アントレプレナーとは
「日本は、アントレプレナー教育にもっと力を入れるべきだ」
企業はもとより、日本の将来にも影響を与えうる「アントレプレナー」。
その意味と、この言葉が日本に広がっていった背景を見てみましょう。
アントレプレナーとは
アントレプレナーとは、新しく事業を起こす人(起業家)のこと。
広義に解釈して、企業の経営を行う人(企業家)を指す場合もあります。
アントレプレナーの中でも、取り組んでいる事業を通じて社会問題を解決しようとする人は「ソーシャル・アントレプレナー」(社会起業家(企業家))と呼ばれます。
なお、社員の立場で、企業の新事業開発の中心となる人(社内起業家(企業家))は、独立した立場にあるアントレプレナーと分けてとらえるため、「イントラプレナー」と呼称されます。
アントレプレナーの語源
アントレプレナーは、英語の「entrepreneur」(企業家、起業家、請負人)から来た言葉です。
「entrepreneur」の語源は、「始める」「企てる」を意味するフランス語の「entreprendre」。
語源を見れば、アントレプレナーが、「ゼロから事業を始める人」「事業の計画を試みる人」を意味するようになったのも納得できます。
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日本語「アントレプレナー」浸透の背景
「アントレプレナー」という日本語が、広がっていった背景には、アントレプレナーの必要性と日本社会固有の事情があったようです。
国も企業もアントレプレナーに注目
一般に、多くのアントレプレナーが誕生する国の経済は、活発化する傾向にあります。
アントレプレナーが起こした事業の中から、グローバルに成長するものが出てくれば、国の経済成長は促され、多くの雇用創出にもつながるからです。
同様のことが、企業についてもいえます。
新事業開発の中心人物「イントラプレナー」(社内起業家(企業家))に恵まれた企業は、新分野進出や商品開発などでの成功率も高く、高成長力を維持しやすくなります。
そのため、国も企業もアントレプレナーやイントラプレナー、もしくはアントレプレナー気質を備えた人材を求めています。
アントレプレナーを巡る日本の状況
日本でも、アントレプレナーは必要とされています。
しかし、長年、日本はアントレプレナーが誕生しにくい国とされてきました。
国別の国際競争力ランキングによると、日本は、1990年代初めまでは、上位につけていましたが、その後は次第に順位を下げてしまいました。
ランクダウンの要因の一つと指摘されたのが、「アントレプレナーシップ(企業家(起業家)精神)」、すなわち「新しく事業を起こすために求められる姿勢・発想・能力」の不足があります。
アントレプレナーシップに欠ける国では、これを備えたアントレプレナーは育ちにくくなってしまいます。
こうしたことに危機感を感じ、1998年、当時の日本の経済産業省のアントレプレナー教育研究会は、アントレプレナーシップ教育の重要性を訴えました。
研究会の主張がきっかけとなり、アントレプレナーシップ教育が注目され、これを取り入れる学校も増加。
こうした一連の流れの中で「アントレプレナー」という言葉も社会に広がっていったと思われます。
今では、大学や大学院、ビジネススクールをはじめ、小・中・高校でもアントレプレナーシップ教育を進めるところが出てきています。
しかしながら、日本の国際競争力ランキングは、今も低迷を続けています。
アントレプレナーシップについては、以前に比べ向上したものの、世界的にみるとまだ高いレベルには達していないようです。
ちなみに、アントレプレナーに必要な「アントレプレナーシップ」が具体的に何を意味するかについては、いろいろな意見があります。
ビジネスの現場では、
・新事業創出への高い意欲
・困難にもひるまない強靭なメンタリティ
などの精神面に加え、
・顧客の声などからビジネスチャンスを見出すマーケティング力
・周囲の人々を巻き込んでアイデアを事業の形にまで育て上げるマネジメント力
などの能力を意味することが多くなっています。
この記事のまとめ
アントレプレナーとは、新しく事業を起こす「起業家」を意味する言葉。
企業の経営を行う「企業家」まで含むケースもあります。
新事業創出により、利益や雇用を生み出すアントレプレナーやアントレプレナー気質の人材は、国からも企業からも必要とされる存在です。
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