内定とは(読了時間:5分2秒)

就職活動で1つのゴールと考えられているのが「内定」です。

なんとなく聞いたことがある言葉ですが、内定の正確な定義や法的な位置付けをご存知でしょうか。

内定とはどういうものなのか、詳しく見ていきましょう。

内定の本来の定義とは

内定とは、ひと言で表すならば「あなたを雇用します」という約束のことです。

新卒採用の場合、内定を出す相手は学生ですので、一般的に「卒業見込み者」という扱いで内定を出すことになります。

つまり、企業がその学生を採用すると決めてから、実際に入社するまでの間が内定の期間にあたるわけです。

原則として、内定を通知した後に企業側の都合で内定を取り消すことは禁じられています。

学生としては内定を獲得した時点で、その企業に就職できることが決まったと考えていいでしょう。

そのため、就職活動においては内定獲得が1つのゴールとされ、第一志望の企業から内定をもらえた時点で就職活動は完了となります。

学生、企業の双方にとって、「内定」は重要な意味を持つものであり、重い言葉だと認識しておきましょう。

なお、経団連の倫理憲章で内定通知は10月以降という指針が示されたため、これ以前に通知されるのは「内々定」と呼ばれます。

内定は労働契約と同じ重さを持つことを知っておこう

内定は「あなたを雇用します」という約束のことですが、法律上においても重要な意味を持っています。

仮に「この会社に就職しよう」と考えていた企業から内定をもらえた時点で、他にも選考中の企業があった場合、その学生はどのような行動を取るでしょうか。

多くの場合、就職するつもりで考えている1社を除き、選考中の企業に辞退の連絡を入れ、就職活動を終了させるはずです。

もしこの状態で、内定をもらっていた企業から「内定は取り消します」と言われたとしたら、この学生は就職先がなくなってしまいます。

法的には、内定は労働契約と同等の重さを持つものとして扱われており、内定を取り消すのは労働契約の解除、つまり解雇と同じ扱いとされています。

就職先を失ってしまう学生が出ないよう、法律で保護しているというわけです。

よって、内定通知を受け取ったということは、その会社は内定を簡単には取り消せないことを覚悟の上で、あなたを採用すると決断したことになります。

どの時点で「内定」が出たと言えるのか

内定が重い意味を持つことは前に述べた通りですが、では内定とはどの時点のことを指すのでしょうか。

一般的に、企業は内定通知を書面で発行し、郵送などの方法で学生へ送付することで内定を知らせます。

書面以外にも、電話などによる口頭での内定通知も有効です。

書面による内定通知の発行は義務づけられているわけではありませんが、「言った・言わない」の問題になるとトラブルに発展する可能性があるため、ほとんどの企業が書面で通知しています。

よって、内定通知を受け取った時点で「内定」を獲得したと考えていいでしょう。

企業によっては、学生に「内定承諾書」や「入社誓約書」の提出を求める場合があります。

承諾書や誓約書を提出しないと内定したことにならないのではないか?と考えがちですが、これは誤りです。

承諾書や誓約書は学生の内定辞退を防ぐための企業の施策の1つですので、内定そのものとは分けて考えるべきです。

企業から内定通知を受け取った時点で「内定した」と考えて間違いありません。

内定を辞退することは可能?

内定後、よほどの事情がない限り企業が内定を取り消すことはできません。

では、学生側が内定辞退を申し出ることはできるのでしょうか。

結論から言えば、学生が内定を辞退しても問題ありません。

企業は一定数の内定辞退者が出ることを見越して、多めに内定を出しておくのが一般的です。

ただし、中小企業など採用予定人数が限られている場合などは、1人の辞退が企業にとって大きな痛手になることもあります。

法律上は内定を辞退することが認められていますが、採用したいと言ってくれた企業に対して「入社しません」と伝えるわけですから、伝え方や伝えるタイミングについては十分に気を遣うようにしましょう。

内定を辞退する場合、伝える内容の重さからすると電話で申し出るのがよいとされています。

メールだけでよいとするノウハウも見かけることがありますが、特に内定承諾書などを提出後に辞退する場合は電話で申し出るほうがいいでしょう。

複数の企業から内定を獲得した場合どうする?

就職活動では、複数の企業の選考が同時並行で進んでいくのが一般的です。

企業ごとに選考が進むペースが違いますので、最終面接を終えて内定通知が届くタイミングも企業によって異なります。

第一志望の会社から最初に内定通知が届いたのであれば、選考中の他社を辞退すればよいのですが、そのようなケースは稀でしょう。

2社以上の企業から内定通知を受け取ることになる人もいるはずです。

選考が進む中で、面接での質問や逆質問を通じて応募時には知らなかった会社の一面が見えてくることもあるでしょう。

応募してみたものの、実際に入社して働きたいと思わない企業であれば、すみやかに内定を辞退しましょう。

企業側はあなたが入社するものとして準備を進めています。

いずれ辞退することが確定しているのであれば、早めに申し出たほうがいいのです。

第一志望ではないものの、もし第一志望の企業から内定がもらえなければ入社する可能性がある場合、どうしたらいいのでしょうか。

内定通知を受け取ったのち、内定承諾書や入社誓約書を提出する期日が示されていれば、それまでに決断するのが望ましいと言えます。

ただし、実際には承諾書や誓約書を提出後も辞退することはできますので、「内定が出たから入社するしかない」と考える必要はありません。

内定から入社までの流れ

入社して働きたいと思える会社から内定通知を受け取ったら、よほどのことがない限りその会社に入社して働くことになります。

ただし、内定の時点では卒業見込み者という扱いですので、万が一、卒業できなければ内定は無効となってしまいます。

まずはきちんと大学を卒業できるよう、卒業論文や試験勉強に取り組みましょう。

学生の内定辞退を防ぐため、内定承諾書や入社誓約書の提出を求められるケースが見られます。

入社したい企業であれば、できるだけ速やかに提出し、企業の採用担当者を心配させないようにしましょう。

入社前に内定者懇親会の機会を設ける企業も少なくありません。

他の内定者の顔ぶれが分かったり、先輩社員と話せたりする貴重な機会ですので、できる限り参加しましょう。

また、入社前に事前研修を課している企業もありますので、他の予定を入れてしまうことのないようスケジュールを確認することが大切です。

入社初日までに準備しておくべき書類などを確認し、不足がないようそろえておくようにします。

住民票などあらかじめ取得しておく必要がある書類は、入社日までに確実に取得しておくようにしましょう。

身元保証書のように、自筆だけでは完結できない書類が含まれていることがありますので、入社日までに間に合うように手配しておく必要があります。

内定は学生にとって就活のゴールであると同時に、企業にとって採用を約束する重い決断です。

入社する場合も、辞退する場合も、企業に対して失礼のないようきちんと対応しましょう。

企業側は、いったん内定を出せば簡単に取り消せないことを理解した上で、あなたに内定を通知していることを忘れないようにすること大切です。

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