奨学金と教育ローンに違いはある?

(読了時間:5分53秒)

大学や専門学校に進学すると、卒業するまで学費を納入する必要があります。

必要な学費が足りない場合、奨学金を受給して不足分をまかないたいと考えている人も多いことでしょう。

ところで、学費をまかなうには奨学金以外に「教育ローン」を利用する方法もあります。

奨学金と教育ローンはどのような違いがあるのか、仕組みや特徴について確認しておきましょう。

奨学金と教育ローンの違い

はじめに理解しておくべき点として、奨学金と教育ローンは全くの別物です。

学費をまかなうという目的こそ同じですが、お金を借りるための仕組みや返済方法が異なることをしっかりと認識しておく必要があります。

まずは奨学金と教育ローンのそれぞれの特徴について確認しておきましょう。

奨学金の特徴

奨学金とは、日本学生支援機構や自治体、民間団体が用意する進学支援を目的とした資金です。

奨学金を借りる名義は進学する学生自身となるため、貸与型であれば卒業後に借りた本人が返済していくことになります。

受給方法は一部の奨学金を除いて月々定額となっているケースがほとんどです。

また、貸与型奨学金の場合、無利子貸与と有利子貸与の2種類があります。

無利子貸与であれば借りた額をそのまま返せばいいので、有利子貸与と比べて返済総額が少なくて済みます。

有利子貸与であっても、利息が発生するのは卒業後に返済が始まる時点からで、在学中は利息が発生することはありません。

教育ローンの特徴

教育ローンは奨学金とは異なり、借主は進学する学生の保護者となります。

つまり、子どもの進学資金を準備するために親が借金をする仕組みになっています。

借り方は一括となり、融資額が全額まとめて振り込まれます。

国の教育ローンの場合、借入額は最大で350万円までとなっており、留学など学費とは別に資金が必要な場合は増額することも可能です。

利息は奨学金よりも高くなるのが一般的ですが、教育資金以外の目的で融資を受ける一般的なローンと比べると利息が低めに設定されています。

利息は借入をした翌月から発生するため、在学中も利息がかかります。

ただし、国の教育ローンの場合、在学中は元金据え置きで利息のみ返済することも可能です。

奨学金と教育ローンの比較

奨学金と教育ローンの特徴は、次のようにまとめることができます。

奨学金 教育ローン
借主・返済する人 学生本人 保護者
借り方 毎月定額 一括
借入額(最大) 月額12万円(※1) 350万円(※2)
返済期間(最長) 最大20年間 15年間
利息 0.003〜0.0433%(※3) 1.78%(※4)
利息の発生 卒業後 借入の翌月から

(※1)日本学生支援機構の場合(進学する学部によって増額可能)
(※2)国の教育ローンの場合(留学など別途費用が必要な場合は増額可能)
(※3)日本学生支援機構の場合(2020年7月時点)
(※4)国の教区ローンの場合(2019年1月時点)

