貿易の仕事は価値観の違いからトラブルが多発する
私は、貿易事務の仕事を3年ほど経験しましたが、とても刺激的な仕事であったと思います。
海外との仕事は、日本の常識では考えられないトラブルが起こるため、上司と頭を抱えることも多くありました。
今回は、私が実際に経験したトラブルなどについて紹介します。
日本との感覚の違いの例
■納期の考え方
日本では、仕事の期日はきちんと守る事は当然だと考えますが、海外の会社からの支払いが遅れることも1度や2度ではありませんでした。
■外食するときのお店
バイヤーと一緒に食事に行く機会もありましたが、宗教上食べられないものなどに配慮して外食先を選ぶ必要などもありました。
■踊りだすバイヤー
商品を置いている場所ではラジオが流れており、曲がかかると踊り出すバイヤーもいました。
■モノに対する価値観
もっとも感覚の違いに驚いたことは、買い付けのため長期間滞在するバイヤーに自転車を提案したところ、そのバイヤーの国では貧しい人の乗り物ということで、提案を拒否されたこともありました。
実際に経験したトラブル
貿易の仕事をしていると、想像もできないようなトラブルも多々ありました。
ここでは、私が実際に経験したトラブルについて紹介します。
契約者(代表者)が亡くなる
なかなか契約したのに支払いがされず、契約者に確認すると本人ではないという人から「契約者が亡くなったのでわからない」という連絡があったことです。
偶然と思われるかもしれませんが、何度も契約者が亡くなるということが起こっていました。
事故現場の生々しい写真が送られてくる
私が働いていた会社では、中古の自動車部品を扱っていたため、お客様から「ここが壊れたから部品が欲しい」とのメールに壊れた部分を写した写真が添付されていました。
しかし、添付された写真は、事故処理もされていない現場の写真であったため驚いたことがありました。
日本では、事故の報道でもケガ人などは写っていないため、感覚の違いを感じる出来事でした。
バイヤー同士でのケンカ
日本では、欲しい商品があっても予約されていれば諦めることが一般的です。
しかし、海外のバイヤー同士で欲しい商品が被ったために殴り合いのケンカが起こったことがあります。
ケンカ後に、ケンカした本人と接する際はハラハラして怖かったことを覚えています。
詐欺
海外から小切手で支払いが行われ、日本の銀行で処理を終えて支払い完了となったのですが、後日銀行から小切手が無効であるため返金をしてほしいとの連絡がありました。
支払いに使用された小切手が偽造だったのです。
現在はわかりませんが、海外からの偽造小切手は珍しくないと聞いたことがあります。
定時に終わることがなかなかできない
海外とは時差があるため、定時後に海外から急ぎで対応してほしいと言われ、遅い時間まで対応することも多くありました。
また、コンテナに積み込む作業をした日は、定時を過ぎても積み込み作業が終わらない日もありました。
積み込んだ当日に商品のリストなどの書類を作成していたため21時、22時まで残業する日も珍しくありませんでした。
考え方も習慣も異なる国の方と仕事をするため、トラブルが発生しやすい部分はあるでしょう。
そのため、相手の文化などを理解することで、起こりやすいトラブルを事前に予測し減らすことで働きやすくなると思います。