試用期間の解雇・クビはある? 解雇の理由で多いのは?
では、このような試用期間に、解雇される…つまりクビになる可能性はあるのでしょうか?
あるとしたら、一体どのような理由から解雇されるのでしょうか?
試用期間にクビになるのは仕方ない?
「試用」という響きから、試用期間について、こんなイメージをしていませんか?
・お試しなのだから、いつクビになっても仕方がない
・試用期間中は、会社はいつでも試用社員をクビにする権利がある
このようなイメージは、真実なのでしょうか?
試用期間は、法的にみると、「”社員を解雇する権利”を留保した雇用期間」を指します。
つまりクビにできる権利を保留している期間というわけですから、正当な理由があれば会社側は試用社員を解雇できるということです。
ただし、どんな場合でも解雇できるわけではありません。
解雇する権利を行使するためには、「理由」が重要になってくるのです。
試用期間に解雇される正当な理由とは?
試用期間であっても、社員は社員ですから、解雇するには正当な理由が必要です。
たとえば、このような理由は、「正当」とは言えません。
・上司が試用社員のことを生理的に受け付けないから。
・試用社員の話し方が気に入らないから。
・時間外で行われている社内の一部の飲み会にまったく出席しないから。
では、どのような場合に試用期間の社員でも解雇される可能性があるのでしょうか。
それは、正社員として企業に貢献できる見込みがないという客観的事実があり、その理由が相当である場合に限定されます。
企業に貢献できない見込みがなければ、試用期間を終えた跡の本採用拒否が認められ、解雇されることがあります。
でも、「正社員として企業に貢献できる見込みがない」ことを客観的に証明するような事実とは、一体どのようなことでしょうか?
・新人研修後も同じ失敗を繰り返し、業績を悪化させた。
・外部対応ができず、成立するはずだった商談を破談にさせ、結果業績にネガティブな影響を及ぼした。
このように、業績などの数値に表現できるレベルでの失態があった場合は、試用期間であっても解雇されることがあるようです。
20代で正社員への就職・転職
予告もなく、突然解雇されることもある?
普通、正社員であれば、解雇される場合も「解雇予告」の後に解雇されます。
つまり、即日解雇ということはありません。
実は、試用期間であっても、企業側には労働基準法第20条によって、30日前に解雇予告をする必要があります。
この「30日前」という日数を短縮した場合、その分の解雇予告手当を支給しなければなりません。
ただし、試用期間の場合は注意事項があります。
労働基準法第21条によると、試用期間の社員に対して採用後14日以内であれば、労働基準法第20条にもとづく30日前の解雇予告(もしくは解雇予告手当の支払い)は不要であると明記されているのです。
つまり、試用期間であっても解雇予告はされるはずですが、採用後2週間以内であれば予告なく解雇されることもあるということです。
もし採用後14日を過ぎていたら、その日数に応じて解雇による手当が支給されることがあります。
試用期間に解雇されないために
試用期間に解雇されず、最後まで勤め上げるためには、数値で表現できるレベルで企業に貢献する必要があります。
たとえば、顧客満足度の上昇、発注業務の正確性(上司からの差し戻し件数0など)など、数値に残る貢献をすることによって、企業側があなたを試用期間に解雇することはできなくなります。
試用期間を無事通過し、正式な雇用をめざすのであれば、このような努力が必要です。
この記事のまとめ
これまでご紹介してきたように、試用期間であっても解雇される可能性はあります。
でもあなたに業績を悪化させた明確で客観的な要因がなければ、不当解雇となります。
試用期間を通過し、正社員になるためにも、試用期間こそ企業への貢献を忘れないようにしましょう。
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