グローバルスタンダードとは

グローバルスタンダードという言葉をよく聞くようになりましたが、その内容をしっかり理解できていますか。

グローバルスタンダードは、バブル崩壊以後に日本で作り出された和製英語です。「世界標準」と訳されますが、とくに明確な基準があるわけではありません。

では一体、グローバルスタンダードは何を指しているのでしょうか。





古い日本の年功序列システムからの脱却

グローバルスタンダードという言葉が流行りだしたのは、バブル崩壊あたりからです。

それまで、日本では官僚主導の政治、また年功序列の昇進システムや実力より、「遅くまで頑張っているかどうか」という面で能力を査定されていました。

ですが、バブルが崩壊し、日本の閉鎖的で遅れた年功序列システムでは、世界の大企業と対等に渡り合えないとして、「世界に近づくため」の方針が採られるようになりました。

それがグローバルスタンダードです。

とくに、世界に通用する経営手法として、アメリカや欧米先進国の方針を取り入れました。

情報開示(ディスクロージャー)や、時価会計などを積極的に取り入れることで、日本のビジネスが世界に通用するようにしたのです。

グローバルスタンダードには明確な定義がない

ここまで、グローバルスタンダードはアメリカや欧米先進国の経営モデルを手本としたことを語りましたが、とくに基準となるものがあるわけではないことに注意しなくてはなりません。

ですから、日本の企業が「我が社はグローバルスタンダードに基づいて経営をしています」と言っても、何がどのくらい世界標準なのかは曖昧です。

社員の全員が、英語が堪能であれば、グローバルスタンダードかどうかといえば、そうでもありません。

あくまで経営上の問題です。

せっかくグローバルだと聞いて入社したのに、全く海外に接点のない仕事しか与えられないということもあります。

ですから、グローバルスタンダードという言葉を聞く時は、「意味が曖昧である」という前提であることを注意しましょう。

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グローバルスタンダードとデファクトスタンダードの関係

グローバルスタンダードにも、いくつかの種類があります。

その一つとして、「デファクトスタンダード」というものがあります。

これは、「事実上の標準」というもので、例えばISOやJISなどの標準機関が定めた基準ではなく、実際の市場で使われていて、「結果として最も多く採用されている基準」のことを指します。

何かの基準を定めるために、何年もかけて整備するよりも、今流通している基準の中で、最も多く使われていて一般的であるものを、そのまま採用することです。

グローバルスタンダードを心がける場合、このデファクトスタンダードを知っておくことで、世界の標準がわかるともいえます。

グローバルスタンダードな人間とはどのようなものなのか

グローバルスタンダードというものは基準が曖昧ではありますが、経営手法や仕事に関する考え方が、日本のローカルな慣例に縛られていないものであり、欧米の標準的なものを取り入れているものといえます。

今後日本でも、さらにグローバルスタンダードが提唱されることは間違いありません。

工業分野では、日本の製品は世界のトップに君臨していますが、

まだまだ会社の経営や、新しいアイデアの創造、クリエイティブな仕事に関しては、日本は遅れをとっています。

そこで、若い方はより、グローバルスタンダードな考え方を持っていなければなりません。

今までは日本にいるライバルと競って、勝てばよかったのかもしれませんが、これからのフィールドは世界です。

世界には同年代で、驚くような独創的なアイデアを持った人や、チャレンジ精神に富んだ人がいます。

そういった人々と対等に渡り合えるためにも、「今の世界は何が起こっているのか」「何が一番重要視されているのか」を考えられるグローバルスタンダードな人間になる必要があります。

この記事のまとめ

グローバルスタンダードは、あくまで日本の考え方です。

欧米先進国をモデルとしていますが、実態は日本の企業が考える「先進国と並ぶ経営手法」ですので、中身がまだ伴っていないこともあります。

本当の意味で、グローバルスタンダードな人間になるためには、社内で生き抜くことを目標にするのではなく、業界や、またその枠を超えて、アクティブに行動しなくてはなりません。

情報のキャッチはいつでも最先端を取り入れましょう。

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