デイサービスで働く生活相談員の1日の流れ
介護職員と違い、生活相談員は業務内容が明確に決められていません。
ですから、同じ生活相談員であっても、他事業所の生活相談員がどのように働いているか意外と知らないものです。
わたしも今の法人以外の介護施設で働いたことがないので、他の施設の生活相談員がどのように働いているのか、実際のところあまりよくわかっていません。
そこでここでは、わたしが働くデイサービスにおける生活相談員の1日の流れをお伝えしたいと思います。
これから生活相談員で働こうとしている方や、他の施設の生活相談員の働き方に興味があるという方の参考になればうれしいです。
朝礼(8:30〜)
地方在住のわたしは、毎朝車で約30分かけて出勤しています。
日曜、祝日はお休みのデイサービスが多いですが、わたしのデイサービスは年中無休なので、生活相談員もシフト制で土日祝日関係なく働いています。
制服はポロシャツにジャージで、介護職員や看護職員も同じ服装で働いています。
出勤して事務所内のそうじや仕事の準備を済ませたあと、職員全員で朝礼を行います。
「本日、はじめてデイサービスをご利用される△△さんがいらっしゃいますので、よろしくお願いします。」
申し送りする内容はこんな感じです。
朝の送迎(8:45〜)
朝礼が終わるとすぐ、デイサービスご利用者の送迎に出ます。
ご利用者のお宅を送迎車で回って、施設までお連れする業務です。
送迎は、生活相談員の他に介護職員、事務職員で手分けして行っています。
朝と夕方、所要時間はそれぞれ1時間程度です。
ご利用者へあいさつ(9:45〜)
デイサービスに来られたご利用者にあいさつをして回ります。
たかがあいさつと侮ってはいけません。
雑談の中から悩みや困りごとの相談に発展することもありますので、非常に重要な業務です。
翌日の送迎リストの作成(10:30〜)
「△△さんは火・木/週でデイサービスご利用。」
といったように、ご利用者がデイサービスに来る日は、基本的に曜日で決まっています。
しかしながら、通院等のご用事でお休みされる方だったり、別の日に振替利用される方だったりもいらっしゃるため、曜日ごとに毎日同じご利用者というわけにはいきません。
ですから、送迎ルートがその日その日で変わります。
うちのデイサービスでは生活相談員が送迎のルートを考えて、送迎リストの作成を毎日しています。
送迎リスト作成の所要時間は、40分~1時間といったところです。
この送迎リストは、何もなければ午前中のうちに作ります。
しかし、午前中に担当者会議や契約といったルーティン外の業務が入ることもありますので、場合によっては作成が午後にずれ込むこともあります。
サービス利用実績の入力、管理(11:30〜)
専用のソフトにデイサービスご利用者の利用実績を毎日入力し、管理をしています。
当日の実績を当日のうちに入力しようとすると、就業時間を過ぎてしまいますので、前日の実績をこの時間に入力しています。
所要時間は30分程度です。
午前中にルーティン外の業務が入れば、送迎リスト作成業務と同様にこの業務も午後にずれ込むことがあります。
お昼休憩(12:30〜13:30)
生活相談員の他に事務職員やケアマネジャーなど、事務所内の職員で、11:30~12:30と12:30~13:30の2交代でお昼休憩に入ります。
午後の業務(13:30〜)
先に述べた通り、生活相談員は毎日必ず行うルーティン業務の他に、多くのルーティン外業務があります。
午後の時間は主にこのルーティン外業務を行っています。
これらルーティン外の業務は突発的に発生するものが多いので、あらかじめ組んだスケジュール通りに進むことは少ないのが現状です。
主なルーティン外業務は、以下の通りです。
利用者の初回面談、面接調査表作成、契約
ケアマネジャーから利用依頼があったときには、ご利用者宅を訪れて本人、家族と初回面談をします。
面談時間はだいたい30分~1時間程度です。
ご利用者や家族との面談が終わったら、面接調査表というものを作成しています。
