自己PRでの長所、短所の考え方
自己PRに織り交ぜるエピソードなどは、この長所を補強する役割を担っていますので、最も重要なのは長所と言っていいでしょう。
では、自身の長所を考えるとき、どのような考え方をすればいいのでしょうか。
自己PRで最初に述べる「長所」が重要なのはなぜ?
自己PRのそもそもの目的は、自分自身をPRして売り込むことです。
自分を売り込むためには良い点を知ってもらう必要があるため、長所が非常に重要な位置を占めるのです。
ただし、長所と言っても人と違った独創的な特徴を挙げなくてはならないわけではありません。
長所そのものはありふれたものであっても、そのように自覚するに至った経緯やエピソードから、自身をしっかりと客観視できていることや、困難な状況を乗り切ったプロセスが伝わることが重要なのです。
自己PRにおいて長所は「結論」ですので、重要であることに間違いはありません。
しかし、長所そのものが自己PRの中心になるのではなく、なぜそう言えるのか、どのような場面でその長所に気づいたのか、という点をきちんと伝えられることが大切なのです。
自己分析から長所を考える場合
自己分析は、長所を考える上でとても重要な事前準備です。
自身を振り返り、客観視することによって、行動の傾向や性格の特徴が分かってくるはずです。
このとき、自分自身が良いと感じている点だけでなく、人から良いと言われたことがある点を入れておくことがポイントです。
他人は自分を映す鏡と言われることがあるように、周囲の人の反応や感じ方は、自分で思う以上に自身の性格をよく表していることがあるからです。
自己分析の段階ではどの部分が自己PRに使えるか考えておく必要はありません。
まずは自身の特徴について分析し、キーワードを抽出しておくことようにしましょう。
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企業分析から長所を考える場合
自己分析から自身の特徴や傾向が分かってきたら、次に志望する企業について分析を進めましょう。
企業分析を行う目的の1つに、その企業が求める人材像を知ることが挙げられます。
内定を獲得するためには、その会社に入りたいという応募者の希望と、その人材が欲しいという企業の考えが一致する必要があります。
自己PRでどんなに良いことを言ったとしても、そこで挙げられた長所が企業の求める人材像と合致していなければ、採用担当者に響かない可能性があるのです。
志望する企業はどのような人材に入社してもらいたいのか、求人だけでなく経営理念や製品・サービスの特徴、社風といった情報を得ることで分析を進めていきましょう。
そして、企業が求める人材像のうち、自己分析で抽出した長所と一致しそうな点を探っていきます。
このように、自身の長所と企業が求める人材像をマッチングしておくことによって、自己PRが採用担当者に刺さる可能性を高めておくのです。
自分の短所ばかりが目についてしまう場合どうすればいい?
自己PRを考える際に陥りやすい落とし穴として、「短所ばかりが目についてしまい、長所が思いつかない」という状況があります。
謙虚な人ほどこの傾向がありますので注意が必要です。
長所と短所は真逆の関係にありますが、同時に紙一重の関係でもあることを忘れるべきではありません。
たとえば、「慎重」という特徴は一見すると長所のように思えますが、行動すべきときにタイミングを逃してしまう場合もあることを考えると短所にもなり得ます。
「飽きっぽい」という短所は、「好奇心旺盛」という長所として捉えることもできるのです。
もし自己PRの長所を考えていても短所ばかりが目についてしまうとしたら、それらの短所を長所に置き換えることはできないか確認してみましょう。
長所が1つもない人などいませんので、短所ばかりが目についてしまったとしても「必ず長所と言えるところがある」と信じて探すことが大切です。
長所を考えるときの注意点とは?
長所はありふれたことでもいいのですが、長所として挙げるにはふさわしくないものもありますので注意しましょう。
たとえば「約束した時間を守る」というのは常識であって、長所とは言えません。
待ち合わせの時刻に遅刻したことがないというエピソードを紹介しても、常識のレベルを疑われてしまうリスクのほうが大きいでしょう。
「人柄が良い」など、人から言われることはあっても自分では判断できないはずの特徴も、長所として挙げるのは不適切です。
このように、常識の範囲であって長所として挙げるまでもないことや、自分で言うようなことではない自身の特徴については、自己PRの強み・長所として挙げないように注意しましょう。
この記事のまとめ
自身の強みや長所は、いわば自己PRの「背骨」のようなものです。
自己分析と企業分析をしっかりと行い、適切な長所を挙げられるように準備しておきましょう。
長所を思いつかないときは、友人など身近な人の意見を聞いてみることも有効な方法です。
自分では短所に入ると思っていた特徴が、実は長所と言える場合もあるかもしれません。
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