留学にかかる費用・学費はどれくらい?

学生時代に貴重な経験ができる機会として、海外留学を検討している人もいることでしょう。

留学するにあたって気になるのが、留学にかかる費用や学費です。

留学先の国や留学期間によって費用・学費は大きく異なるため、留学先を決めるにあたって費用面での検討は欠かせません。

そこで、留学に必要な費用や学費の具体的な項目や、費用を抑えるための工夫について解説していきます。





留学に必要な費用とは?

留学費用と言っても、かかる費用にはさまざまな項目があります。

まずは留学に必要な費用にはどのようなものがあるのかを知り、整理しておくことが大切です。

留学に必要な費用には、大きく分けて次の3つがあります。

・学校の授業料・プログラム参加費用
・渡航に必要な費用
・現地での滞在費・生活費

それぞれ詳しく見ていきましょう。

学校の学費・プログラム参加費用

留学する学校の学費や留学プログラムへの参加費用が必要になります。

学費の内訳としては、入学金または出願費用、授業料、教材費です。

このほか、現地サポートが必要な場合はその費用や、プログラム参加費を別途納入する場合もあります。

一例として、カナダのILSC-Vancouverに6ヶ月間の語学留学で17レッスンを受けた場合、授業料は6,600カナダドルとなります(※)。

※留学先がバンクーバー、パートタイムAMのスケジュールで24週の場合。

参考:ILSC料金案内

学費を支払う時期としては、出発前に一括で納入する場合もありますが、留学期間や学校の種類によっては現地到着後、留学先の学校へ直接納入するケースも見られます。

渡航に必要な費用

留学先までの往復の航空券代が必要になります。

とくにヨーロッパ圏への渡航の場合、航空券代が高額になりやすい傾向があります。

渡航費は短期留学・長期留学ともに同じだけの費用がかかりますので、行き先の国によってどのぐらいの費用が必要になるのか調べておく必要があります。

一般的には現地での修学時期の2〜3ヶ月前には航空券を手配しますが、ゴールデンウィークや年末年始など多くの人が海外へ渡航する時期は航空券が高額になりますので注意が必要です。

現地での滞在費・生活費

多くの場合、留学生は現地でシェアハウスへ入居するか、ホームステイすることになります。

シェアハウスの費用やホームステイ滞在費、滞在先を確保するための手配費などが必要になります。

また、現地で生活するにあたって必要な生活費を事前に準備しておかなくてはなりません。

食事や日用品の購入も現地の物価を考慮して試算しておく必要があります。

留学先で体調が悪くなって病院にかかったりすることも考えられますので、万が一のことも想定し余裕をもって準備しておくのが望ましいでしょう。

留学期間と留学先による費用・学費の違い

留学に必要な費用・学費は、留学期間や留学先の国によって異なります。

厳密には留学する学校や暮らす地域、暮らし方によって差が生じますので、ここでは代表的な例として海外留学経験者の方々への調査から、最も多かった回答を挙げていきます。

参考:海外留学経験者の追跡調査(日本学生支援機構・平成30年度)

短期留学の場合の留学総費用

留学期間 留学総費用
3ヶ月未満 50万円未満
3ヶ月〜6ヶ月未満 50万円〜100万円

実際の留学期間にかかった総費用(学費・生活費・渡航費・手続き経費等)は、3ヶ月までであれば50万円未満に収まった人が最も多いという結果になっています。

6ヶ月未満であっても100万円未満で収まった人が最多となっていますが、中にはこれ以上の留学費用がかかった人もいますので、必ずこの範囲内で収まるとは限りません。

留学先の学校や生活する地域によってはさらに多くの留学費用が必要になる場合もあります。

長期留学の場合の留学総費用

留学期間 留学総費用
6ヶ月〜1年未満 100万円〜150万円
1年〜2年未満 150万円〜200万円

6ヶ月を超える長期留学になると、留学費用もまとまった額が必要となります。

年単位での留学では100万円を超える費用が必要になることから、計画的に留学費用を準備しておかなくてはなりません。

日本で通う学校の学費と比べても、留学にかかる費用が占める割合は決して低くありません。

留学する予定があれば、進学先でかかる学費に加えて留学費用も考慮した計画を立てておく必要があるでしょう。

留学先ごとの学費

主な留学先で月々かかっていた学費は、日本円に換算した場合に下表の範囲に収まったという回答が最も多くなっています。

留学先国 学費月額
(最も多かった回答)
米国 10万円〜15万円
オーストラリア 5万円〜10万円
カナダ 5万円〜10万円
英国 5万円〜10万円
中国 3万円〜5万円
韓国 5万円〜10万円
ニュージーランド 3万円〜5万円
フランス 10万円〜15万円
フィリピン 1万円〜3万円
イタリア 3万円〜20万円
ドイツ 1万円未満〜20万円
台湾 1万円〜5万円
スペイン 3万円〜20万円
シンガポール 3万円〜5万円
タイ 1万円〜3万円
その他の国 5万円〜10万円

