リーン生産方式とは

「リーン」とは贅肉を取り除くという意味があり、ムダを省くというニュアンスで使われています。

トヨタ自動車のかんばん方式が主体となって、海外に渡って進化を遂げたのがこのリーン生産方式です。いったいどういうものなのか、ここでご紹介していきます。





リーン生産方式のコンセプト

リーン生産方式は、製造業において作業効率性を特化し、従業員の積極性ある生産改善活動を目的としています。

これには「カンバン」「5S」「ジャスト・イン・タイム」という、見える化の推進やムリ・ムダ・ムラの排除、品質管理での歯止めとなる標準化の設定、生産効率化など、トヨタ自動車を中心とした日本のモノづくりにおける管理手法が手本となっています。

リーン生産方式の歴史

1980年代にマサチューセッツ工科大学(MIT)で行われた、アメリカと日本の自動車産業の比較研究において、徹底的に検証が行われました。

この研究で注目されたのが、トヨタ生産方式と呼ばれる、ジャスト・イン・タイム生産システムです。

これは必要な部品を、必要な数だけ、必要なときに供給するというシステムで、徹底的にムダを排除した考え方といえます。

研究ではムダに注目し、人体に見立てて「贅肉がない状態」(リーン)で生産活動を行うことを目指し、その英単語からリーン生産方式として命名されています。

簡単にいうと「ムダを省いた生産システム」ということになります。

1990年代にはアメリカ製造業に浸透していき、リーン生産方式は2000年代に入ると日本へ逆輸入されるようになっていきます。

元々が日本で構築されたシステムということもあって、特に抵抗もなく受け入れられていきます。

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7つのムダとは?

日本や世界ではムダを省いた生産方式が構築されていますが、たびたび出てくる「ムダ」には、いったいどんなものがあるでしょうか。

トヨタ生産方式では7つのムダが有名です。ここでご紹介していきましょう。

・加工のムダ
・在庫のムダ
・造りすぎのムダ
・動作のムダ
・運搬のムダ
・手待ちのムダ
・不良・手直しのムダ

それでは順を追って説明していきます。

加工のムダ

加工は生産工程における全てを含み、機械加工・検査作業・溶接作業などで本来不要であるはずなのに、標準が定められてないので、必要以上に加工・作業してしまうことを指します。

在庫のムダ

前工程の材料や部品、仕掛品に完成品といった、現場にある在庫のことで、必要以上に存在している在庫に対して、理由を説明できないものは在庫のムダとなります。

造りすぎのムダ

一番やっかいなのがこのムダで、計画の見通しの甘さや管理面のチェックミスによるムダです。

在庫のムダにもつながり、造りすぎることによって、従業員が本来できていたはずの作業に支障をきたしてしまうのもムダとなります。

動作のムダ

標準作業が浸透しておらず、人によって作業効率に差が出てしまうムダです。

モノを探したり、狭いスペースで腕を伸ばしたりする動作などに対して、必要ないことをしていたり、近くにあるはずのものが無かったりして、作業効率にムダが生じることを指します。

運搬のムダ

3定(定置・定品・定量)にもつながりますが、必要以上のモノを移動したり、置いていたり、仮置きして通常作業スペースを邪魔したりするムダを指します。

手待ちのムダ

手待ちは作業することが無いので、生産性を生み出さないことからムダとなります。一概に前工程の材料待ちによるムダのことを指します。

不良・手直しのムダ

品質面の管理ができていないことから生じるムダで、不良品を廃棄したり、手直し品が増えて余計なコストをかけてしまいます。

気をつけたいのは、従業員の意識レベルが低下していると起こりやすいムダといえます。

これら7つのムダが現場に潜んでいると、原価率も上がり、従業員の意識も低くなって、生産効率が悪くなってしまいます。

この記事のまとめ

リーン生産方式はムダを極限に省いて作業効率を良くし、従業員が仕事に積極的になれるように特化していますが、そのためには現場に潜む7つのムダを徹底的に排除していく必要があります。

また、現場に潜むムダを見つけるために、ラインの「見える化」を図ることも大切なことです。

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