魅力的な介護士になるのに「本を読む」ことが大切な理由
介護の仕事を考えている人、そして現在介護の仕事をしている人が、できれば身につけておきたい、たった一つの習慣を、デイサービスの管理者・えれふぁんが提案します。
「毎朝、本を読もう」
介護は多くの人と接する仕事です。
利用者さんと直接接することのほか、その家族と深く関わりますし、チームで仕事をするので職員同士との関わり、他職種との関わりも日常的に行われます。
利用者さんについては、自分よりほぼ100%年齢が上で、人生経験が豊富です。
また、その人の人生の後半~最期に寄り添う仕事なので、その人の人生全体を知ることも日常的にあり、深いお付き合いとなることも多いです。
そして、利用者さんはもちろん、そのご家族なども含めて表面的なお付き合いはできないのです。
その人の人生の伴走者になろうとすれば、自分自身が深みのある、魅力的な人間でいることが大切です。
相手に認められて、初めて寄り添うことが許されるのです。
さて、魅力的な人間でいるために、私たちは日々「自分磨き」をしていく必要がありますが、では、どんな人が「魅力的な人」と思われるでしょうか。
私は、たくさんの経験をし、たくさんの智慧を持っている人だと思います。
今まで生きてきた中で多くの苦労をし、喜びや悲しみを経験している人に、魅力や人間的な深さを感じます。
年齢だけ重ねても、心が動く経験をしていない人には、そのようなものを感じません。
しかし、人が一生のうちに経験することは限られます。
また、私たちが接する利用者さんと比べて経験が少ないことは否めません。
生きている年数が違うので、それは当然のことですが…。
では、どうやって、経験や智慧をふやしていくか、ですが、先に挙げた「本を読む」ことを提案したいと思います。
本は著者の持つ知識や経験、考え方や主張に触れる機会になります。
自分が直接経験したことでなくても、本を読むことで著者の人生の一部分を自分のものにできます。
自分の人生経験だけでは得られないことが「本を読む」ことで得ることができると考えます。
「本を読む」ことが苦手でも
「本を読む」ことが苦手な人もいると思います。
私は、そういう人にも無理して「本を読む」ことはおススメしません。
ただ、「本を読む」ことが苦手な人は、それが習慣づいていないだけです。
とにかく能動的に文字を読み、何を言わんとしているかを理解し、考える、喜ぶ、悲しむ。
「本を読む」経験を通じて心を動かすことで快感をもたらす神経伝達物質・ドーパミンが分泌され、脳内に読書を楽しむ回路をつくることが大切です。
「やらされ感」ではなく、楽しんで本を読みましょう。
とっかかりは自分の興味のあるジャンル、例えばスポーツでも芸能の本でも良いし、週刊誌でも新聞でも小説でも良いと思います。
小説などは登場人物の経験やそのときの心理を追体験することで経験を増やすチャンスになります。
「文字だけはどうしても苦手」という人はマンガも良いと思います。自分に合った読書を見つけてください。
仕事のために介護関連の本を読むことも大切ですが、それは次のハードルと考えて、まずは「本を読む」ことを習慣づけることから始めましょう。
…それとも、このコラムを読んでいる人は、すでに文字を読むことに抵抗のない人たちばかりかもしれませんね。
朝に「本を読む」理由
最後に朝に「本を読むこと」おススメする理由を述べましょう。
「まだ日の明けきらない朝、空気は心なしか澄んでいる。ポットで湯を沸かし、コーヒーを淹れる。音は外で小鳥のさえずりだけ。
コーヒーの香りが鼻腔をくすぐり、まだ眠気が残る頭をスッキリさせる…。」
こんなひとときに自分な好きな本を読めればサイコーじゃないですか。
あくまで、これは私の経験上の話です。
正直なところ、読む時間は「自分の好きな時間」に限ります。
ただ、朝はほかの用事に縛られず、読書に集中できる時間帯だと思います。
いっぽう、夜は途中で眠くなったり、逆に終われなくなって寝不足になるかもしれません。
いずれにしても「本を読む」ことが習慣化されるまでは時間を決めておくことをおススメします。
たくさん本を読んで魅力的な介護士になろう
1.「本を読む」ことは経験や智慧を増やす機会になる
2.「本を読む」のが苦手な人は自分の好きなジャンルの本を読む
3.「本を読む」ことを習慣化させるには時間を決める
蛇足ですが、「本を読む」インプットの後に、「その内容を誰かにしゃべる」「感想を書く(ブログなど)」などのアウトプットをすると良いと思います。
そうすることで、それらのスキルも上げることができますし、読んだ本の理解がより深まるからです。