契約社員は副業できる? 会社にバレない方法は?
結論から言えば、「法律では禁止されていないが、会社の規則による」が答えです。
じつは契約社員・正社員の関係なく、副業は法律上で禁止されていません。
一方で、会社の就業規則で「副業禁止」と明記されている場合も多く、トラブルを避けるには上司や人事部などに確認することが望ましいです。
しかし、「それでも副業をしたい」と考えている契約社員の方も多いと思います。
この記事では、契約社員の副業について法律や社会保険・税金の面から詳細に解説。
会社にバレにくい副業の方法も紹介していきます。
契約社員は副業できる?法律は?
契約社員の副業は、正社員と同じく禁止されてはいません。
ただし、就業規則で副業を禁止している会社は7割あるという統計もあり、実際に副業が認められているとは言い難いのが現状です。
この章では、契約社員の副業について、法律面と就業規則の面から解説します。
契約社員の副業は法律では可能
契約社員の副業は法律で禁止されていません。
実は、公務員以外は正社員も法律上、副業を禁止されていないのです。
さらに最近の流れとして、政府は副業・兼業を推し進めています。
厚生労働省による「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、副業について以下の記述がみられます。
自身の能力を一企業にとらわれずに幅広く発揮したい、スキルアップを図りたいなどの希望を持つ労働者がいることから、~(中略)その希望に応じて幅広く副業・兼業を行える環境を整備することが重要である。
つまり、副業・兼業が可能な環境を会社が整備することを、厚生労働省は推奨しています。
ただし、注意点があります。
上記のガイドライン内には、以下に当てはまる場合には企業が副業を制限できると記載があります。
労務提供上の支障となる場合、企業秘密が漏洩する場合、企業の名誉・信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合、競業により企業の利益を害する場合
上記に当てはまることを理由に、会社が各自で就業規則を作成する際に「副業禁止」を盛り込むことも多々あるのが実情です。
契約社員も就業規則の副業規定は正社員と同じ、としている会社が多いようです。
それでは、就業規則で副業を禁止している会社はどの程度あり、これを無視して副業を行った場合に罰則があるのか、実際のところを見ていきます。
就業規則で副業禁止の会社は7割
リクルート「兼業・副業に対する企業の意識調査(2018)」より作成
上の図の通り、副業を禁止している会社は7割で、多くの会社で副業が認められていないことがわかります。
契約社員も、会社と直接雇用契約を結んでいるため、同じ就業規則を適用する会社が多いです。
契約社員が副業禁止の理由は3つ
正社員だけでなく、契約社員についても副業を禁止している会社が多いのはなぜでしょうか。
理由は3つあります。
過重労働を防ぐため
平日は本業、土日は飲食店でアルバイト、といった生活を送っていると休みを取れず睡眠不足や体調不良になることもあります。
このように、契約社員が働きすぎで本業に支障をきたす懸念があることが、就業規則で副業を禁じている理由の一つです。
また、雇用されて副業を行う場合に注意すべき点として、労働時間は合算されることを知っておきましょう。
労働基準法第 38 条では「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する」と規定されており、「事業場を異にする場合」とは事業主を異にする場合をも含みます。
労働基準法では、1日当たり8時間、1週かな足り40時間を超える労働には時間外手当を支払うことになっています。
したがって、A株式会社で日中8時間仕事をした後、飲食店Bで2時間アルバイトをした場合、飲食店は2時間について時間外手当分を割り増しした給与を支払う必要があるのです。
労働基準監督署などから本業の会社へ連絡が入り、迷惑がかかることになりかねないので注意が必要です。
本業の会社の機密情報漏洩を防ぐため
競合の会社などで副業をしてしまうと、会社の重要な機密情報が漏れてしまう恐れがあります。
会社の評判が落ちる可能性があるため
風俗業やギャンブル関連などで副業をしている社員がいることを世間に知られた場合に、会社の信用が堕ちてしまう可能性があります。
このように、会社が副業を認めるにはリスクが伴うこともあり、副業を認める会社はまだ一部にとどまっています。
それでは、契約社員が就業規則を守らずに副業し、会社に知られた場合には罰則などはあるのでしょうか。
副業が会社にバレると解雇もあり得る?
