経営計画とは
経営計画とは企業経営戦略とも言われ、企業が将来に向けて目指す経営方針と行動を明確に表現したものです。
経営計画がずさんであれば、経営は不安定になります。経営計画は企業とその社員の命運を握っているのです。
客観的な状況を前提に作成
経営計画は企業が目指す目標や方針、行動計画、評価などです。
こうしたいという意思を決定し、さまざまな業種、部門の目的に応じて予算を組みます。
経営計画には、1年の短期計画もしくは数年単位の中期計画など、期間が異なるものがあります。
21世紀の企業は、技術革新やテクノロジーの進歩の影響を大きく受けています。
経営計画を作成するには、そのような客観的な状況を前提にして作成しなければなりません。
経営環境は激しく変化しています。それに対する迅速な対応が必要になり、リソース配分も適切に行われなくてはなりません。
「戦略的経営」と「業務執行」の2つに大別
組織的で力強い経営計画の概念は、この半世紀に米国や日本など、先進国を中心として目覚ましく発展しました。
グローバルな競争激化、情報通信革命、市場需要の多様化などが進み、これらに対応するビジネスモデルが盛んに取り上げられるようになっています。
近年行われている経営計画は、「戦略的経営」と「業務執行」の2つの計画に大別されるようになりました。
戦略経営計画は、多角化、新製品開発、事業撤退、合併など戦略的見地から見た計画です。
一方、業務執行計画は、日常業務を通じて、資源の有効利用を図りながら戦略的に実行する計画です。
こうした計画を立てるため、十分な情報と専門的スキルを集めた経営計画策定部門、つまり経営企画部や戦略経営室などが活躍することになります。
そこでは経営環境の変化や不確実性が原因で発生する不測の事態に対応するバックアップ態勢、つまり予備計画が重視されています。
それらは「コンティンジェンシー・プラン」「シャドー・プラン」「不測事態対応計画」といわれています。
20代で正社員への就職・転職
トヨタ自動車の経営計画は?
たとえばトヨタ自動車の経営計画を見てみましょう。トヨタは2017年を「私たちの3つの『意志』が本物かどうか試される年」としています。
不確実性が増すなかで、さまざまな変化が起こりうることを前提にして、経営基盤の強化に取り組みます。
事が起きてから対応するのではなく、どのような状況にあっても以下の3つの「意志」を試します。
・「もっといいクルマづく」による競争力強化。
・「未来への挑戦」に向けて、完成車事業の枠にとどまらない領域にも種をまく。
・そのための「経営基盤・財務基盤の強化」を実現します。
そして具体的には、「人づくり」「次世代リーダー」「トヨタらしいイノベーション」「志をつなぐ」ことを目指して、組織全体で行動します。
経営計画は全社員で共有
経営計画は社員全体で共有して、その実現に向けて社業を進めることが大切になります。
経営計画を共有するメリットとはどんなものか理解しておきましょう。
利益を上げる事業構造
ビジネス目的を達成するため必要な予算内容が共有されることによって、必要な売上高、損益など、利益を上げるためのビジネスモデルが全社員に見えてくる。
会社の抱える問題点が鮮明に
ビジネスが計画通り進まない原因となる、ボトルネックを素早く把握して、迅速に対応する態勢が取れる。
資金繰りの見通しを立てる
四半期ごとに業績が浮き彫りされて、次の四半期に向かう資金繰りの見通しが立ちます。それに伴って、金融機関からの信用が高まり、経営判断の誤りを回避できます。
社員が意欲的に
経営者と社員が同じ目的意識でまとまり、会社が利益を上げることが社員一人ひとりの利益になることが理解されます。
この記事のまとめ
経営計画は大企業に限定されるものではありません。個人企業や中小企業はなお経営計画にとっても必要です。
しかし、年間1億円から数億円の売上規模でも、しっかりした短期あるいは中長期計画を持つ動きが徐々に進んでいます。しっかりした経営計画は、企業にとって非常に大切なものなのです。
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