「テレコ」とは
国語事典では『「テープレコーダー」の略』として載っています。
でもこれ、テープレコーダーの略語などではなく、れっきとしたビジネス用語なのです。
ここでは「テレコ」の意味と使い方をご紹介したいと思います。
「テレコ」の意味は
「テレコ」は英語ではありません。意味は以下の通りです。
1. 互い違い、食い違い
2. 入れ違い
3. あべこべ
じつは「現状に手を加え、良い状態に整えること」の意の「手入れ」という言葉に、状態を示す接尾語「こ」を付けた「ていれこ」が「てれこ」となったもの、というのが有力視されています。
「テレコ」の語源は?
そもそもの言葉の由来は歌舞伎。「てれこ」はもともと二つの異なる狂言に多少関連を持たせつつ一つの脚本にまとめ、一幕おきに交互に進行させることを言います。
この言葉は関西の方言で「互い違い」の意を示す言葉でもあり、その点ではほぼ歌舞伎の「てれこ」と同じ意味を示します。
また同じ芸能関係として、歌舞伎以外に芸人の楽屋言葉として通用し、さらに全国的に広まりました。
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テープレコーダーの「テレコ」も語源か?
先に出て来た「テープレコーダー」の略語「テレコ」。
テープレコーダーを現代の若い人たちがどれくらい知っているのかさだかではありませんが、かつてカセットテープのA面とB面を入れ替えるためにひっくり返したことから、この言葉も「てれこ」の由来とされていたようです。
しかし、年々「テープレコーダー」の認知度が低くなっている今、これを由来とする説はいよいよ危ういものになってきています。
「テレコ」の類語は?
「テレコ」の類語として真っ先に浮かぶのが「いれこ」という言葉です。
国語事典に掲載されている「いれこ」ではなく、遠州弁の「いれこ」には、「てれこ」と同じで「入れ違い」「あべこべ」「逆」の意味があります。
「ていれこ」が「てれこ」になったのなら、「ていれこ」の「て」が欠落して「いれこ」になったと考えてもいいのではないのでしょうか。
いずれにしても「てれこ」も「いれこ」も辞書には載っていない言葉だけに、慣例で使っているのに従うほかありません。
「テレコ」を使った具体的な会話
それではさっそく「テレコ」を使った具体的な用例を見て行きましょう。
「テレコ」を使った会話例1
「この数字、この箇所とこの箇所がテレコになってます。」
数字の並びでよくあるのが、前後を取り違えて入れてしまうこと。この例文でも数字の並びで取り違えがあったようですね。
「テレコ」を使った会話例2
「この商品、箱とテレコだよ。確認してよ」
スニーカーなのでしょうか、販売商品の箱と商品とが合わないことを行っているようです。
この場合の「テレコ」は「入れ違い」ですね。
「テレコ」を使った会話例3
「うちらと先輩、出演順がテレコだよ。楽屋まで人が呼びに行かないから、舞台袖で待ってないと。」
どうやら何かの出し物で出演順が逆になっているようです。ここでの「テレコ」は「逆」、もしくは「あべこべ」という意味でしょう。
この記事のまとめ
「テレコ」の使い方、お分かりいただけましたか?
ビジネス用語、とはいえ方言からの転用という側面もあってか、少なくとも公的な文書で使用することはできないようです。
その響きから英語と間違われますが、れっきとした日本語である上に、口語的な要素が強いこともわかりました。
それにしても、関西地方の方言が全国的になっているなんて、全く知りませんでした。意外に思った方もいらっしゃったのでは無いでしょうか。
このように、ビジネス英語は使われる言葉が多様であることも特長です。
由来を知ると、さらに親しみが湧くというものです。
大切にしていきたいものですね。
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