会社員の健康保険とは

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ちょっと熱っぽい、お腹の調子が悪い…。
具合が悪いとき、安心して病院に行けるのは健康保険という社会保険のおかげです。

海外では、高い治療費を自分で払わなければならない国もあり、日本は恵まれているといわれています。

この健康保険は、職業によって加入する制度が異なり、中身も少しずつ違います。ここでは、会社員の健康保険のしくみについて紹介します。

健康保険組合と協会けんぽが運営

会社に正社員として就職すると、健康保険に加入します。この加入した人を被保険者(ひほけんしゃ)といいます。

会社員が加入する健康保険組合は、企業の規模によって2種類存在します。

ひとつは、「健康保険組合」という組織が運営する「組合健保」と呼ばれるものです。

こちらは、従業員700人以上の企業が国の認可を受けて独自に運営しているか、同じ業種の企業がいくつか集まって共同で運営しています。

一方、中小企業の場合は、「協会けんぽ(全国健康保険協会)」という名前の組織に加入しています。

組合健保や協会けんぽは、被保険者と会社から毎月、健康保険料を集め、病院で治療を受けた加入者の費用を支出しています。

また、国が行っている高齢者の医療保険制度にも、お金を出しています。

公務員が加入している共済組合も、会社員の健康保険とほぼ同じような内容です。

治療費以外にも保険が使えるの?

会社員が健康保険証を持って病院で治療を受けると、原則、窓口で支払うのは、かかった費用の3割です。残りの7割は、健康保険組合などから病院に支払われます。

万が一、医療費が高額になり、自己負担したお金が一定額を超えた場合には、払い戻しを受けられる「高額療養費」という保障もあります。

会社員が加入する健康保険では、こうした医療保障のほかに、所得保障の制度も整っています。

たとえば、病気やケガで4日以上仕事ができず、給料が受け取れなかったときには「傷病手当金」が給付されます。

1日あたりの給付額は、平均日給(1ヵ月の給与を日割り計算したもの)の3分の2に相当する額となっています。

傷病手当金は、会社を休んで4日目から最長1年6ヵ月もらうことができるため、その期間は働けなくても本人や家族の生活が保障され、早く仕事に戻れるよう、治療に専念できます。

また、被保険者本人が出産するときは、出産の費用にあてられるよう、「出産育児一時金」が受け取れます。

出産で会社を休み、その間給料が出なかったときは、「出産手当金」も給付されます。これは安心して出産前後の休養が取れるようにという手当です。

なお、大企業で加入する組合健保の場合は、「付加給付」という形で、法律で決められた法定給付に加え、独自の保障が上乗せされるケースが多くなっています。

たとえば、傷病手当金の額や出産育児一時金が上乗せされることもあり、「大手のほうが待遇がよい」というイメージは、こうした点からも根付いているといえるでしょう。

健康保険制度には、家族も加入しているの?

会社員の健康保険制度は、本人だけでなく、その給料で生活をしている子どもなど、家族も被扶養者(ひふようしゃ)として加入し、利用しています。

健康保険の保険料は、給料の8%程度で、会社と半分ずつ負担しています。被扶養者が何人いても変わりません。

ただし、パートやアルバイトで、決まった金額以上の年収があると、被扶養者として加入できません。

家族も原則、自分で負担する治療費は3割です。小学校入学前の幼児は2割です。

このように会社員が加入する健康保険制度は、働いている人の生活を安定させる役割を担っています。

会社員が加入する健康保険は、病気やケガをしたときに経済的な負担を軽くして治療を受けやすくし、長く休まなくてはならないときは傷病手当金のような給付もあります。

その点で、自営業者やフリーランスが加入する国民健康保険よりも制度に守られているといえます。

会社側としても、社員に早く仕事に戻ってもらったり、社員が病気で辞めてしまうのを防いだりするメリットがあるといえます。