育児休業の制度

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「好きな仕事ならずっと続けたい。でも子どもが生まれたらやめないといけないのかな」――女性のなかには、こんな不安を持っている人もいるはずです。

結婚し、子どもが生まれても、仕事を続ける女性はたくさんいます。また、子どもが生まれたら、自分が主体となって育児や家事をしたいと考える男性も増えています。

そうしたなか、子どもを育てながら仕事をしている人たちを支えているのが、子育てのために休みが取れる法律(育児休業)と、休業期間中に雇用保険から受け取るお金です。

今回は、育児休業の制度について紹介します。

男性も、子どもが1歳になるまで取れる育児休業

労働基準法では、出産前の6週間と出産後の8週間は「産休」として休むことができます。

また、子どもが1歳になるまでは育児時間として、1日2回、それぞれ少なくとも30分間取ることができます。さらに妊娠中から子どもが1歳になるまでは、残業なども制限されています。

ただし、これは女性だけの制度です。

20年あまり前、子どもを育てるために休暇を取ることができる「育児・介護休業法」という法律が成立しました。

育児・介護休業法により、子どもが1歳になるまで、男性も女性も休みを取ることができるようになりました。

また3歳になるまで、1日8時間ではなく6時間の短時間勤務も可能です。

パートや派遣社員も、契約期間などによっては、産前・産後の休みや育児休業を取ることができます。

この法律ができた後も、子どもを持った人が利用しやすいように改正が行われています。

育児休業の内容

・育児休業は、子が1歳に達する日(誕生日の前日)までの間、労働者が申し出た期間取得することが可能
・保育園に入所できないなど、一定の事情がある場合は、子が1歳6ヶ月に達するまでの間、育児休業の取得が可能。
・父母ともに育児休業を取得する場合は、1歳2ヶ月まで取得が可能(ただし、休業期間は1年間が限度)。
・育児休業期間中は、社会保険料が免除される(本人負担、事業主負担ともに)。
・ 育児休業期間中賃金が支払われないか一定以上減額される場合には、雇用保険から「育児休業給付金」が支払われる。
※平成28年7月現在

休んでいる間の収入は?

育児休業中は仕事をしていませんから、通常は会社から給料が支払われません。

その代わり、休んでいる期間は「育児休業給付金」というお金を雇用保険から受け取ることができます。これは、育児休業を取って働き続ける人を支えるための制度です。

育児休業給付金は給料の6割ほどの金額ですが、子育てには費用がかかるため、家計は助かります。

なお、これは女性だけでなく育児休業を取った男性にも支給されます。父親が休むことで、母親の育児の負担を軽くすることができます。

雇用保険には、失業した人へ手当を払うだけでなく、このように子育てしながら働く人も仕事を続けられるよう、支える役割があります。

また、育児休業中は年金や健康保険の保険料を払わなくてもよい、という制度もあります。

出産や育児をする人を応援する法律や社会保険などの制度は、少しずつ利用しやすくなっています。

それは、仕事か個人の生活か、どちらかを犠牲にすることなく、両方とも充実させようという「ワークライフバランス」を、国が推し進めているからです。

それによって、子どもの数が増えることも期待されています。

子どもを育てながら働くのは大変?

育児休業を利用して仕事を続けるのは、忙しくて大変そうです。しかし、働き続けたら、どんなよいことがあるのでしょうか?

まず、同じ会社でたくさんの経験を積むことができます。技術を身につけたり、責任のある仕事を任されたりするようになります。

もうひとつは、長く働いた分、給料が増えるということです。

多くの会社では、働く年数が長くなり、責任が重くなるほど給料が増えるしくみになっています。

また、小さな子どものいる女性の場合、一度会社を辞めると、正社員の仕事を探すのが難しいのが現状です。

そのため育児休業を取れば、好きな仕事を続けられることはもちろん、正社員としての収入を得ることができます。

このように、育児休業は子育て中の人にとっては欠かせないしくみですが、この制度がどのように運用されているかは、企業によってだいぶ状況が異なります。

育児休業がしっかりと整っている会社もあれば、ない会社もあります。

また、たとえ制度があったとしても、取得しづらい雰囲気の職場もあるようです。この点には注意が必要です。

実際には、最初の子どもを産むときに、まだ約60%の女性が退職をしています。そして残りの40%の多くが、育児休業を取って仕事を続けています。

退職する人の理由はさまざまですが、おもな理由のひとつとして、勤務先に育児休業がなかったり、取りにくかったりすることも考えられます。

なお、男性では育児休業の利用者はまだ少なく、ほんの数%程度といわれています。

こうしたなか、市町村も保育園を増やして、女性が仕事を続けやすくなるように努力をしています。

働きながら子どもを育てる制度は、時代が進むにつれて少しずつ整ってきています。

ですから、子どもが生まれたら必ず仕事を辞めなくてはいけないと考えたり、仕事のために子どもを持つのをあきらめたりする必要はありません。

長く仕事を続けていきたいのであれば、それが実現しやすい会社を探すことも大切です。