企業研究と業界研究の違いは?

企業研究と並んでよく聞く言葉として、「業界研究」があります。企業研究と業界研究は混同されがちなのですが、目的ややり方が異なるので注意が必要です。

ここでは、企業研究と業界研究とでは何がどのように違うのか、確認していきます。





業界研究と企業研究の大きなちがいとは?

「企業研究をしよう」と決めて、調べる対象となる企業がすぐに思い浮かぶでしょうか。

もともと志望する業界が明確になっている人以外は、まずどの企業を調べればいいのか分からないはずです。

そこで、まずは世の中にどのような業界があるのか、それぞれの業界の特徴はどうであるのか、といったことを幅広くざっくりと調べていくのが業界研究です。

これに対して、企業研究は企業単位で各社の事業内容や従業員数、売上高、株式公開、主力商品、経営理念などについて調べていきます。

つまり、業界研究は「業界」単位の大きなカテゴリで調べるのに対して、企業研究はある業界に絞って、そこに属する企業について深掘りして調べていく、という違いがあるのです。

業界研究は広く浅く、企業研究は狭く深く、と考えるとイメージしやすいでしょう。

企業研究のベースになるのが業界研究

業界研究が不十分なまま企業研究を始めた場合、思いつくまま知っている企業や目にとまった企業を調べていく、といったリサーチの仕方になりがちです。

しかし、このやり方では企業と企業がどのような関係にあるのか見えてこないため、競合他社の動向や隣接する業界に属する重要な企業を見落としてしまう可能性があります。

たとえば教育業界を志望している人が、学習塾や予備校を中心に企業研究を行い、業界全体の動向については調べずにいたとします。

ところが、教育事業以外にもさまざまな事業を展開しているリクルート社は、有名講師の講義動画をスマートフォンで視聴できるサービスを提供しており、今後は学習塾・予備校と競合すると予想されます。

また、日本語入力システムなどを開発・販売しているジャストシステムという企業もタブレット教材の開発を進めており、事業領域を教育へと広げています。

こうした動向を知らないまま就職活動に突入するのは、とてももったいないことです。企業研究のベースには、業界単位で広く浅く調べる業界研究があることを念頭に置きましょう。

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企業研究がうまくいかない場合はどうすればいい?

「企業研究を進めているけれども、なかなかピンとくる企業が見つからない」といった声を聞くことがあります。

こうしたケースでは、業界研究の段階でリサーチが不十分だったり、志望する業界が定まらないまま企業研究に入ってしまったりしていることが原因として考えられます。

企業研究がなかなか進まない、どうも手応えがない、と感じるようであれば、いったん業界研究に立ち返ってみることをおすすめします。

・8種の産業について、すべて業界研究をしたか
・各業界の具体的な仕事内容や提供している商品、サービスについて調べたか
・特定の業界に先入観があり、十分調べていないといったことがないか
・企業名を知らないという理由でリサーチの対象から外していないか

といったことをいまいちど確認し、企業研究の対象を広げてみるといいでしょう。

業界研究と企業研究は同時並行で進められる?

就職活動の期間は長いようで、実はスケジュールがかなりタイトです。

業界研究や企業研究にかけられる時間は限られていますので、業界研究と企業研究を同時に進められないだろうか?と考える人もいるかもしれません。

しかし、具体的な企業について調べ始めると、業界全体や市場全体といった巨視的な見方がどうしてもできなくなりがちです。

企業研究で調べておくべき項目は膨大で、情報量もかなりのものになります。

企業研究を進めながら興味のある業界を探す、という手順では、重点的にリサーチした業界に偏りが生じる可能性が高いでしょう。

業界全体に視野を広げてみた後で個別の企業に目を向けたほうが漏れがないため、企業研究の対象を絞りやすくなり、結果的に時間を短縮しやすくなります。

業界研究や企業研究のための時間を確保するのが大変だと感じている人ほど、業界研究→企業研究の順に進めたほうがいいでしょう。

この記事のまとめ

業界研究と企業研究は別のものというより、段階を踏んで進めるべきものということが分かってきたでしょうか。

世の中の仕事について広い視野で業界研究を行い、得た情報をもとに企業研究で各社についての理解を深めていくことが大切なのです。

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