就業規則を守らずに副業をした場合、最悪の場合にはクビもあり得ます。
ただし、解雇になるのは本業に支障をきたし、悪質な場合に限られるようです。
実際に、裁判で副業していた社員の解雇が無効になっています。
国際タクシー事件の判例
- 原告はタクシー会社に勤めながら父の配達業を手伝い、月収6万円を得た
- タクシー会社は原告を懲戒解雇
- 裁判所は解雇を無効と判断
解雇を無効とした理由は次の通りです。
営業、業務管理等に具体的な悪影響を与えた旨の疎明のないことをあわせ考えると(中略)
懲戒解雇まですることは、債権者の蒙る不利益が著しく大きく、解雇権の濫用として許されないところというべき
労働基準判例検索より
この判例は正社員についてですが、契約社員についてもあてはまります。
したがって、本業によほどの悪影響を与えると考えられない限り、副業による懲戒解雇は考えにくいと言えます。
契約社員が就業規則を破って副業した場合に考えられる、解雇以外の懲戒としては以下のようなものが挙げられます。
- けん責:始末書を書かせる
- 減給:給料を減らす
- 出勤停止:出勤を停止し、その間の給料は払われない
ただ、上記のような処分がされると、当然社内の人にも知られてしまい、気まずい思いをすることになります。
また、契約社員は有期雇用なので契約期間が終わって更新されなくなってしまうことも考えられます。
上記のような事態を防ぐには、就業規則を確認し、念のために上司や人事担当に聞いておくことが望ましいでしょう。
親族の病気などでまとまった資金が必要など、やむを得ない事情があれば副業を認めてくれる場合もあります。
契約社員が副業で会社にバレにくくするには
これまで述べた通り、契約社員が副業ができるか否かは、法律上での禁止はされておらず会社の規定次第です。
しかし、副業をしていることを会社にどうしても知られたくない方もいらっしゃると思います。
この章では、会社に副業をバレにくくする方法と、バレにくい副業の選び方について解説します。
住民税・雇用保険・社会保険について知っておく
- 住民税:所得に応じて給与天引き
- 雇用保険:週に20時間以上31日以上働く場合に加入が必須
- 社会保険:健康保険など条件を満たす場合に加入が必須のもの
副業が会社にバレるのは上記の3つが関係することが多いです。
特に住民税は、所得に応じて給与から天引きされ、副業で所得が多いと住民税が多くなり、会社で発覚することが多いです。
副業を確定申告する際に、「普通徴収」を選び、給与から天引きされないようにしておくことで発覚を防げます。
副業の税金や保険に関しては、以下の記事でより詳しく解説しているので参考にして下さい。
契約社員も副業に関しての税金や保険で気を付ける点は正社員と同じです。
正社員の副業は禁止?その理由とバレにくい方法【税金・保険をわかりやすく】
副業していることを誰にも言わないこと
副業をしていることを会社の人に言ってしまい、人事から呼び出されてしまった。
このようなケースも多いようです。
臨時の収入があると嬉しくて人に話したくなってしまうものですが、会社にバレたくない人は誰にも話さない方が良いでしょう。
また、飲食店など人目に付く場で働くと、会社の人とばったり会ってしまうこともあり得ます。
以下で紹介するような在宅でできる副業がおすすめです。
在宅副業で個人事業主として働くとバレにくい
在宅で稼げる副業で、個人事業主として働けるのは以下のようなものです。
- アフィリエイト
- ネットオークション
- フリマ
- ハンドメイド作品の販売
- 原稿料
- FX
自宅ででき、時間の制約もないことと、個人事業主なので雇用保険や社会保険が発生しないことなどから、会社にはバレにくい副業と言えます。
なお上記の副業でも、所得が年間20万円を超える場合には確定申告が必要です。
副業で株の取引をする場合は、特定口座(源泉徴収あり)で取引している場合には確定申告が不要です。
利益が発生するたびに証券会社が税金を代わりに徴収して収めているからです。
税金や保険から会社にバレにくい副業を選びましょう。
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契約社員は副業できる?まとめ
契約社員は副業は法律上禁止ではありません。
しかし、就業規則で禁止されている場合には上司や人事に確認を取った方が無難です。
本業にあまりに支障をきたして悪質というものでなければ、解雇になることはまれですが、契約社員という性質上、会社にバレてしまうと更新してもらえなくなることも考えられます。
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