「フェーズ」とは
ビジネス用語としてよりも学術用語として耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
今回はこの「フェーズ」についてお話ししたいと思います。
「フェーズ」の意味は
「フェーズ」は英語「phase」のことです。以下のような意味があります。(研究社・新英和辞典より)
・(変化するもの・状態が目または心に映る)相,様相,面
・(変化・発達過程の)位相,段階,局面,時期
また、物理や医学の分野、天文などでも「phase」は使われ、その分野独特の訳語が用意されています。
そもそもphaseはギリシャ語の「現れること」に由来しているので、英語でも使われる分野により多少意味が異なりますが、総じて変化や状態の移ろいに対する位相や面、見地などを示すようです。
どうして「フェーズ」というの?
なぜ日本語で言わずに「フェーズ」というのでしょうか?
一番に挙げられる理由は、学問や産業の国際化です。
英文の参考文献やビジネス文書、学術書にPhaseが頻発されていることが考えられます。
カタカナ英語を発音通りに記載する場合、たいてい元の英語の意味が多様であり、その分野でピッタリとした、ともすれば難解な日本語を選ぶよりも、カタカナ英語で「フェーズ」と表現することで、相手に理解してもらったほうが良いようです。
国際化が進んだ現在では、こうしたカタカナ英語を使った方が双方にとって誤解なく通じるということがよくあります。
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ビジネスで「フェーズ」をよく使うのはなぜ?
ビジネスでこの言葉を積極的に使うようになったのは、ひとつにはその言葉の意味の多様性にあります。
例えばある商品が世に出るまでのことを考えてみましょう。
多くの部門が関わっており、スケジュールひとつとってみても、多部門のスケジュールが糸に縒り(より)をかけるように重なっています。
ひとつの工程に多くの人が多面的に関わっているからこそ、それがひとまとまりであることを示すために、「フェーズ」という言葉を使うのです。
「フェーズ」を使った具体的な会話
それでは、「フェーズ」はどのように使われるのでしょう? 具体例をみていきましょう。
「フェーズ」を使った会話例1
「治験においては以下の3つのフェーズで確認が必要です。」
新薬は厚生労働省の承認をうけるため、ヒトに使用した場合の有効性・安全性を確認しながら開発を進めます。
この場合、フェーズは「段階」や「見地」としての訳語が適切と思われますが、この業界の人達にはおそらく「フェーズ」の方がわかりやすいのでしょう。
「フェーズ」を使った会話例2
「このフェーズでさらにこのオーダーをかけるとは、無茶としか言いようがないな」
どうやら研究か開発の進行状況をフェーズで表しているようで、終盤に向かいつつある段階で無理やりなオーダー(注文、条件)がついたようです。
この場合の「フェーズ」は「局面」や「段階」、「時期」が適切と言えそうです。こちらも、その業界では違和感なく使われているので、特に翻訳する必要はないでしょう。
この記事のまとめ
「フェーズ」は使われる業界によって特殊な翻訳がある以外はおおむね「局面」や「段階」が適語であるということがわかりました。
むしろ、日本語にわざわざ訳すよりは、「フェーズ」と言った方が通じやすい言葉ともいえるでしょう。
ビジネス用語はまさに生きものです。今使われている言葉でも、突然使われなくなったりすることもあり得ます。
現場でのトレンドをつかみ、その分野ではどういう意味で使われているのかをしっかりと見極めて行くことが大切です。
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