レッドオーシャンとは
そのひとつが「レッドオーシャン」です。
「レッド(赤)」が意味する市場の状態や特徴、事例について解説します。
レッドオーシャンとは
レッドオーシャンとは、すでに確立された市場の中でも、特に激しい競争が繰り広げられている既存市場を意味する経営・経済用語です。
レッドオーシャンのレッドは血の比喩表現で、赤い海になるほど血みどろの激しい戦いを余儀なくされる市場のことを表します。
レッドオーシャンの特徴
参入企業の数が増えると、市場には似通った商品・サービスが溢れ出します。
それによって商品・サービスの価値が低下し、いずれは一般化(コモディティ化)。
違いが分かりにくいものであればあるほど価格競争に陥りやすいため、低利益で市場シェアの奪い合いを続けることになるのです。
価格競争に陥ったレッドオーシャンで戦い続けるには、ある程度資本力が必要だということがわかるでしょう。
レッドオーシャンでのプレイヤー(企業)は、目の前にある需要を獲得するために、ライバルとの競争に勝たなければなりません。
企業同士の消耗戦を避けるためには、自社の商品・サービスの差別化が必要ですが、既存概念を180度変えるような差別化を行うことや、飽和したと考えられていた市場にまったく新しい価値を作り出すことが求められます。
この戦略のことを「ブルーオーシャン」といい、広く青い海に見立てた、レッドオーシャンの対義語です。
レッドオーシャンにおける戦略
経営戦略論で知られる経営学者のマイケル・ポーターが提唱した「競争戦略」は、レッドオーシャンにおける戦略と考えられています。
3つの基本戦略である「コストリーダーシップ戦略」「差別化戦略」「集中戦略」は、徹底したコスト削減やライバルとの同質化防止、また事業領域を絞るなどして、レッドオーシャンを勝ち抜く戦略です。
飽和や縮小が進む日本の市場は多くがレッドオーシャン化していることから、ブルーオーシャン戦略が注目を集めるようになりました。
ところが、ブルーオーシャンも簡単に見つけられる市場ではないため、多くの企業がブルーオーシャンの創出に試行錯誤しながら、レッドオーシャンでの生き残りをかけた戦いを続けています。
レッドオーシャンとブルーオーシャンのジレンマ
市場シェアの多くを占める大企業や、既存市場で安定的に収益を確保する企業は、市場のレッドオーシャン化が進むにつれて、新規事業よりも既存事業にリソースを割く傾向があります。
なぜなら収益の多くを既存事業から得ている場合は、新規事業よりも収益の柱である既存事業の優先順位が高まってしまうからです。
多くの企業がこのジレンマによって、ブルーオーシャンへの投資を後回しにするだけでなく、既存市場の競争をさらに激化させています。
そのようなジレンマのないスタートアップ企業は、ブルーオーシャンの創出に集中できることが大きな強みとなります。
既存のプレイヤーが奪い合いをしている間に、市場そのものを塗り替えてしまうのです。
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レッドオーシャン化する市場の例
参入障壁の低い市場は、いずれはレッドオーシャン化するといっても過言ではないでしょう。
最近では格安スマホや格安SIMに代表されるMVNO市場も競争が激しくなり、レッドオーシャン化の予兆がみられます。
サービス開始当初(2013年)のMVNO事業者はわずか数社でしたが、2017年現在では事業者数が668社まで増加。すでに価格競争が始まっています。
この記事のまとめ
真っ赤な血で染まる海(=レッドオーシャン)は、企業が激しく競争し合う既存市場を分かりやすく表現しています。
対義語である「ブルーオーシャン」は、戦略の解説などの際に「レッドオーシャン」とともに用いられるケースが多いため、ブルーとレッドのセットで覚えておくとよいでしょう。
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