「好きを続けていたらチャンスが巡ってきた」日本唯一の鉛筆彫刻家・山崎利幸(読了時間:5分19秒)

好きを仕事にしてる人を紹介するインタビュー記事。
今回は、鉛筆の芯を使って彫刻作品を生み出す、日本唯一の鉛筆彫刻家・山﨑利幸さんからお話を伺います。

鉛筆彫刻家の活動内容

鉛筆彫刻家とは何でしょうか?

鉛筆彫刻家と聞くと、鉛筆そのものに何か彫刻することを想像するかもしれませんが、私の場合は鉛筆の芯に物や文字を彫刻しています。

特に文字を彫刻する場合が多いです。鉛筆彫刻家という肩書を持って活動しているのは、日本で私だけだと思います。

鉛筆彫刻家の活動内容について教えてください。

基本的に鉛筆の芯を削って作品を制作することが鉛筆活動家の活動内容です。

作品に関しては、依頼されて作成する場合と、自分の作品として削る場合があります。

依頼作品はプレゼント・贈り物などの用途で、インターネットを経由して依頼をいただき、作成して宅急便でお届けしています。

自分の作品として削る場合は、自分が作ってみたいものや自分の技術のレベルアップのためのものを作ります。自分の作品として削ったものは展示会等で使用することもあります。

また、事務所を通して、テレビ出演や制作依頼などのメディア関係の仕事も不定期で行ってます。

なので、鉛筆彫刻家としてはメディア出演、依頼作品の制作、展示会等が収入となっています。

どれくらいの頻度で作品を作っているのでしょうか?

現在は市役所の非常勤職員の仕事をしながら副業という形で鉛筆彫刻家として活動しています。

そのため、決まった頻度で作品を作っているわけではないんです。時期によって依頼件数に差があるため、それによって制作頻度は変動しますね。

納期のある作品を制作している時は間に合わせるために、睡眠時間を削ってでも仕事をします。折れたら作り直しなので、余裕を持って仕事するように意識してますよ。

鉛筆彫刻家として決まった収入があるわけではありません、個人の方から依頼された鉛筆彫刻の販売分、大体がプレゼントを探していて、他の人と被らない物といった形で贈り物に使っていただいています。

リピーターの方もいらっしゃいます。時期によって依頼件数には差があります。

鉛筆彫刻家になったキッカケ

なぜ、鉛筆彫刻家の活動を始めたのでしょうか?

アメリカのアーティスト、ダルトン・ゲッティ氏の鉛筆彫刻を偶然テレビで見たことがキッカケです。

ただの趣味として鉛筆彫刻を始めて。当たり前ですが鉛筆彫刻を始めた当初は上手に削れずはずもなく、試行錯誤を繰り返して削り方を学びました。

鉛筆彫刻の作品写真をブログに載せ始め、少しずつコメントを頂けるようになりました。

そのうち、「こんな作品つくれますか?」と問い合わせを頂くようになり、最初はそれに答える形で依頼を受けていたんです。

そこから、販売してほしいという要望が多くなってきたことで、現在の形で販売をするようになりました。

話題になり始めたことで、テレビやメディアで紹介して頂く機会が増えていった結果、鉛筆彫刻家として活動するようになりました。

趣味が活動へと広がっていったんですね。

そうですね。

鉛筆を削っていることは楽しいですし、何より依頼して頂いた方に喜んで頂けるように心を込めて作成するのは楽しいです。

最初は自分のために始めた趣味ですが、今では1本1本削るときに送られる方のことを想いながら活動を続けています。

鉛筆彫刻家のやりがい、つらさ

鉛筆彫刻家の活動をする上で、どのようなやりがいを感じていますか?

作品が完成した瞬間にやりがいを感じますね。

鉛筆彫刻の一番難しいところは、途中で鉛筆の芯が折れてしまうこと。

どんなに長い作品、難しい作品でも完成直前で折れてしまえば最初から作り直さなければなりません。

折れないように細心の注意を払いながら作業を続け、完成したときの喜びは他に変えられないものがあります。

また、漢字の形に削るときは、初めて削る文字の場合が多いです。

初めて削る文字だと、どうやって削るかを考えるところから始まります。

そうやって考えてから削り始めて、実際に作品として完成させた時も同じようにやりがいを感じます。

逆につらいな、大変だな、と思うことはありますか?

依頼された作品の場合は納期があるので、納期に間に合わせることにプレッシャーを感じます。

また、一発勝負で削らなければならない場合も同様に、プレッシャーとの戦いです。

スケジュールは余裕を持って立てるのですが、折れてしまったら最初から作り直しです。作り直して間に合う場合はいいのですが、作り直していたら間に合わない可能性もあります。

幸い今まで納期に遅れたことはありませんが、いつもかなり意識を向けている部分ではあります。

鉛筆彫刻家としての目標

今後、鉛筆彫刻家の活動を通して目指していることを教えてください。

鉛筆彫刻で“ギネス記録に”挑戦したいと思っています。

ギネス記録に挑戦と言っても、現在ギネス記録には鉛筆彫刻の記録はありませんので、新たに登録することから始めるのですが…。

以前、ギネスの基本となる記録として、鉛筆彫刻で削った鎖の輪の数が26個と提示されました。実は、私自身鎖の輪の数を26個作成できるため、記録自体はクリアしているんです。

しかし、ギネス記録として申請するためには、ギネスの認定員の前で削らなければ記録として認められません。もしくはカメラ等で作業を最初から最後まで記録しなければなりません。

ただ作品をつくるだけではなく、同時に作業の証人も確保しなければならないことから、ギネス記録に挑戦するハードルが高いのです。

そのハードルの高さが現れた出来事として、地元のテレビ局に協力をお願いしたとき、ギネス実現には至れず…だからこそ、いつか鉛筆彫刻の記録をギネスに載せたいと考えています。

なぜ、そこまでしてギネスの挑戦を目指しているのでしょうか?

鉛筆彫刻には絵画や他の彫刻等と違ってコンテストや大会といった物がありません。

“記憶には残る”かもしれませんが、“記録としては残らない”んです…

そういった意味、唯一“記録として残せる”手立てがあるのは、ギネスの登録だと思っています。

なので、私のこだわりでしかありませんが、ギネス記録に載ることが目標です。

好きを仕事にしたい人に向けてメッセージを

最後に、好きを仕事にしたい方へメッセージをお願いします。

好きなことはやり続ければどこかに仕事のチャンスが転がっていると思っています。

私が鉛筆彫刻を始めたとき、鉛筆彫刻家という仕事はありませんでした。

しかし、削り続けて、作品を発信していくうちにファンが増え、ファンがお客様となり、鉛筆彫刻家として仕事が舞い込んでくるようになりました。

好きなことを仕事にできることはとても楽しいと感じます。

しかし、私のように最初は好きなことが仕事としてない場合もあります。

ただ、続けていけばどこかにチャンスは転がっています。続けずに辞めてしまうと、そのチャンスを掴むことはできないでしょう。

なので、まずは好きなことを挑戦し続けてみてください。

山崎さんお気に入りの鉛筆彫刻作品3選

1.チェーン
鉛筆彫刻の中でも一番難しい作品で、見た人が一番驚いてくれる作品です。

2.アルファベット26文字
1本の鉛筆に削る文字としては一番多い作品です。

3.合格
プレゼント等で一番多く使っていただいています。

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