このように、教育ローンは奨学金とは仕組みや特徴が大きく異なります。

教育ローンの場合、返済する人が保護者になる点や、利息が奨学金よりも高くなる傾向がある点については、十分に理解した上で活用することが大切です。

教育ローンの種類と特徴

教育ローンには大きく分けて2つの種類があります。

国が運営する教育ローンと、民間の銀行や信販会社などが運営する教育ローンです。

このほか、大学や専門学校との提携ローンと呼ばれるものもありますが、提携先は民間のローン会社のため民間教育ローンに含まれます。

それぞれの教育ローンに特徴がありますので、違いを押さえておくことが大切です。

国の教育ローン

国の教育ローンとは、日本政策金融公庫が融資するローンです。

使途は教育機関費用に限定されており、教育以外の目的で利用することはできません。

後述する民間の教育ローンと比べて利息が低めに設定されているのが特徴です。

ただし、世帯年収に制限が設けられており、どの世帯でも申し込みが可能なわけではありません。

《日本政策金融公庫教育ローンの世帯年収上限額》

世帯の子どもの人数 世帯年収の上限
1人 790万円
2人 890万円
3人 990万円
4人 1,090万円
5人 1,190万円

申し込み件数が多くなりやすい1月〜3月はとくに、民間の教育ローンと比べて審査に時間がかかります。

また、借入限度額が350万円と決まっているため、必要な学費によっては不足することもあり得ます。

民間の教育ローン

民間の教育ローンは銀行・信販会社などが提供するローンです。

国の教育ローンと同様、使途は教育目的に限定されており、他の用途で利用することはできません。

利息は国の教育ローンと比べて高めに設定されていることがほとんどですが、教育以外の使途で利用するローンと比べると低く設定されています。

借入限度額が300〜500万円と国の教育ローンよりも大きいため、まとまった資金を用意したい場合に活用することができます。

利息は借入先や借入金額によって異なりますので、条件をよく確認した上で利用する必要があります。

大学・専門学校提携の教育ローンとは?

大学・専門学校によっては、銀行や信販会社と提携した教育ローンを用意している場合があります。

借入先としては民間の教育ローンと違いはありませんが、非定型型のローンと比べて利息をより低く抑えられるのが特徴です。

学校と提携しているとはいえ、申し込みはWebや郵送を通じて借入先に直接行うことになるため、学校の窓口を通す必要はありません。

金融機関によって個人の銀行口座に直接振り込まれるパターンと、学費として大学に入金されるパターンがあります。

なお、提携ローンである以上、その学校に在学している学生しか利用することができません。

入学予定者も入試に合格した時点で申し込み可能となる場合がありますが、金融機関によっては入学前の申し込み不可の場合もありますので注意が必要です。

教育ローンを利用するメリットとデメリット

ここまで奨学金と教育ローンの違いや、教育ローンの特徴について解説してきました。

最後に、教育ローンを利用するメリットとデメリットについて確認しておきます。

教育ローンは経済的な事情があっても進学をあきらめないための手段として有効ですが、利用の仕方によってはリスクもあることを理解しておく必要があります。

教育ローンはあくまで「借金」ですので、返済の見通しを立てた上で活用することが大切です。

教育ローンのメリット

教育ローンは融資額が一括で振り込まれますので、まとまった教育資金を準備しやすいのが大きなメリットです。

とくに民間の教育ローンでは大きな金額を借り入れることも可能なため、学費の心配をすることなく進学できます。

また、奨学金の場合は学業成績や意欲の面も審査項目に含まれますので、高校までの成績によっては審査が通らない可能性もあります。

一方、教育ローンは世帯年収や信用情報といった条件を保護者がクリアしていれば借入をすることができます。

このように、教育ローンは奨学金と比べて審査に通りやすい面がありますので、奨学金を受給できなかった場合の有力な選択肢となり得るのです。

教育ローンのデメリット

教育ローンは進学先での学費をまかなうための資金準備に使途が限定されているとはいえ、借金であることに変わりはありません。

在学中から返済する必要がありますので、保護者の負担を考慮すれば学生自身もアルバイトをするなどして返済に充てる必要があるでしょう。

また、教育ローンの利息は貸与型奨学金よりも高くなるケースがほとんどですので、返済する総額としては教育ローンのほうが多くなります。

卒業後も返済を続ける必要があり、就職してから受け取る給与が実質的に目減りしてしまうことになります。

進学のための資金を準備することは大切ですが、進学する時点でのお金の問題だけでなく、先々の返済計画まで含めよく考えた上で利用するようにしましょう。

教育ローンは奨学金と比べて審査基準が柔軟で、利用しやすい面があります。

しかし、そもそも奨学金とは仕組みや性質が全く異なるものであり、将来にわたって返済を続ける必要のある「借金」であることを十分に理解しておく必要があります。

奨学金との違いをよく理解した上で、自分に合った方法で教育資金の準備を進めましょう。

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