学費は通う学校によっても異なりますが、これらの回答から国ごとのおおよその傾向を知ることができます。

アメリカやフランスは学費の月額が高くなりやすく、中国、ニュージーランド、フィリピン、台湾、スペイン、シンガポールといった国々では学費が低く抑えられる傾向があります。

留学先ごとの住居費用

留学先ごとの住居費用は、滞在する地域の地価や物価によって大きく異なります。

主な留学先の国々で月々かかっていた住居費は、日本円に換算すると下記の通りです。

留学先国 住居費月額
(最も多かった回答)
米国 5万円〜10万円
オーストラリア 5万円〜10万円
カナダ 5万円〜10万円
英国 5万円〜10万円
中国 1万円〜3万円
韓国 3万円〜5万円
ニュージーランド 5万円〜10万円
フランス 5万円〜10万円
フィリピン 5万円〜10万円
イタリア 3万円〜5万円
ドイツ 3万円〜5万円
台湾 1万円〜3万円
スペイン 3万円〜5万円
シンガポール 3万円〜10万円
タイ 1万円未満〜15万円
その他の国 3万円〜5万円

中国、タイといったアジアの国々では、住居費が比較的抑えられる傾向があります。

また、アメリカやオーストラリアでは日本に居住するのと変わらない程度の住居費がかかるのに対して、イタリアやドイツ、スペインといった国々では住居費がそれほど高額ではないことがわかります。

留学先ごとの生活費

留学先国 生活費月額
(最も多かった回答)
米国 3万円〜5万円
オーストラリア 5万円〜10万円
カナダ 3万円〜5万円
英国 3万円〜5万円
中国 3万円〜5万円
韓国 1万円〜3万円
ニュージーランド 1万円〜3万円
フランス 1万円〜10万円
フィリピン 1万円未満
イタリア 3万円〜10万円
ドイツ 3万円〜5万円
台湾 3万円〜5万円
スペイン 3万円〜5万円
シンガポール 5万円〜10万円
タイ 5万円〜10万円
その他の国 3万円〜5万円

生活費としてかかる費用は、学校でのランチや交通費、娯楽費などです。

現地の物価によってかかる費用にも差がありますが、工夫しだいで抑えられる費用とも言えます。

日用品などは日本で購入する場合と価値が異なる場合もありますので、留学経験者や現地で暮らしたことがある人に聞くなどして情報を得るといいでしょう。

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留学費用を抑えるための工夫

留学には各種費用がかかることは、ある程度は仕方のないことです。

しかし、留学を希望する学生のために費用面でさまざまなサポートがありますので、各種制度を活用して留学費用を抑える工夫をすることも大切です。

留学費用を抑える工夫としては、奨学金の活用とワーキングホリデー制度の活用が挙げられます。

留学のための奨学金を活用する

留学費用をまかなうための奨学金には、大きく分けて貸与型(返済の必要あり)と給付型(返済不要)があります。

返済不要の給付型奨学金は人気がありますが、TOEFLやIELTSのスコアが一定以上あることの証明や、日本での学業成績が優れていることの証明が必要など、厳しい審査基準があります。

また、留学する目的によって利用できる奨学金と利用できない奨学金があります。

海外の大学に通う場合は多くの奨学金が給付対象となりますが、語学留学の場合は対象とならない場合がありますので注意が必要です。

給付型の一例として、下記の奨学金制度があります。

奨学金名 対象者 金額
海外留学奨学金
(日本学生支援機構)
海外の大学もしくは
大学院を志す意欲と
能力のある学生
月額59,000〜118,000円
(大学院は89,000〜148,000円)
年間250万円上限
トビタテ!留学JAPAN
日本代表プログラム
(文部科学省)
日本の大学等に
在籍している者
月額12〜20万円(生活費など)
10〜20万円(渡航費の一部)
最大30万円程度(授業料など)
IELTS Study UK奨学金
IELTS 北米奨学金
大学・大学院に
留学する学生
3,000ポンド 6,000USドル
松下幸之助国際
スカラシップ
(松下幸之助記念財団)
アジア・アフリカ・
ラテンアメリカ諸国
の大学・大学院で
調査研究する者
月額14万円
中島記念国際交流財団 大学生 月額20万円
支度金50万円
授業料年間300万円以内

ワーキングホリデー制度を活用する

ワーキングホリデーとは、日本とワーキングホリデー協定を結んだ国に1〜2年滞在することができ、就学、旅行、就労することが認められている制度です。

留学の場合、ビザの関係で現地での就労が認められていない国があります。

ワーキングホリデーであれば、現地で働きながら学ぶことが公式に認められていますので、たとえば語学留学が目的であればワーキングホリデーでも同等の効果が期待できます。

アルバイトなどをして就労すれば給与を受け取ることができますので、現地での滞在費や生活費を稼ぐことも可能です。

ただし、ワーキングホリデーが認められているのは18歳から30歳に限られており、申請できるのは各国1回のみとなります。

この記事のまとめ

留学は若いうちに視野を広げ、貴重な経験ができる機会です。

ただ、費用面ではまとまった金額が必要になりますので、抑えられる費用はできるだけ抑えておくことが大切です。

留学にかかる費用や学費を理解して、充実した留学生活を実現できるよう計画を練っていきましょう。

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