OA機器業界研究・仕事内容や求人状況、今後の動向を解説

(読了時間:11分20秒)

OA機器業界とは

OA機器のOAとは、「Office Automation」の略で、オフィスの作業を自動化あるいは効率化するための仕組みをさします。

つまり、OA機器とは、業務効率化のために使用される機器の総称です。

多くの場合は、パソコンなどの業務用端末や、コピーやFAX機能を持った複合機などの周辺機器のことをさして呼ばれます。

昨今では、OA機器を全く使用せずに業務を行なっている企業はほとんどいないと言えるほど、OA機器は現代の職場においてなくてはならない存在です。

また、最近ではオフィスのクラウド化やAIの導入など、新しい仕組みやテクノロジーを取り入れている企業もどんどん増えています。

新しい技術の研究開発や、それらの技術を使用した全く新しい製品・サービスの開発も、OA機器業界の担う重要な業務のひとつです。

OA機器業界とは、OA機器やそれを取り囲む技術・仕組みを利用して、企業の業務効率化や問題解決に向けてのソリューションを提供していく業界といえます。

OA機器業界の役割

現代のオフィスにおいて、OA機器を使用せずに業務を行うことはほぼ不可能といっても過言ではないでしょう。

どのような業界においても、その業務に使用するOA機器を提供する企業がなければ、そもそも業務を始めることができません。

そういう意味では、OA機器業界は日本の、いえ、世界の経済を支えている存在と表現することができます。

また、最近では業務のクラウド化やAIの導入など、業務環境に新しい技術を取り入れる企業も増えてきています。

それに伴い、OA機器業界が取り扱うOA機器も幅広く、また多機能になってきています。

企業や経済のさらなる発展のため、新しい技術を開発したり、それらの技術を使用して新しいサービスやソリューションを提案することも、OA機器業界が果たす重要な役割の一つなのです。

