銀行員の窓口業務は多能化を求められる

投稿者プロフィール

銀行員(窓口) 高居さん

20代後半(就労時) 女性経験:8年0ヶ月 大阪府

退職済み / 正社員

投稿者の仕事満足度

総合満足度
4.00
仕事内容
4.00
やりがい
3.50
働きやすさ
4.50
給料・年収
3.00
休日・待遇
4.50
成長・将来性
2.00
メッセージ

就職先としての銀行は「知名度」がありますが、それは誰もが利用する身近な金融サービスであるためです。

銀行員を目指すのであれば、銀行で働く自分をしっかりイメージして就職活動に取り組むことをおすすめします。

そのためには、以下の2つを正しく理解することが重要です。

1つめは「銀行の特色」です。

大手銀行・都市銀行・地方銀行など規模の違いがありますが、基本的に大きな組織であるため、銀行ごとに風土・特色・働く人の雰囲気が異なります。

銀行業界は体育会系という話を聞いたことがあるかもしれませんが、これも銀行によって違うので、必ずしもそうであるとは限りません。

可能であれば実際に勤めている若手行員と話し、職場の雰囲気を聞くと良いです。

ただし入社後は基本的に支店に配属されるので、1〜3年目の人は、自分の支店の雰囲気しか把握できていないかもしれません。

4年目以降であれば、銀行の全体像が見えているのでより参考になります。

2つめは「実際の業務」です。

入社前に必要な専門性はありません。ただし基本的に数字や書類を扱う仕事です。大雑把で見落としが多い性格の人も最初は苦労するかもしれませんが、経験でカバーできるので、向上心を持って丁寧に取り組めるかどうかが重要です。

資格試験もいくつかありますが、必須の資格(昇格のための資格を除く)で、長期間プライベートの時間を削るようなことはありませんでした。

配属部署は大きく分けて「融資」「法人顧客向け営業」「個人顧客向け営業」「窓口業務」です。

一昔前は事務のイメージがありましたが、現在では営業をせず事務のみという内容で採用されることは、ほとんどありません。

事務に近しい部署は「窓口業務」ですが、接客をしながら「個人顧客向け営業」も行うよう求められます。

以下の仕事内容・待遇などは「窓口業務」として入行した経験に基づいて記載しています。

仕事内容

銀行員は大抵、3年前後で異動します。

転居を伴う異動かどうかは、銀行によって異なりますが、採用時に選択できる場合もあります。

私は大阪で「窓口業務」として入行し、転居を伴わない異動を4回、そのうち2回は大きな支店(法人向け営業がある支店)で勤務しました。

銀行員の出社時間は早く、毎朝8時には更衣室に入りました。ミーティングまでに機器類を立ち上げ、当日の処理を確認し、開店前にできる処理があれば行います。

開店後は来店したお客様に対して、住所変更や紛失の手続き、振り込みの取引などを受け付けます。

接客をしている時は、保険や投資信託といった個人向け商品の声かけ・販売も行います。後ろに下がった時には、営業の人がお客様から受け取ってきた手続きの処理も行います。

閉店後は現金が合っているかの確認を行って、1日の業務が終了です。

なるには

応募資格は、短大卒以上が一般的です。

私は大学の社会学部を卒業しました。実際に銀行員を経験して、どの学部を卒業していても就職には問題ないと感じます。

入社までに必要な資格は内定後に案内されるため、事前に取ることはしませんでした。

学生時代に取得した資格は、簿記3級と秘書検定3級です。

やりがい

「会社からの評価」と「周囲の人からの評価」は、どちらもやりがいにつながります。

前者であれば、保険や投資信託などの商品販売数で評価されます。これは融資や法人営業でも同じであり「営業成績で結果を出すこと」においては、やりがいの感じやすい仕事だと思います。

私の場合は窓口での接客をしていた期間が最も長く、事務の知識を比較的多く持ってました。

事務はほとんど会社からの評価にはなりませんが、周囲の人から頼りにされることがやりがいでした。

また接客業ならではのやりがいとして、お客様の問題を解決して感謝されたときは、難しい手続きの疲れも忘れてしまうほど達成感を感じます。

向いてる人

ハキハキと明るく受け答えができて、細かなルールをしっかりと守れる人が銀行員に向いています。

接客の面でももちろんですが、銀行員同士で連携しながら仕事を進めていく場面が多くあります。

快活なコミュニケーションで、仕事がやりやすくなることは間違いありません。

また手続きに関するルールは常に変わり、ややこしい内容が多いのですが、銀行員のミスはお客様に迷惑をかけることに直結します。

基本動作がルール化されているため、それを徹底する心構えが重要です。

給料・年収

基本給は手取りで約18万円でした。

支店で勤めている間は残業があり、3年目で約20万円、6年目で約22万円でした。

しかし事務センターなどの残業がない部署で働いている間は、年次が高くても給与に反映されません。

8年目でも約18万円と、新入社員時代と近い給与水準になっていました。

休日・待遇

大手企業であったので、福利厚生は充実していました。

また有給も全て消化する必要があり、ワークライフバランスとしては大変満足していました。

これが銀行を就職先に選んだ理由でもあります。

ただし銀行はカレンダー通りの休みであるため、ゴールデンウイークの途中でも平日は出勤であり、お盆休みはありません。

年末年始の休みも基本的に4日間でした。

就職・転職

私が入行した銀行では、独特な質問や対策が必要な面接はありませんでした。

複数の銀行を受けて、一つだけスムーズに進んで内定をもらった銀行に就職しました。

数年経って各銀行の雰囲気がわかるようになると、自分が内定をもらった銀行が、一番自分に合っていると思いました。

退職直前は残業のないセンターで働いていましたが、いつ異動があるかわからない銀行業界では、また支店に配属される可能性がありました。

独身の時は支店で働くことに問題はありませんでしたが、結婚をして夫に家事の負担をかけてまで共働きをするつもりがなかったので、結婚して1年後に退職をしました。

恋愛・結婚

支店で勤務していた時に先輩が3組、職場内結婚をしたことがありました。

相手はその支店で出会った人で、3組とも同期同士の結婚でした。

先輩は先輩、後輩は後輩として接しがちなので、同期の方が比較的結婚しやすいのかと思います。

しかし異動が多いとはいえ、一緒に働くことができる異性は限られています。

職場内結婚は期待していなかったので、婚活で出会った社外の人と結婚しました。

また私は結婚後に退職しましたが、職場としては結婚後・産休後も働いている人が多い傾向にありました。

正社員以外にも多様な働き方があり、子どもがいる女性の多くは、出勤が遅い・退社が早いなど異なる時間で働いていました。

成長・将来性

銀行員としての成長が見込めるだけでなく、社会人として必要な金融の知識が身につくため、私生活でも大いに活かせます。

銀行によって社内制度は異なるため、キャリアアップをしたいときにどのような仕組みがあるかを確認すると良いです。

業界としては、変化がとても激しいと考えられます。

例えばこれまで店頭で行っていた手続きが、来店不要で手続きで行えるようになっています。

振込という銀行のシステムでしかできなかったお金のやり取りも、銀行以外のキャッシュレスサービスで代用できるようになっています。

これらの背景から、収益の柱として保険や投資信託といった「販売業務」を広げていますが、銀行以外でも扱っているため、競争は一層激しくなることが予想されます。

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