチームと契約しています。
たとえば、近年日本でも人気が高まっているラグビーも、プロ選手と社員選手が混在する競技の一つです。
ラグビーのトップ選手たちがプレーする「ジャパンラグビートップリーグ」は、完全なプロのリーグではありません。
プロ契約の選手が主流となってきてはいるものの、社員選手もまだまだ多く存在しているのがラグビー界の現状です。
ラグビーもサッカーのように完全なプロ化を目指していますが、今のところ日本代表選手の中にも社員選手が存在しています。
プロ選手と社員選手の違いとは?
プロ選手と社員選手の最も大きな違いは、社業を行いながら競技を行うか、競技だけに専念するかという点です。
ラグビーのように完全なプロ化がされていない競技の場合、リーグの所属チームは基本的に企業チームです。
社員選手はその企業の正社員であり、社内のスポーツ部の一員として練習や試合をこなしながら社員として社業も行っています。
どの程度社業を行うかは企業によっても差があり、大会がある際などには競技に専念することもありますが、基本的には一社員として勤務します。
たとえば午前中は出勤して社業を行い、午後から練習に参加するといったパターンが一般的な社員選手の一日です。
一方、プロ選手の場合は企業チームに所属していても社員契約はしておらず、あくまでもその競技のプロ選手としてチームと契約しています。
そのため、社員選手のように社業を行うことはなく、練習や試合だけに専念することができます。
給料についてもプロ選手と社員選手では異なり、社員選手には一社員としての給料が支払われるのに対して、プロ選手は競技の活躍度によって1年ごとに年俸が決まります。
一般的にプロ選手の方が収入は高い傾向にありますが、競技の成績が悪ければ減俸されたり契約が更新されなかったりするリスクもあります。
選手を引退した後の違い
プロ選手と社員選手では、アスリートとして現役を引退してからについても違いがあります。
プロ野球やサッカーのJリーグなどを見ても分かるように、プロ選手は現役を引退したらセカンドキャリアをそれぞれに見つける必要があります。
現役時代に優秀な成績を収めた選手であればコーチやテレビの解説者といった仕事がありますが、競技から離れて全く別の道を進む人も数多くいます。
一方、社員選手の場合はその企業の正社員ですから、基本的には選手を引退しても社員として会社に残ることができます。
企業チームは会社の業績不振などによって休部や廃部となることもあるため、社員選手は会社の業績によってアスリート人生が左右される可能性もあります。
しかし、引退後も会社に残ることができる社員選手は、プロ選手に比べて競技生活が終わった後も含めたキャリアが描きやすいというメリットがあると言えます。
完全なプロ化がされていない競技においては企業チームが主流となっており、プロ選手と社員選手が混在しています。
プロ選手は競技のみに集中することができますが、その企業の正社員である社員選手は社業をこなしながら競技を行います。
スポーツ選手を職業とする場合は、それぞれのメリットとデメリットを見極めて自分に合った契約形態を選択するといいでしょう。