OA機器業界の企業の種類とビジネスモデル

OA機器業界に属する企業の中には、大まかに分けて次のような種類があります。

・OA機器メーカー
・販売者
・リース業者

OA機器メーカー

実際の機器を開発・販売しているメーカーがこれにあたります。

ひとくちでOA機器といっても、その内容はパソコンや複合機、オフィス用電話機など、用途によってたきにわたります。

そのため、すべてのOA機器を取り扱うメーカーがあるのではなく、それぞれの会社が専門分野を持ち、その分野の技術を生かして機器の開発に当たっています。

例えば、パソコンなら富士通株式会社や日本電気株式会社(NEC)など、複合機ならキャノン株式会社などが有名です。

販売者

オフィスではさまざまなOA機器が必要になりますが、それらの全てを取り扱っているメーカーはありません。

また、ひとつの機械にも、何社ものメーカーが自社製品を開発しており、メーカーごとにも何種類もの機種があります。

それらの機器を取りまとめ、企業の購入窓口となるのが、OA機器の販売者です。

販売者は、取り扱い商品の特徴や機能についての知識を持ち、企業からのヒアリングに基づいて、そのオフィスに適した商品を紹介する、アドバイザー的な側面も持ちます。

代表的な企業に大塚商会株式会社などがあります。

リース業者

オフィスに必要なOA機器の中には、価格が大変高額であったり、頻繁に新商品・新機能が出るものもあります。

それらの機器を導入するにあたって、購入ではなく、リースという形態もよく利用されます。

リースであれば、定期的な保守点検を受けることができたり、業者によっては新型の機種への切り替えが可能であったりと、企業側にさまざまなメリットがあるためです。

リース業者には専門業者も多く存在していますが、リコーリース株式会社など、メーカーのグループ会社という位置付けの企業も存在しています。

OA機器業界の職種

OA機器の開発から導入、保守までがOA機器業界の業務に含まれるため、業界内にはさまざまな職種が存在しています。

例えば、主要な職種には次のようなものがあります。

・研究・開発職
・企画職
・営業職

研究・開発職

OA機器メーカーでは、時代のニーズやテクノロジーの発展に伴い、常に新しい技術や機能の開発を進めています。

研究・開発職の方々は、新製品や新機能の核となるような、新しいテクノロジーの開発を行なっています。

これまで世界になかった技術や仕組みを作り出す、とてもやりがいのある仕事ということができます。

企画職

研究・開発職の方々が生み出した新しいテクノロジーをもとに、実際の新商品や新機能に落とし込んでいくのが、企画職の仕事です。

技術は、生み出された時にはまだどのように生かされるのか十分に見通されていないものもあります。

実際の業務で生かされ、業務効率化や新しい働き方に繋がるようなアイデアを出し、時代に求められる製品を生み出すのは、企画職の仕事なのです。

営業職

OA機器を導入する企業と直接やり取りをするのが、営業職の仕事です。

複数のメーカー商品を取り扱う販売者の場合、それぞれの商品の特徴を把握し、その企業に最も適した商品を提案する必要があります。

また、クライアント企業の抱える問題を聞き、OA機器でどのように解決できるかの提案を行うこともあります。

OA機器業界のやりがい・魅力

この業界の最も大きな魅力の一つが、最新の技術に触れることができるという点です。

OA機器、特に情報機器の進歩はとても早く、数年でその機能は飛躍的に向上しているということがよくあります。

これまでになかった技術や機能もどんどん開発され、全く新しい働き方が生まれています。

例えば、今ではスマートホンやタブレット端末はビジネスパーソンのマストハブアイテムとなっていますが、少しさかのぼれば、出先でこんなに簡単に情報に触れることができる環境いうのは、想像もできないことでした。

機器の進化とクラウドサービスにより、一昔前にはSFの世界だった働き方が、現代のスタンダードになっているのです。

このような流れに、最先端で触れていられるというのは、機器やテクノロジーが好きな人にとってはとても魅力的な環境ということができるでしょう。

また、それらのテクノロジーを使って、クリエイティブに働くことができるというのもOA機器業界の特徴です。

機能やテクノロジーは素晴らしいですが、それだけではまた「少し目新しい」で終わってしまいます。

生み出されたそれらを使って実際にどう業務改善を行なっていくのか、それを考え、工夫するのもまた、OA機器業界の重要な仕事です。

テクノロジーとアイデアの両面から全く新しいビジネスソリューションを生み出し、企業の働き方を変えていく。

そんな、社会に対して大きな影響を与えることができることが、OA機器業界で働くやりがいということができます。

OA機器業界の雰囲気

OA機器は、業界・職種問わずさまざまなオフィスや職場で使用されています。

そのため、OA機器業界で働く人材、特に営業系のスタッフが関わる相手は多岐に渡ります。

自社の製品やサービスだけでなく、さまざまな業界や分野に興味・関心を持ち、広い視野を持って働くことが、業界全体として求められていると言ってよいでしょう。

また、最新の技術に関わる業界ですから、そういった分野にアンテナを張っている人材も多くいます。

また、自社内の研究・開発部門では、これまでになかった全く新しい技術の開発など、やりがいのある研究がなされています。

他の業界ではなかなか経験することのできない内容であることも多く、やりがいを持って働いている人が多いということもできるでしょう。

業界自体の歴史は長く、大企業では昔からのやり方や考え方が残っている部分もありますが、同時に新しさも受け入れることができる雰囲気がある業界でもあります。

OA機器業界に就職するには

就職の状況

企業規模にもよりますが、多くの場合は新卒一括採用を行なっています。

大手メーカーなどであれば、大企業の場合は新卒採用の枠は必ずあると考えて間違いないでしょう。

特に有名な企業では、数百名規模での新卒採用を行なっている企業もあります。

裏を返せばそれだけ学生にも人気が高いということができますから、志望する場合はしっかりと対策をして臨むことがおすすめです。

入社後の離職率も低い企業が多く、長く勤める社員が多いことも特徴的です。

やりがいを持ちつつ、自分らしく働くことができる業界の風土があり、就職した後も働きやすいと感じている人が多いようです。

就職に有利な学歴・大学学部

新卒採用のメインとなる事務系・営業系では、特に学部によって有利・不利となることは多くありません。

むしろ、人間性を見られていると考えた方が良いでしょう。

前述した通り、OA機器業界の営業スタッフは、とても幅広い企業を相手に営業活動を行う必要があります。

また、クライアント企業のニーズをしっかりと理解し、適したソリューションを提案することが業務として求められます。

そのためには、相手の話を正しく聞いてニーズを理解する力に加え、相手の業務をしっかりと理解する力、最適なソリューションに関するアイデアを生み出す力など、高いコミュニケーション能力が必要です。

ですから、面接の際の受け答えの様子や、学生時代の活動など、コミュニケーション能力の高さを感じさせる内容が重視されると考えられます。

就職の志望動機で多いものは

業界の魅力として、ビジネスの場におけるソリューションを生み出すことができるという点があります。

実際、OA機器業界を志望する人には、機器に対する関心と並んで、その点を志望動機としてあげる人が多いようです。

自分の携わる製品と自分のアイデアで、ビジネスの可能性が広がったり、業務改善につながる仕事ですから、具体的で説得力のある志望動機です。

また、志望動機を伝えた際には、自分のアイデア力や問題解決能力をアピールできるようなエピソードを交え、どう貢献できるのかを伝えることができればより好印象を与えます。

