ピボットとは
この「ピボット」という言葉にはどのような意味があり、ビジネスにどのような影響を与えているのでしょうか。
「ピボット」とは「事業の方向性を変える」こと
「ピボット(pivot)」という英単語には、「回転するための軸」や「中心点」といった意味があります。
バスケットボールやスキー、スノーボードなどで、軸足を動かさずに回転する意味で使われる「ピボットターン」という言葉にはなじみが深い方も多いでしょう。
ビジネスやマーケティングの分野で用いられる時には、「事業やサービスの方向性を変える」という意味で使われ、アメリカのシリコンバレーで生まれた表現だといわれています。
主に創業してから間もないスタートアップ企業において、創業時のサービスや事業が順調に進まなかった時に、やむを得ず事業内容を変更する際に用いられる言葉です。
「方向を変える=事業の失敗」と捉えられがちですが、そのようなネガティブなイメージではなく、「自社の成長スピードをより早めるために方向を修正する」というポジティブなイメージを持った言葉だといえるでしょう。
「ピボット」で成功を収めた企業のケース
スタートアップ期のベンチャー企業が、「ピボット」により大きく成長し、世界中で成功を収めているというケースが目立っています。
このようなケースは、創業当初の事業が行き詰まる前にさまざまな分析を行い、思うように事業が軌道に乗らないのはなぜなのかという原因を追究して、前向きな方向の修正に踏み切ったからこそ、手に入れることができた成功なのです。
有名企業の成功例を挙げてみましょう。
Facebook(Facebook, Inc.)
今や全世界のスタンダードといえるソーシャル・ネットワーキング・サービスであるFacebook。
元々は2004年にアメリカ合衆国の大学生向けに開始されたサービスでした。
当初は会員になれるのは学生のみでしたが、アメリカ合衆国の学生の8割以上がアカウントを持っている状況になった2006年に「ピボット」し、一般にも開放した結果、全世界で爆発的な人気を呼んだのです。
YouTube(YouTube, LLC)
「ユーチューバー」という動画クリエイターまで生み出すほどの影響力を持つ動画共有サービス。
最初は会員がデート相手を検索できるサービスとしてスタートし、動画の共有機能はサービスの一部分でしかないものでした。
その後、動画の共有機能目当てで利用する会員が増えたことから「ピボット」し、この機能一本にしぼることで大成功を収めたのです。
現在ではGoogleに買収されて再度方向転換を行う形となり、世界最大級の動画共有サイトに成長しました。
20代で正社員への就職・転職
「ピボット」しないリスクの見極めも大切
ベンチャーから上場企業への成長をとげた企業の歩みを追ってみると、起業家が創業時に想定した通りに事業が進んだケースはほとんどないといわれています。
どんなに優れた起業家であっても、新しいビジネスを行うのは初めての経験なので、最初から市場が求める通りの製品やサービスを提供することは難しいといわざるを得ません。
ビジネスプランを実行に移すにあたっては、戦略やアイディアと実際の市場のニーズとのズレを修正していく作業が必要になります。
その作業が「ピボット」なのです。
方向転換しなかった時にはどうなるのか、というリスクをしっかり見極め、早い段階でズレを修正することで、スタートアップの成功をつかむことができるといえるでしょう。
この記事のまとめ
「事業やサービスの方向性を変える」という意味に、ポジティブな要素が加わった言葉である「ピボット」。
今後は日本においても「ピボット」により成功をつかむ企業が増えていくことが予想されます。
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