花屋の仕事で印象に残っているエピソード
花屋の店舗販売は接客業であり、毎日色々な方と関わりがあります。
今回は私が仕事をしていた時に特に印象に残っているエピソードを紹介します。
エピソード「亡くなったペットへのお供え花 」
私が生花店で勤務していた際に、閉店間際に1人の男性のお客様がいらっしゃいました。
男性のお客様は生花店では女性のお客様に比べて割合が低いです。
そのお客様のオーダーは「愛犬が亡くなったので、お供え花を作ってほしい」というものでした。
亡くなったご家族や親しい方へ贈る花には様々なルールがありますが、なにより大切なことは送る方の気持ちだと思います。
私は男性から亡くなったご家族に対するイメージや気持ちなどを聞きながら、アレンジメントを作成しました。
完成したアレンジメントを持ち帰る際にお客様は涙ぐみながらお礼をしてくださり、忘れられないエピソードとなりました。
エピソード「告白をするお客さま」
生花店ではプロポーズや告白に花束や一輪の花を購入されるお客さまが多くいらっしゃいます。
バラ100本を購入される方や、お相手の好きな雰囲気で花束をご希望される方など様々です。
私が印象に残っているお客さまは、毎週一輪のバラを購入してデートに出掛けられる男性のお客様です。
毎週ご来店されると、お相手との進捗をお話してくださり、一緒に花を選びながら恋愛相談など普通の接客業では中々体験できない経験をすることができました。
エピソード「コロナ禍でのお客さま」
2019年末から世間を騒がせたコロナウイルスの影響は生花店にもとても大きいものでした。
「生活必需品」である業種以外は休業を求められた緊急事態宣言の期間は花屋では一番の繁忙期である「母の日」のシーズンにおけるものでした。
店舗が休業ということもあり、私が勤めていた店では配送によるお花のオーダーを受注し販売を行いました。
そんな中で、お客さまからのオーダーシートの中に「大変な状況の中お花を届けてくださりありがとうございます」といった言葉を書いてくださる方々がいらっしゃりとても温かい気持ちになりました。
緊急事態宣言が明けた後はお客様にお花のプレゼントを行うなど、コロナ禍でもお花を買って花卉業界を支えてくださるお客さまへの感謝を伝える事業を行ったりしました。
生産・小売側とお客さま全員がお花を好きだからこそ成り立つ業界であるとコロナ禍で再認識することができました。
生花店での店舗販売の仕事は接客業です。
接客業の中でも生花店に訪れる方には理由がお一人おひとりにあります。
大切な人の誕生日や記念日・誰かへのプレゼントや自分へのご褒美。そして亡くなった方へのお供え花など様々です。
お一人おひとりに合わせたコミュニケーションを取り、ニーズを理解することがより良いフローリストといえます。