技術系を志望する人の中には、最新技術の開発や最新機器に携わることができるという点自体が大きな魅力で、そのまま志望動機になっているという人も見られます。

OA機器業界の転職状況

OA機器業界は業界内での転職も多いですが、未経験からの転職も難しくない業界と言われています。

次は、社会人経験があるところから、転職でOA機器業界を目指す場合の情報を紹介します。

転職の状況

企業規模にもよりますが、市場のニーズがしっかり存在している業界ですから、新卒採用と同様、中途採用についても安定して募集がある傾向にあります。

また、入社後の定着率の高さ、平均勤続年数の長さは新卒採用の項で紹介した通りです。

社員を大切にする企業が多く、また企業基盤もしっかりしていることが多いため、社員の満足度は高めということができるでしょう。

転職の志望動機で多いものは

OA機器業界を志す理由としては、概ね新卒採用の項で紹介したものと同じ傾向があります。

社会人経験をした上での転職ですから、前職での経験から生まれる志望動機も説得力があります。

OA機器を使用していない職場はほとんどありませんから、前職がOA機器業界でなかったとしても、OA機器を使用していた経験はあるわけです。

それを踏まえて、志望企業の製品に対する思い入れや、OA機器を使用した業務改善・ソリューションの実現への思いもよく語られる志望動機のひとつです。

転職で募集が多い職種

転職者に向けた求人としては、新卒採用の場合とは違い、職種別の採用となることがほとんどです。

中でも営業系の職種に関しては求人が多い傾向にあります。

OA機器業界における営業職は、ただ製品を売るだけでなく、その製品をどう生かすのか、どう業務改善に繋げるのかという提案など、多岐に渡ります。

そのため、業界内に限らずどのような分野でも、営業職の経験があれば、それを生かして働く場面が多くあると考えられます。

常に新しい風を求めている職場ということもできます。

どんな経歴やスキルがあると転職しやすいか

前述の通り、OA機器業界では、新しいビジネスソリューションに向けたアイデア力や、顧客との折衝を円滑に進めるためのコミュニケーション能力が求められています。

そのため、業界に対する知識や実績だけでなく、営業職としての経験も歓迎されるスキルのひとつです。

営業相手とどうコミュニケーションを取り、どういう提案をすることができるかなど、自分の営業スキルをしっかりアピールをすることができれば、業界未経験であっても転職は十分に可能です。

OA機器業界の有名・人気企業紹介

OA機器業界には実際、どのような企業が含まれるのでしょうか。

ごく一部にはなりますが、業界を代表する企業を紹介します。

キャノン株式会社

オフィス用複合機メーカーを代表する企業のひとつです。

個人向けにカメラの事業も主力事業のひとつとして行なっています。

この技術を生かし、複合機の他、ネットワークカメラや映像解析システムなどの提供も行なっています。

キャノン株式会社 ホームページ

日本電気株式会社(NEC)

日本を代表する電子機器メーカーのひとつです。

OA機器や個人向け情報機器の他、さまざまなITソリューションやシステムプラットフォームの構築・提供を行なっています。

日本電気株式会社(NEC) ホームページ

株式会社大塚商会

OA機器の販売の他、リースやレンタルにも対応しています。

導入後のアフターサポートなどまで自社で行なっています。

また、オフィス用品などの通信販売事業や、ITテクニカルサポートも行なっています。

株式会社大塚商会 ホームページ

OA機器業界の現状と課題・今後の展望

最新の機器や技術を取り扱っている業界ですから、その市場動向や企業の位置付けも変化していく可能性があります。

常に新しい情報を求め、アップデートしていく必要があります。

競争環境

昨今のグローバル化・IT化に伴い、特に情報端末においてはボーダレスな市場になってきています。

国内だけでなく、海外製品や海外発のサービスについても、業務改善につながるなら積極的に導入したい、という意向を持った企業が増加傾向にあります。

そのため、今後のOA業界は国内メーカー同士だけでなく、世界中の優秀なメーカーを相手に競争していく必要があります。

最新の動向

情報端末やITサービスの進化に伴い、オフィス用複合機の需要は今後緩やかに減少していくことが考えられます。

逆に、これまでにない考え方や新しい技術が提供されれば、そのニーズによって市場全体に活気が生まれる可能性もあります。

今後も業務改善や新しいビジネススタイルの構築に向けて、さまざまな技術やサービス、アイデアが生み出されていくことでしょう。

業界としての将来性

市場全体としては、リーマンショック以降、国内の経済に合わせて徐々に縮小しているのが現状です。

ですが、現代のオフィスからOA機器がなくなることはあり得ません。

現行の機器の買い替えニーズなどもあると考えられ、業界全体としては概ね安定しています。

また、日本製の製品は海外でも評価が高く、一部の企業では海外進出も進められています。

業界全体としては、現在の国内市場規模を維持しつつ、海外市場も含めての進出・競争が生まれていくと考えられます。