華やかなスポーツを伝える地味な記者の裏側

投稿者プロフィール

地方新聞社の編集記者(スポーツ担当) おはぎさん

30代後半(就労時) 女性経験:7年5ヶ月 埼玉県

退職済み / 正社員

投稿者の仕事満足度

総合満足度
4.00
仕事内容
4.50
やりがい
4.50
働きやすさ
2.50
給料・年収
2.00
休日・待遇
2.50
成長・将来性
3.50
メッセージ

人々が感動するような名場面にも立ち合え、自分の言葉で伝えていくこともできるのが、スポーツ記者の醍醐味です。

若手アスリートの成長はもちろん、ベテランと呼ばれるようになるまで成熟する過程をつぶさに見ていけるのも楽しみの一つです。

何より、日々の取材を積み重ねた先に、自分の成長を感じ取れる機会にも恵まれます。

ただし、新聞社でスポーツ担当になるには、多くで異動というチャンスをつかめるかどうかにかかっています。

限られた時間を大切にしながら、成果を出すことが求められる仕事です。

仕事内容

私が勤務していた新聞社は地方紙の中でも200人弱の小規模の会社でしたが、運動部は花形の部署でした。

Jリーグのビッグクラブから中学、高校生まで広範囲にわたりカバーし、全国大会を取材するための出張も数多くありました。

部長を含め多い時でも7名程度と少数精鋭。

担当競技は決まっていても、それだけを取材することは許されず、すべての競技に精通する必要がありました。

なるには

新聞社の新卒採用試験を受けて採用になりました。

当初は営業の部門にいましたが、社内で希望を出し編集部門に異動しました。

その後、整理部を経て運動部に配属となり、28歳から7年5カ月ほど在籍しました。

どの会社の入社試験でも必ず作文が課されます。

テーマに沿った文章を時間内に書く必要があるので、いろんなタイトルで練習しておくことをお勧めします。

資格は特に必要はありませんが、車を運転して取材に行くこともありますので、できれば普通自動車運転免許は取得しておいほうがいいでしょう。

やりがい

地方紙のスポーツ記者は、その地域の出身で有望と感じた選手を長く追い続けられることができます。

指導者らの情報提供から「この選手は」と見込んだアスリートが全国レベルで活躍したり、世界に羽ばたく姿を見るのが楽しかったです。

中でもインターハイで3連覇を達成した後、高校記録を出した選手を追いかけていた時は、成長の過程を見守ってきたからこその記事を書くことができ、達成感がありました。

つらいこと

金銭面での持ち出しが多かった印象です。

地方紙の記者の場合は、特定の地域に密着して取材活動を行うため、車での異動が不可欠でした。

車もマイカーを取材用に申請していました。

またすべての取材にカメラマンが同行するわけではなく、取材用の一眼レフカメラを購入し自分で撮影もしていました。

携帯電話も個人用を使い、通話した分だけ経費を申請していました。

締め切りとも格闘しました。

取材をしたはずなのに頭が真っ白になり、何を書いたらいいかわからなくなり、パソコンを打つ手が止まることも。

一度は降版時間20分前にやっと記事が完成し、事なきを得たこともありました。

向いてる人

コツコツと積み重ねられる人が向いていると感じます。

華やかに見えるスポーツの世界の裏側で、確かな記事を書くには日々の小さなネタを拾うところから始まります。

いきなり大きな現場は任されません。

自分を成長させてくれるのは、小さな積み重ねがしかありません。

もし苦手に感じるようなら、その日その日の取材に集中してみることをお勧めします。

志望理由

私の場合は高校時代からラグビーが好きで、合宿のメッカ・菅平にまで足を運ぶほど。

その時にスポーツ新聞で働いていた女性記者の方にあこがれ、スポーツにかかわれる仕事をしたいとスポーツ記者を志しました。

しかし入社後、実際にスポーツの現場に出てみると、Jリーグやプロ野球といった球団の運営など、スポーツとかかわれる仕事のすそ野は広がっています。

スポーツのプロ化が進む今だからこそ、学生時代より知見を広げておいた方がいいと感じました。

働きやすさ

新聞社自体は女性の割合が増えてきていますが、私が所属していた運動部は女性は私一人でした。

雰囲気は質実剛健の実力主義。

男女の性差は関係なく、質の高い記事が書けるかどうかしか見られませんでした。

当時は平等に見てもらえ、それが心地よかったのですが、振り返ると体力的な性差は全く考慮されていなかったように感じます。

特にローテーションで仕事が組まれるので、いわゆる「生理休暇」は取りづらい環境でした。

給料・年収

入社後は他社と同じぐらいだった年収もベースアップが少なく、30代前半で年収は500万円弱にとどまっていました。

営業や管理部門には係長や課長など、細かく役職が定められていた一方、編集記者には適用されず、デスクを任されると「副部長待遇」という役職があてがわれていました。

残念ながら私は退職するまで平社員でした。

休日・待遇

基本的には平日に連続して2日間の休みが取れるようにローテーションが組まれていました。

ただし自分の担当競技の取材が入ると、この限りではありません。

また高校野球などの繁忙期やインターハイや国体などの長期出張になると、1カ月に3〜4日ということもザラでした。

そんな中でも夏休みと冬休みは8日間ずつ取得できたので、海外旅行などでリフレッシュしていました。

就職・転職

「なぜこの会社なのか」「なぜ新聞記者なのか」「自分の強みは何か」「入ってから何をやりたいのか」

いずれもどこの会社でも聞かれることですが、しっかり答えられるように準備をしておきましょう。

私は7年半近く運動部に在籍した後、2年ほど別な部署を経験して退職しました。

運動記者として取材する中で「大学を卒業してからも競技を続けたいのに続けられない」「引退後、何をしたらいいかわからない」とアスリートから相談を受けることが続きました。

そこで自分にできることはないかと考え、キャリアカウンセラーの資格を取得し、大学職員に転職しました。

恋愛・結婚

スポーツの試合は土日や夜に集中します。

そのため記者も必然的にその時間帯に仕事をすることになります。

恋愛、結婚はできたとしても、出産となると一度は現場を離れる必要があります。

個人的には一般の企業に勤める人と結婚しましたが、比較的、同業者と結婚している人も多いです。

成長・将来性

「誰が読んでもわかるように記事を書かなければ意味がない」。

現役時代にデスクから口を酸っぱく言われてきた言葉です。

記事を伝わるように書けるようになった時の喜び、さらには自分自身の言葉を交えて書けるようになった時に達成感は何物にも代えられません。

それぐらい自分の成長を感じられる仕事でもあります。

近年は速報性が重視され、ネットニュースに押されています。

広告収入なども落ち込み、大手の新聞社でも経営が厳しいといわれています。

とはいえ、組織として記者を育てようとする環境や、現場で取材できる機会があるなど、まだまだ新聞というメディアも捨てたものではないと感じています。

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