卸売とは
商品をメーカーから仕入れ、小売(消費者が購入する店舗)に卸すのが主な役目といえます。
ここでは卸売についてご紹介していきます。
卸売とはどういうものか
卸売は問屋ともいわれることあり、よく歴史の教科書では米問屋とよばれていました。
卸売は商品流通の過程において、メーカーから商品を購入し、小売店に商品を売ります。
食品関係でいうと、生鮮・野菜、食肉関連をメーカーなどから買い付けており、小売業者(スーパーなど)や外食産業(ファミレスなどの飲食店)に商品を卸しています。
どのようにして利益を出すのか
卸売も当然ながら企業ですので、儲けが必要になります。
ではどこで利益を出しているかというと、メーカーなどから仕入れた商品は定価に対し、低めに購入します。これを「仕入れ値」といいます。
また定価は最終購入者となる消費者に対しての目安となる金額ですので、それと同額になると卸売は儲けを出すことができません。
この仕入れ値に上乗せした金額で小売業者へ商品を販売することで、差額の利益を出すことができます。これを「卸値」といいます。
小売業者は卸売から購入した商品を、消費者へ販売することで差額分の利益を生み出すことができます。
ここで小売業者が定価通り販売すれば、多くの利益を生むことが可能ですが、基本的に消費者へは定価の○○%オフや○○割引といった値引きをすることでお得感を出し、購入意欲を湧かせています。
利益の出し方の例
例として、メーカーをA社、卸売をB社、小売をC社とします。
A社は商品の定価を10000円として考えていますが、B社へは5000円で販売します。
↓
B社は5000円で仕入れた商品をC社へ6000円で卸します(販売)。
↓
C社は6000円で仕入れた商品を定価から20%オフとなる8000円で消費者へ販売します。
差額分を単純に利益と仮定して説明しますと、ここでA社は5000円の利益、B社は1000円の利益、C社は2000円の利益となります。
もちろん、人件費や材料費、交通費などさまざまな経費がかかりますが、このように卸売はメーカーから仕入れた金額から、小売に卸す差額で儲けをだしています。
メーカーと小売が直接取引しないのはなぜ?
卸売の儲けるシステムがわかりましたが、だれでも最初に考えるのは、卸売を通さず、メーカーと小売は直接取引したほうが、お互い儲かるのではないかというところです。
たしかに上記の説明ですと、卸売が手にする1000円の利益はメーカーと小売が直接取引すれば、折半することができます。
でもなぜそれをしないのでしょうか。
卸売がないと小売業者は注文が大変
それは消費者のニーズに伴い、小売業者の多様化が関係しています。
たとえば、小売業者の店舗では1つの商品を販売しているのではなく、多くの商品を扱っています。
スーパーを例にしてみると、入口のデザートや野菜から始まり、生鮮食品とお肉コーナーからお菓子に調味料、ドリンクに日用品から雑貨まで多種多様の商品を扱っています。
この複数の商品をそれぞれのメーカーと直接取引しようものなら、一品ずつ連絡を取らないといけなくなり、担当者が把握しきれなくなります。
卸売が仲介することでメーカーも管理がしやすい
これはメーカーにもいえることで、小売店というのは数多く存在し、地方の店舗へ商品を卸しているならなおさら把握することが大変な作業となります。
「どこへどれだけ商品を運ぶか」というのを管理するのが複雑になります。
そこで仲介業者となる卸売業者が入ることで、複数のメーカーから商品を買い付け、小売店へまとめて発送する方がメーカー、小売ともに管理しやすくなります。
膨大なメーカーが存在し、それ以上の小売店がある以上、仲介する卸売の存在は一般消費者にはあまり知られないものの、商品を購入する上では欠かせないものであります。
卸売業者が間に入ることで、メーカーや小売店舗にはどのような商品が売れているかという情報が入りやすくなっています。
さらに、卸売はメーカーの在庫を切らさないように一定のストックをしてあり、メーカーに在庫がなくても、流通で商品不足に陥らないようになっているのです。
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この記事のまとめ
インターネットの普及により、卸売業者を使わない取引も増えてきています。
しかしながら、商品がますます多様化する現代において、卸売の役割はまだまだ重要といえます。
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