ご利用者のお体の様子や病歴、介護状況などをまとめたものです。
介護職員にご利用者の情報を伝えるのが目的なので、面接調査表はわかりやすく簡潔に、ポイントを押さえて作成します。
契約の際には、重要事項を説明したり1日の流れや持ち物を説明しています。
契約に要する時間は、およそ1時間程度です。
書いてもらわなければならない書類がとても多いので、ご利用者自身が書く場合は結構大変です。
通所介護計画書の作成
サービスの利用開始に当たって、デイサービスで提供するサービス内容を記した通所介護計画書というものを作成します。
作成した通所介護計画書は、ご利用者本人や家族の同意を得て、その内容に沿ってサービス提供しています。
ご利用者へのサービス内容が変更となる場合や、ケアプランが変更となる場合には、その都度作成し同意を得る必要があります。
サービス担当者会議への出席
介護保険の更新時や、ケアマネの作成するケアプランの更新時に行われる担当者会議へ出席します。
ご利用者のデイサービスでの様子をお伝えし、情報の共有と支援方法の確認を行います。所要時間は30分から1時間といったところです。
営業会議への出席
うちのデイサービスでは、月に1回、経営陣との営業会議を行います。
経営陣の生活相談員に対する評価軸は、利用者が多いかどうか(=お金が儲かったかどうか)です。
ですので、毎月の利用者数の推移や、どのような営業を行ったかなどを報告しています。
お金の話なので、内容は結構シビアです。メンタルが鍛えられます(笑)
サービス実績報告書の作成
月末月初の業務です。
デイサービスご利用者の利用実績を月末で締めて、翌月の頭にケアマネジャーへサービス実績報告書を渡します。
この報告書を作成しないと、保険者からの介護報酬をもらうことができなくなるので、かなり重要な業務です。
モニタリング報告書の作成
ご利用者のデイサービス利用時の様子を、モニタリング報告書として毎月ケアマネジャーへ渡しています。
この報告書は月末にならないと作成できないので、サービス実績報告書の作成とモニタリング報告書の作成のおかげで、月末月初は2~3時間の残業になることが多いです。
ご利用者の急変時対応
転んで骨折してしまったり、急に意識が消失してしまったりなど、デイサービス中のご利用者の急変はつきものです。
また、急変とはいかないまでも、「熱が出たので病院受診をお願いしたい」というときがあります。
そんなとき、生活相談員は家族へ連絡をして病院受診を依頼したり、救急車の要請をしたりなどします。
相談、クレーム対応
ご利用者やご家族から相談を受けたり、クレームをもらったりすることがあります。
その際、生活相談員は相手のお話を聴き、問題を解決していきます。
簡単に解決することができる相談・クレームもあれば、すぐに解決するのが難しい相談・クレームもありますので、一律同じ対応というわけにはいきません。
ひとつひとつの相談・クレームにきちんと向き合うことが必要です。
その他雑用
その他にも、例えば蛍光灯の交換や備品の補充、設備の修理や業者への取次ぎなど、デイサービス内に関する諸々の雑用もこなしています。
夕方の送迎(16:30〜)
朝の送迎でお連れしたご利用者を、今度は自宅までお送りします。
申し送り(17:20〜17:30)
夕方の送迎から戻ってくると、スタッフ間の申し送りを行います。
デイサービスの営業中に起きた特記事項などを申し送り、スタッフ間で共有します。
生活相談員はその日行った担当者会議の内容や、ケアマネジャーから連絡を受けた事項、利用者や家族からいただいた要望などを、このときに伝達しています。
以上が、わたしの働くデイサービスにおける生活相談員の1日の流れです。
ある程度流れが決まってはいるものの、ケアマネジャーからの急な相談や利用者の急変など、イレギュラーなことが多く、スケジュール通りに仕事が進まないことがほとんどです。
突発的な仕事が入っても慌てることなく、柔軟にタイムマネジメントをする対応力が生活相談員には求められると思います。