大学事務職員として3年勤め、実感した大切なこと3つ
かれこれ20年ほど前のことですが、私は私立総合大学の事務職員として、3年3カ月勤務しました。
今ではIT化が進み、業務は目覚ましく効率化されていることでしょう。
これから私がお話しする「大学職員時代に気付いた大切なこと」は、もしかすると古い考えかもしれませんが、それでも今、私が生きる上で役に立っていることですので、3つに分けてお伝えしたいと思います。
1.人と人との関わりをとても大切にする
大学は、人を育てる教育分野ですから、大学職員には、人に興味がある人、人間関係を大切にする人が集まります。
他者をライバル視したり、人を蹴落として1番になるのが好きな人には向かない職場です。
新卒採用のグループ面接で、「私は負けず嫌いで、やる気は誰にも負けません!」と声高らかに自己紹介をした人がいましたが、次の面接には残っていませんでした。
最終面接に残った私と同期生たちは「みんな採用されるといいね。」「そうだね。」と声を掛け合ったのを覚えています。
ライバルであってもおかしくないのに、穏やかな連帯感がありました。そして全員採用され、皆で再会を喜び合いました。
仕事が始まってからも、「人間関係を大切にする人たちだなぁ〜」と特に実感したのは、男女関係なく、言葉遣いが丁寧だということでした。
サービスマニュアルに記載されているような敬語の乱用ではなく、自分の言葉で丁寧に話す人が多かったのを覚えています。
言葉遣いに気を付けることは、相手と自分自身を尊重すること、そして職場の雰囲気をより良くすることに繋がります。
なので、それに気づいてからは、社員の言葉遣いが乱れた会社を見ると、何か問題があると思うようになりました。
2.たわいない会話、ちょっとした気遣いが、仕事を円滑にする
事務職というのはルーティーンワークが多いので、その中でちょっとした楽しみを見つけないと、仕事がつまらなくなってしまう可能性があります。
そんな時に、ちょっとした雑談、ちょっとした気遣いが とても大切だと気付きました。
今の時代にお茶くみ当番があるかは分かりませんが、部署内の人たちにお出しするお茶も、気持ちを込めれば楽しいものとなりました。
仕事が忙しくピリピリした時期には、ハーブティーを持参して、「私の好きなハーブティーなんですけど、落ち着きますよ。」とお出しして喜ばれたのも、良い思い出の一つです。
もともと大学職員になる人は、大冒険をして一攫千金を狙うよりも、日々の日常生活からささやかな幸せを見つけるのが得意な人の方が圧倒的に多いので、ちょっとした会話を交わしたり、ちょっとした心遣いを示すだけでお互いに幸せな気持ちになれました。
3.自分の趣味や特技を大切に
大学職員として働いた3年3カ月の間、ちょっとした特技、趣味が、人と人との関係を円滑にし、仕事がスムーズに進むことを何度も見てきました。
時には、上司のイライラした感情が、部署全体に漂って険悪なムードになることもあります。
そんな時、私は外国語に興味を持っていましたので、上司に話しかける時は、片言のドイツ語を使っていました。
上司が昔、ドイツに駐在していた商社マンであったことを知っていたためです。
ドイツ語を聞いて、ドイツ駐在時代を思い出されたのでしょう。
上司は一気に上機嫌!嬉しそうにドイツ語で返答され、部署内の雰囲気がパッと明るくなりました。
一緒に働く人たち同士、何が好きで何が得意かを知っておくことは、時にして、悪い雰囲気を壊し、仕事を円滑にします。
趣味を仕事にすることは難しいと思いますが、仕事に趣味をちょっぴり取り入れることは誰にでもできます。
ご自分のお好きなことをどうぞ、お仕事のちょっとした場面に生かしてくださいね。
総合大学には様々な部署が点在していますので、求められる能力も様々で、ご自分の居場所が見つけやすい職場だと思います。
当時の先輩方や同期生とは、退職してほぼ20年経った今でも、時々連絡を取り合っています。
そのことからも、「退職?ではさようなら。」というのではなく、人間関係を大切にする職場だとお分かりいただけるかと思います。