オズボーンのチェックリストとは

オズボーンのチェックリストとは

オズボーンのチェックリストは、マーケティング用語で「発散発想技法」と呼ばれるテクニックのひとつです。

チェックリストには発想の切り口となる問いがあり、それが商品やサービスなど企画に必要なアイデアを出すための手助けをしてくれます。

このテクニックを考え出したのは、多彩なアイデアを出す会議法として広く知られる「ブレーンストーミング」の考案者と同じ、A・F・オズボーンです。

著書「YOUR CREATIVE POWER」で発表され、その中から9つのリストにまとめられたものが「オズボーンのチェックリスト」として知られています。

類似の手法には「属性列挙法」「5W1H法」「SCAMPER法」などがあります。

オズボーンが考案した発想法。9つのチェックリスト

オズボーンのチェックリストには、9つの質問があります。企画やテーマに対してこれらの質問を投げかけることで、アイデアを引き出していきます。

１．転用(Put to other uses)

新しい使い方はできないか？
改善・改良を加えて他の使い道はないか？

2．応用（Adapt）

他に似たものはないか？
お手本にできる（借りられる）ものはないか？

3.変化（Modify）

変えられないか？
意味、色、音、動き、順番、形などを変えるとどうなるだろう？

4.拡大（Magnifty）

増やすことはできないか？
サイズ、強度、時間、頻度、高さ、長さ、重さなどを大きくするとどうだろう？

5.縮小（Minify）

減らすことはできないか？
サイズ、強度、時間、頻度、高さ、長さ、重さなどを小さくするとどうだろう？

6.代用（(Substitute）

代用できないか？
代わりの誰かはいないか？
素材、プロセス、場所、方法など代わりの手段はないか？

7.置換（Rearrange）

入れ替えられないか？
配置、順番、要素などを置き換えるとどうなるだろう？

8.逆転（Reverse）

逆にできないか？
役割、方向、順序などを反対にするとどうなるだろう？

9.結合（Combine）

組み合わせられないか？
目的、機能、アイデアなど他のものと合わせるとどうなるだろう？

「オズボーンのチェックリスト」使い方と事例

実際にはどのように使われるのでしょうか。使い方や事例を見ながら、オズボーンのチェックリストの活用方法を探ってみましょう。

使い方

（1）テーマを決める
（2）9つの質問すべてに回答していく（アイデアを出していく）
（3）良さそうなアイデアをピックアップし、企画案を作る

ポイントは、深く考えすぎずに思いついたものを次々と出していくこと（＝発想を広げる）。

すべて出し切ったあとに、実現できるかどうかなどを考えていきます（＝発想をまとめる）。

事例1：転用

写真フィルムで有名な精密化学メーカーは、デジタルカメラの普及によって縮小を続けるフィルム市場に大きな危機を感じていました。

そこで写真フィルムの主成分であるコラーゲンに着目。独自技術を用いた化粧品開発に取り組み、新しい分野に活路を見出しました。

事例2：逆転

業績低迷で存続の危機に陥っていたテーマパーク。来場者数増加のためには新しい仕掛けが必要でしたが、乗り物を新設する予算はありませんでした。

そこで考えたのは、既存のジェットコースターを後ろ向きに動かすこと！これが話題となり、その後の業績回復に大きく貢献しました。

チェックリストの活用にはアプリが便利

オズボーンのチェックリストは、複数人でも一人でも使えます。

何人かでアイデアを出す場合には、ホワイトボードや紙に書き出したり、パソコンの画面をスクリーンに映し出したりすると全員が見やすくアイデアも出しやすいでしょう。

一人で考える場合には、スマホアプリが便利です。手軽にできるので、移動時間などを活用して考えを書きとめておくことも可能です。

この記事のまとめ

オズボーンのチェックリストはさまざまなシーンで活用でき、明日からでもすぐに使えるやさしいテクニックです。

アイデアが出なくて困ったときや、今あるアイデアをもっと高めたいときにぜひ使ってみるとよいでしょう。