「丸投げ」とは
具体的にはどういうことなのか、実際の例をもとにこの「丸投げ」について説明します。
「丸投げ」のシチュエーションと用例
一言で「丸投げ」といっても、上司が大変な仕事を全部部下に押し付けてしまうことや、元請け会社が手数料を取って下請け会社に仕事をそのまま譲り渡してしまうことまで含まれます。
このように何かのプロジェクトをそのまま押し付けられてしまったような状態の時に「丸投げされても困ります」というように用います。
自分が請け負った仕事を丸まるそのまま相手に投げてしまうというこの「丸投げ」は言葉通りに捉えると、どこか投げやりで、イメージとしてはあまりよくありませんが、実際の所はどうなのでしょうか。
上司が「丸投げ」する場合
上司は部下に仕事を振り分けてマネージメントする役目がありますが、それは「丸投げ」とは異なります。
「上司が部下に仕事を丸投げする」といった場合は、仕事を部下に任せたら任せたきりで、なにか問題が起きてもまったくフォローをしない場合になります。
とくに、その上司が途中まで関わっていた仕事を部下に丸投げされたらどうでしょうか。
過去の資料や、取引先とのやりとり、関わっていた人の情報などをあらかじめ上司から教えておいてもらわないと、なにか問題が合ったときにわからずに、相手先に迷惑をかけて、結果的に自分もてんやわんやになって迷惑をこうむることにもなりかねません。
そんなとき「この仕事を上司に丸投げされたおかげで、問題が多発して大変なことになって困っている。」と部下が言うことになるでしょう。
つまり「丸投げ」という言葉は基本「丸投げ」された方が使う言葉です。
もし「この仕事○○さんに丸投げしちゃったよ」と言う上司がいたとしたら、ずいぶんいい加減な上司ということになりますね。
そういう無責任な「丸投げ」をされないように、上司に仕事を頼まれたときは、しっかりと仕事の内容を聞き、仕事を受けることが可能かどうか判断することが必要です。
「断ると昇進に響くのでは」と気にして、二つ返事で仕事を引き受けないような注意も必要です。
もちろん責任逃れの「丸投げ」だけでなく、部下に自由にさせてある程度リスクを背負わせることで部下を成長させるために上司が仕事を「丸投げ」する、ということもあり得ます。
その場合は最終的に責任の所在は上司にあるとその上司が認識していることが基本です。
また、どちらの場合でも「丸投げ」されたことによって、請け負った側は仕事のやり方も自由にできるということで、新しいシステムや人間関係を作り出すことができて、いい結果を生むということもあります。
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会社が「丸投げ」する場合
新聞やテレビで、大手ゼネコンに多く見られる「丸投げ」が「耐震偽造問題」で明るみにでた事件があったのを知っていますか。
普通は設計を請け負う側は、最後まで責任をもって建物が完成するまで立ち会うということが常識ですが、大きな企業になると、設計する会社と工事を行う会社が違う場合が多いという実情がありました。
そこで建築士が建物の構造計算書を偽装して、そのまま委託会社に渡し、工事を行ってできた建物を検査したところ、地震が起きた時の耐震強度が指針値の半分以下になっていたということがありました。
この場合責任者は誰にあたるのかということで問題になったのです。
このようなことを受けて法律も強化され、工事の「丸投げ」つまり「一括下請負」を原則として禁止することになりました。
「丸投げ」をしてしまうと、大きいプロジェクトになればなるほど一つのプロジェクトに関わる会社が多くなり、問題が起きた時に責任の所在がよく分からなくなるということがよくあります。
問題となった築地市場の豊洲移転問題も、移転を決定した人たちの「丸投げ」が問題になっているといえるでしょう。
この記事のまとめ
このように無責任な「丸投げ」は、基本はあってはならないことです。仕事を請け負う以上は請け負った側が委託する場合も含めて一貫して責任を持つことが必要です。
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